米半導体大手のインテルが15%の人員削減と第4四半期の配当停止を発表

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 先日、米国債券市場のデータを見ていたのですが、CPUで有名なインテルの債券(既発債)が5%を上回る利回りで売られていました。米国は現在は政策金利が高いので、全般的に利率は高いのですが、それでもインテルがこの利率になっていることには驚きました。

 一般的に経営に不安がある企業ほど債券の利回りは高くなるのですが、インテルがそこまで不安があるとは思っていなかったからです。

 しかし、さらに調べてみると、8月1日にインテルは赤字の事業を立て直すために、15%の人員削減と第4四半期の配当停止(無配)を発表していました。人員削減は2024年末までに完了するとしています。

 2024年の7月から9月期の売上高は125億から135億ドル(約1兆8700億-2兆200億円)の見通しです。これはアナリストの予想よりも低い水準でした。Bloombergの報道によれば一部項目を除いた1株当たりの損益について、市場予想の30セントから3セントの赤字を見込む状況になっていますので、業績に黄色信号が灯っています。

 以前のインテルはパソコンの中枢部となるCPUで大きなシェアを占めて、パソコンの出荷台数の増加に伴い、どんどん強くなっていった印象があります。WindowsとIntelからもじって、Wintelという造語もありました。各企業とタイアップした「Intel入ってる」というコマーシャルもよく流れていたと思います。

 ところが、ビデオカードの分野で成長していたNVIDIAがその技術を活かして人工知能(AI)の分野に進出するなど競合が増えたことで、Intelは苦難を強いられていたようです。

 さらには、スマホやタブレットの分野ではIntel以外のCPUが主流になってしまったほか、タブレットのOSが持つ機能は徐々にパソコンに近づいているので、数年後にはパソコンの市場を脅かす存在になっているかもしれません。

 具体的に今回は何を立て直して、どんな成長シナリオで進めていくのかを裏付ける資料を見つけられなかったのですが、もう少し研究してみたいと思います。

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