半永久の寿命と思っていたCDはアナログレコードよりも寿命が短い

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コンパクトディスク(CD)が登場したのは1982年10月1日です。最初に売り出された色々なCDの中で、最初に生産されたのはビリー・ジョエルの「ニューヨーク52番街」です。

コンパクトディスクが発売される前はアナログレコードでコンテンツを購入することが普通でした。特にLPレコードは直径が30cm、特にアルバムのジャケットはアーチストが腕に縒りをかけてデザインされていました。

当時のアナログレコードの欠点は演奏するまでの手間や注意すべきポイントが多かったことです。ターンテーブルにレコードをセットして慎重に針を落として演奏中はプレーヤーに触らないことが必須でした。もし演奏中に揺らしてしまうと針が飛んでしまったり、最悪はレコードに傷をつけてしまいます。

そんな中で登場したのがコンパクトディスクでした。取り扱いやすい直径12 cm、プレーヤーへのセットが楽で演奏中の振動にも少し強くなりました。曲を飛ばして次の曲に移るのも一瞬です。また、当時はコンパクトディスクのメディアは永久に利用できるという誤解もあったと思います。

例えば、1990年の新聞では、日立製作所は温度20度、湿度95%の条件下では100年以上もつと推定している、SONYは「よほど過酷な条件でない限り、100年、200年は問題ないはず」などと質問に答えています。

しかし、コンパクトディスクの発売から40年以上が経過して、寿命を迎えてしまったメディアのレポートが見られるようになってきました。そんなレポートの中で見た目がとても衝撃だったのが、こちらのWindows98のインストールメディアです。

メディアにヒビが見つかったので、バックアップを取るためにドライブに入れたところバキバキに割れてしまったのだそうです。

現在のパソコン用のコンパクトディスク読み取り用ドライブはデータ転送速度を速くするために回転数が標準の何十倍にもなっています。このメディアができた当時には考えられなかったほど速い回転数なので、老朽化した状況では厳しかったのかもしれません。

音楽用のコンパクトディスクであれば、標準の回転数でしか回らないので、データを入れたコンパクトディスクよりは物理的な破壊の可能性は少ないかもしれません。

しかし、信号を記録している層が劣化して信号の読み取りができなくなることがあります。どの程度の期間で読み取れなくなるのか調べてみると、短くて10年程度から徐々に読み込めなくなる確率が増えていくようです。

メディアの保管にあたっては、

  • 直射日光を避ける
  • 高温・多湿を避ける
  • 傷や汚れを防ぐ
  • 専用のケースに入れる
  • 立てた状態で保存する

といった点に注意しながら保管して、特に大切なデータについては10年おきくらいには別のメディアにコピーしたり、さらに二重でクラウドにも保管しておくなどの細心の注意を払うことで長期にわたって失う確率を下げられると思います。

50年前のLPレコードは今でも聴くことができるのに、CDはそろそろ寿命になってきてしまったというのは残念なことだと思います。

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