私が住んでいるところの周辺は普通のテレビ放送を受信しにくい地域で、昨年(平成15年)に家を購入する時に不動産屋さんから重要事項説明書で説明を受けていました。引っ越しをしたあとにダメ元でアンテナ屋さんにアンテナ工事をできないか確認をしてみたところ、わざわざ測定に来てくれて、「テレビ放送は映るには映ると思うけれども、ノイズが多いから、画面が右とか左とかに引っ張られたような感じになって、うまく受信できないと思う。これはブースターとかを使っても改善できないので、基本的に打つ手はない。近くのケーブルテレビ会社に申し込むの一番だと思う。」とやさしく教えてくれました。
仕方が無く、ケーブルテレビ会社に申し込みをおこない、地上波のアナログ放送だけが見られる契約とアナログCS放送が見られる2種類の基本契約形態のうち、後者のCS放送も見られる契約形態を選んで今まで楽しんできました。

そんな中で今年(平成16年)の4月になってから、東京全域に地上デジタル放送が行き渡る前の6月から、CATVを通して地上デジタル放送の配信を開始するというアナウンスを大々的に始めました。しかも、有料デジタルCS放送、有料デジタル放送を省いたすべてのデジタル放送を見ることが出来る契約が今までの契約よりもずっと安い値段ですむようになります。これはお得なので、すぐに申し込みを行いました。しかし、待てど暮らせど、工事日の連絡がありません。そんなときに1枚のはがきがCATV会社から来ました。STB(セットトップボックス)を調達しようとしていた会社の生産がうまくいっていないらしく、STBのメーカーを変更するそうです。しかも工事日は早くても7月以降になるとのことで、かなり裏切られましたが仕方がありません。そのまま待ち続けることにしました。
そうこうするうちに6月も下旬になると、やっと工事日の連絡がありました。そして、B-CASカードの契約書が送られてきて必要事項を記入してすぐに返送し、そして工事日が来るのをまた待ちました。
工事日到来
約束の工事日になりました。私はAVアンプや液晶プロジェクターへの接続等、かなり配線が複雑になっているので、工事の人が来て、ぐじゃぐじゃにされてしまうのも怖かったので、テレビに直づけする形で古いCATVチューナーを接続し、簡単に交換ができるようにセットしておきました。これならば工事の人はあまり苦労すること無く、交換することができるはずです。正直、機械だけを置いていってくれれば、こんなことをわざわざしなくてもすむのですが、必ず工事はセットのようですね。CATVは共聴設備なので、誰かが変な使い方をすると、ほかの契約者に迷惑をかけることにもなりかねないので、この辺には気を使っているのでしょう。
工事日は会社への出勤日だったので、会社に出勤して、夜になって家に帰ってみると無事に機械が交換されていました。古いCATVチューナーのリモコンを工事の人は忘れていってしまいました。さすがに本体が無いと無用の長物ですが、CATV会社の人も回収したCATVチューナーを再利用することは考えていないのでしょう。
簡単にきちんと映ることを確認したあと、正規のセッティングに位置替えです。この機械にはケーブル放送からの同軸ケーブルを接続する端子のほかに、音声(RCAピンX2)が2系統、音声(デジタル音声出力:光出力端子)が1系統、映像(RCAピン、S端子)が2系統、そしてD1/D2/D3/D4兼用のD映像出力端子が1系統、ついています。この中で音声と映像をAVアンプに接続し、ケーブル入力端子に同軸ケーブルを接続して、電源プラグをコンセントに入れれば完了です。ラックに設置後の写真が下記の写真です。

リモコンのほうは、超大型です。こんなに大きなリモコンはなかなか見ることができません。STBも機種によっては簡易リモコンという、いつも使う機能だけを集めたコンパクトなリモコンを同梱している会社もあるようですが、パイオニアのこの機種(BD-V270)には付属していないようです。

このリモコンはテレビも操作することが出来ます。青いボタンがテレビを操作するためのボタンです。テレビの方はメーカーが最初からプリセットされていて、国内主要各社およびLGとフィリップスについて、簡単に設定することができるように工夫されています。
パイオニア | SONY1、2、3 | 松下1、2、3 | 東芝 | 日立1,2,3 | 三菱1,2 |
ビクター1,2,3 | 三洋1、2 | アイワ1,2,3 | シャープ1、2,3 | フナイ1,2、3,4,5 | NEC1,2 |
富士通ゼネラル | フィリップス1、2 | LG |
(注:一部対応していない機器もあるようです)
一方、一番下に3つ並んでいるボタンはCATVのホームターミナルを操作するためのボタンです。こちらも、CATVのホームターミナルのメーカをプリセットされていますので、簡単に切り替えることができます。リモコンはBR-V270という名前です。
パイオニア | 松下1、2 | 東芝 | NEC | 富士通ゼネラル | 富士通 |
シンクレイヤ(愛知電子) | 住友電工1,2,3 | BNMUX | DXアンテナ | SA |
(注:一部対応していない機器もあるようです)
メニューで設定
メニューで設定できる項目を簡単に階層表示すると次のようになります。何が出来るのか、このメニューの項目名から想像することができるかと思います。
1階層目 | 2階層目 |
---|---|
番組視聴設定 | 字幕表示設定 |
チャンネル表示設定 | |
画面表示設定 | |
暗証番号設定 | |
視聴年齢制限設定 | |
PPV設定 | |
システム設定 | 映像設定 |
デジタル音声設定 | |
ダウンロード設定 | |
チャンネル設定 | |
周波数設定 | |
通信設定 | |
地域設定 | |
システム動作テスト | |
外部機器設定 | VTR連動録画設定 |
お知らせ | 受信メッセージ一覧 |
ボード | |
受信機レポート | |
ICカード番号表示 | |
PPV購入履歴 |
EPG(電子番組表)
最近はDVDレコーダーを中心にして、電子番組表(EPG)は当たり前のように付くようになってきていますが、当然、この機械にもEPGが付いてきます。画面いっぱいに番組表が表示されるため非常に操作がしやすいのが特徴です。

左右上下キーを使って番組を選べば、その時間帯に放送されている番組であればチャンネルが切り替わります。一方、未来に始まる番組を選んだ場合は予約するか否かをきいてきます。このときの画面を下に示します。

この画面では下側に番組の詳細情報が表示されて、上には、「視聴予約」、「録画予約」、「予約しない」の3択が現れます。視聴予約というのは単に時間になったら番組を見ることが出来るという設定です。録画予約というのは付属のビデオデッキリモコン操作用の機器を利用して自動的にビデオデッキの電源を入れて、録画開始ボタンを押して、終了時刻になったら録画を止めてビデオの電源を切るという一連の動作をリモコンの信号を使って自動的に行ってくれます。すでに私は、スカパー!のチューナーで同じ機能を持っているチューナーを持っていたので、今回は余り驚くことは無かったのですが、やはり便利な機能だと思います。この機能がビデオデッキだけではなく、DVDレコーダーにも対応してくれていると良いのですが、どんなものなのでしょう。明日にでも1階にあるPSXを2階に持ち込んで、PSXとの連動ができるか否か確認してみたいと思います。
パイオニア1,2,3 | シャープ1,2,3,4,5,6,7,8 | アイワ1,2,3,4 | NEC1,2,3,4 | サンヨー1,2,3,4 |
ソニー1,2,3,4,5,6 | 東芝1,2,3,4,5,6 | ビクター1,2,3,4 | 日立1,2,3 | フナイ1 |
松下1,2,3,4,5,6 | 三菱1,2,3,4 |
(注:一部対応していない機器もあるようです)
(2004.8.3追記)
SONYのPSXを引っ張り出してきて、このVTR予約録画機能に対応しているか否か確認をしてみました。特にSONYは番号が1から6まであるため、最近のDVDレコーダーも対応しているのではないかと期待をしていたのですが、結果は惨敗でした。どんなにテストをしてみても、PSX本体の電源がビデオコントローラー経由でONにすることはできませんでした。信号がやっぱりVTRとDVDレコーダーでは違うのですね。これでは残念ながらつかいものになりません。ファームウエアをアップデートする機能が付いているようなので、この機能でパイオニアがアップデートを行ってくれて、各社のDVDレコーダーに対応してくれるのを待つしかありません。非常に残念です。
(2004.9.16追記)
今度は三菱の「楽レコ(HE500)」を購入したため、これで連動ができるか否か確認してみました。結果は惨敗です。三菱の楽レコはBD-V270からの指令を受け取ってはくれませんでした。
このページの一番下にあるアンケートフォームから教えて頂いたのですが、こちらのサイトによると、東芝のDVDレコーダーは制御ができたという報告があがっているようです。東芝のどの機種かまでは判らないのですが、どうしても連動させたい場合は、東芝の機種を選択するのも一つの手かもしれません。
(2004.12.19追記)
更に今度は東芝の「RD-XS53」というDVDレコーダーを購入しました。上記のサイトで東芝のDVDレコーダーで連動ができたという報告があったため、再度、東芝機で実験をすることにしました。すると、東芝の5番で電源ONが無事にできることが確認できました。これならば、連動録画がうまくいきそうな気がします。今度は実際にBD-V270の番組表でVTR連動録画の予約を行ってみて、うまくいくか否かを確認してみたいと思います。
「世界の車窓から」をBD-V270からVTR連動録画の指定をしてみました。すると、RD-XS53の電源が時間の少し前に投入され、番組が始まる時間になったら、自動的に録画がスタートしました。そして終了時刻になると録画をSTOPして、BD-V270の電源だけが切れました。なぜか、RD-XS53の電源は切れなかったのですが、こういうものなのでしょうか。でも、まずは録画予約に成功です。さすがに、入力切り替えを自動的に外部入力には切り替えてはくれないようなので、事前にRD-XS53の外部入力を有効にしておく必要があります。今後、BSデジタルなどで、どうしても見たい番組があるというときなどに、これでDVDレコーダーに映像を残せておきます。助かります。
視聴予約・録画予約の機能
この機種は番組の放送時間に変更があったりイベントリレーされた場合、自動追従する機能があるそうです。終了時刻が遅くなった場合には予約も延長して実行します。後続で予約していた番組があり放送時間が重なってしまう時には後続の番組は録画が中止される仕組みになっています。つまり、プロ野球が延長してしまった場合にはそのプロ野球は最後まで録画してくれるということになります。一方、開始時刻が遅延した場合は予約も遅延して実行されます。しかしマニュアルには番組によっては保証できない旨の記述があります。また、よくNHKの高校野球の中継にありますが、番組が延長したときに、その延長分の放送を別のチャンネルで引き続き放送される場合があります。これをイベントリレーと呼ぶそうですが、この場合にもイベントリレー先の放送がそのまま録画されるそうです。良くできています。
データ放送
デジタル放送を見ている時に、リモコンの「データ」というボタンを押すだけで、画面はデータ放送の受信画面に切り替わります。

ニュースや天気放送に簡単にアクセスできるほか、番組と連動した情報などを見ることが出来ます。あまり使うことは無いかな?とも思う機能ですが、今後、画期的な使い方が現れるのではないかとも期待できる機能ではあります。
見ることができる放送
このパイオニアのBD-V270という機種では、地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送を見ることができます。地上アナログ放送を見たい時にはこの機械を通して見ることは出来なくて、テレビのほうで直接チューニングして見る形になります。ほかにJCテレビという選択肢があるのですが、エッチな有料番組が多いようで、まだ見ていません。
地上デジタル放送を見ていて判ったのですが、地上アナログ放送と地上デジタル放送では基本的には同じ番組を放送しているのですが、番組によっては地上アナログ放送は4対3の画面で放送されているのに対し、まったく同じ番組が地上デジタル放送では16対9の画面で放送されています。現在放送中のドラマや映画、そして報道番組などは16対9のワイド画面で放送されているようです。

一方、CMはまだまだ4対3の放送が多いようです。左右に余白が出来る形で放送されます。我が家唯一のワイド画面対応機器である液晶プロジェクターの画像をカメラで撮った物なので判りにくいですが4対3の画像も載せておきます。

ファームウエアのアップデート (2004.9.11追記)
Googleを使って、「BD-V270」を検索してみると、武蔵野三鷹ケーブルテレビのページがヒットしました。何が書かれているのだろうと思いサイトへ行ってみると、そこはファームウエアのアップデートに関するお知らせでした。ダウンロードは9月6日の午後から始まっているようです。アップデートの具体的な方法は下記のように案内されていました。
【操作1:BSデジタル放送を15分ほど視聴してください】 放送切換を操作して、BSデジタル放送を15分ほど視聴していただくと、受信機がダウンロードを実行するための情報を取得します。この情報を取得すると、前面パネルの「お知らせ/回線使用中」が点灯し、メニューから、「お知らせ」→「受信メッセージ一覧」と操作すると、「ダウンロードのお知らせ」を確認することができます。 【操作2:セットトップボックスの電源をオフしてください】 ダウンロードの情報を取得した後、受信機の電源をオフすると、電源インジケータは、一旦、橙となった後、赤になります。このあとダウンロード時刻(*2)になると、電源インジケータは再度、橙となり、自動的にダウンロードを開始します。ダウンロードは、5分程度で終了し、電源インジケーターが赤になります。これで、ダウンロードは終了です。その後セットトップボックスは新しいソフトウェアによって動作を開始致します。 (*2)ダウンロードは日に数回、決まった時刻に行われます。 【ダウンロード完了確認の方法】 メニューから「システム設定」→「システム動作テスト」と操作すると画面にバージョン番号が表示されます。表示されたバージョン番号が下記の新バージョン番号であればダウンロードが完了しています。 現バージョン番号 : A201-0406191 新バージョン番号 : A202-0408182 |
はじめにファームウエアのバージョンを確認してみたところ、古いバージョン場号であることが判りました。これを読むと、ファームウエアのアップデートというものはBSデジタル放送を介して実施されているようですね。さっそく、BSデジタル放送で、ちょうど放送されていた、「Drコトー診療所」を15分程度見てみましたが一向に「お知らせ回線使用中」のランプが点灯しません。諦めて、装置の電源を入れっぱなしにして、そのまま寝ることにしました。翌朝起きてみると、無事にランプが点灯していました。装置の電源を切れば、これでファームウエアをダウンロードしてアップデートを行ってくれるはずです。
この状態で半日ほど電源を切ったままで置いておいたところ、きちんと新しいバージョンのファムウエアにアップデートされていました。今回のファームウエアはバグ改修のみのようなので、機能的なアップグレードは無さそうですが、次回はぜひ、DVDレコーダーとの連動など、新しい機能を付け加えて欲しいと願っています。
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