NTTドコモのPDA「GFort」の購入とレビュー

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 GFortはNTTドコモがカシオから供給を受けて発売しているPDAです。価格の情報を扱っている掲示板を読んでいると、LAOXで特売をしているという情報がありました。当時、音楽はWMAをRIO600に落として聴いていたのですが、なにしろ内蔵メモリが32MBしかなかったこと、メモリの32MB増設に1万円程度のお金が必要だったこと、PDAとRIO600を一緒に持ち歩かなくてはいけなく、煩わしかったことから、さっそく買ってみました。

 どこのLAOXでも売っているのか否か判りませんでしたが、当時は一番近くにあった昭島のモリタウンにあるLAOXに行ってみました。ちょうど開店時間と同時くらいにお店に入ってレジにいた店員さんに聞いてみると、「予約ですか?」とまず聞かれ「違います」と答えると、なんで特売品のGfortがあることを知っているのだろう?と不思議そうな顔をしつつ、ほかの店員さんと相談したうえで品物を出してきてくれました。このときの購入価格は事前に情報を仕入れていたのと同じ14800円です。特にP-inMasterと一緒に買わなければいけないといった縛りはありませんでした。NTTドコモの製品については、商品の入れ替え時期になるとよく在庫処分のために投げ売りをしてくれます。この機会をねらって買うと良い買い物ができるので、ドコモの製品が結構たくさんたまりつつあります。

 ほかにNTTドコモの放出品で購入したものは、同じくPDAのカシオペア、MPEG4で動画をとることができるeggyなどがあります。

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OS(POCKET PC)

 GFortにはマイクロソフト社のWINDOWS CE後継のPOCKET PCがインストールされています。POCKET PCは操作面でのインタフェースまわり、またプログラム上についてもマイクロソフト社の主力製品であるWINDOWSと似ていることが特徴です。パソコンで使用するWINDOWSはフロッピーディスクやCD-ROMからインストールしたり、後継製品にアップグレードしたりすることができますが、POCKET PCはROM(リードオンリーメモリー)で供給されるため、ソフトウエア的にアップデートしたり再インストールしたりすることはできません。しかし、フルリセットを行うことにより、購入時の状態にすぐに戻せるというメリットもあります。また、一部の製品では、交換用のROMに新しいバージョンのOSを入れて、ROMを入れ替えることにより、ハードウエア的にバージョンアップすることができるサービスを準備した製品も現れてきました。(今のところ、カシオの製品ではサービスされていないようです)

 GFortはその中でも特にP/PC規格に則って製品化されています。P/PCはその名前の通りの手のひらサイズのPCです。米国で大ヒットし世界的にも人気のPalm(こちらにPalmからのOEM、WORKPADのレポートがあります)シリーズを参考にして、縦長サイズの液晶といくつかの操作ボタンが配置された端末となっています。キーボードは一般的には準備されていないのですが、このGFortは変わり種で、標準で小さなキーボードが付いてきます。

 P/PCはパソコンやハンドベルドPC端末と比較して機能面ではやや劣りますが、その代わりに小型軽量のボディを持っています。P/PCは基本的にデータの入力よりもデータを閲覧することに優れています。P/PCでは本日の予定などをデスクトップ上に表示することもできますし、アラームなどで会議があることを知らせてくれる機能もあります。

見た目

 上記の販促用写真を見ると、そんなに大きな感じはしないのですが、実際にはかなり厚く(厚さ25mm!)、かろうじて背広の内ポケットに入るという感じです。NTTドコモがコンパクトフラッシュを使えるように仕様を変えたため、当時のカシオ製品よりも厚くなってしまったものと思われます。この厚み以外は我慢できる範囲でした。

 本機はTFTカラー液晶を使用しているため、既に紹介したモノクロ液晶のE-55や反射型カラー液晶を搭載したPRESARIO213と比較すると非常にきれいな映像を見ることができます。しかし、明るい場所では逆に画面が見えにくくなってしまうところは、普通のパソコンと同様に欠点ということになります。画質の良い反射型カラー液晶ができると、TFTカラー液晶よりも使いやすくなるのではないかと思いますが、まだ技術がそこまで高くなっていないようです。

使い心地

 ボタンの数や配置等は標準のデザインです。従って、いままで使ってきたCASSIOPEIA E-55やCOMPAQのPURESARIO213と同じ使い心地なので困ることはありません。PALMやWINDOWS CEでは、ハードごとに操作性が変わらないように、ハードウエアのデザインガイドも定められているので、異機種のパソコンを使い分けるよりも、もっと簡単に操作することができると思います。

赤外線通信ポート

 GFortにいは赤外線通信ポートが付いています。IrDA1.0準拠で、最大115.2Kbpsで通信が可能です。主な用途としては、他のモバイル端末やノートパソコンと連絡先などのデータ交換が考えられます。また、デスクトップ機に赤外線通信アダプタを取り付けることにより、ワイヤレスで同期を行うことができるようになります。

シリアルコネクタ

 本体底部に位置するシリアルコネクタはUSBケーブルとGFortを接続する端子として使われる以外に、標準のシリアルポートとして使用できます。専用のデジタル携帯電話接続ケーブルを購入し取り付けることにより、PDC対応のデジタル携帯電話と接続して、インターネット接続ができるようになります。

パソコンとの連携

 P/PC端末は基本的にパソコンのパートナーとして使用されることを前提に設計、開発されています。このため、ほかのPDA以上にパソコンとの連携は重要です。Wordなどの文書データの交換やアドレス帳やスケジュール帳の自動シンクロ機能はPOCKETPC端末端末特有の利点と言うことができます。また、データ交換だけではなく、アプリケーションのインストールでもパソコンは必要不可欠です。市販ソフトではパソコン経由でP/PC端末にインストールするタイプが多く、端末単体では移用できないアプリケーションもあります。連携に必要なパソコン側のソフトウエアについては、端末に付いてくるCD-ROMの中に入っていますが、さらに最新のバージョンの製品が必要なときは、こちらのマイクロソフトのホームページからダウンロードすることができます。(ACTIVESYNC)

音楽鑑賞

 さっそく、手元のコンパクトフラッシュに音楽をWMAに変換したファイルをコピーしたものを差し込み、付属のリモコン付きヘッドフォンを差し込み、Windowsメディアプレーヤを起動、再生してみると、音質が今ひとつでした。間違えなく、このリモコン付きヘッドフォンのせいであろうと予測をたて、RIO600で使っていたソニーのヘッドフォンに取り替えてみると、音にしまりが出て見違えるような音質になりました。明らかにRIO600よりも良い音だと思います。Rio600はそのままYahooオークションで売却しました。

 PocketPC用のWindowsメディアプレーヤがアップデートされていることを知り、マイクロソフトのホームページからダウンロードしてインストールしました。MPEG4の動画ファイルも再生できるようになります。(かわりに付属のヘッドフォン付属のリモコンからはコントロールできなくなるようです)

 このWindowsメディアプレーヤには便利な機能があって、各ボタンにプレーヤの操作キーを割り付けていくことができます。特に演奏中に画面表示を切ることができますので、バッテリーを長持ちさせることができます。

 いろいろ試してみたのですが、WMAの64kbpsならば、ほぼ満足して聴ける音質、48kbpsでも特に不愉快無く聴けるレベルの音質です。マイクロソフトのホームページでは64KbpsでCD並の音質、48KbpsでCDに近い音質と宣伝していますが、そんなに誇大広告では無いような気がします。128MBのコンパクトフラッシュに48kbpsで変換したWMAの音楽ファイルを40曲程度入れて、持ち歩いています。

 CD-ROMからWMAに音楽を圧縮するときには、MUSICMATCH JUKEBOXという製品を使用しています。日本国内では商品としてパソコンショップで発売されていますが、開発元の海外のホームページまで行けばBESIC版が無料で配布されています。こちらのページに紹介の記事を新しくアップしました。

 その後、ヘッドフォンをSONY製から独のSENNHEISER社製のものに切り替えました。音質が素直なので、特に長時間聞いていても疲れるような音作りでは無いため、たいへんに気に入っています。こちらのホームページにSENNHEISERのヘッドフォンに関するレポートを整理しました。

動画鑑賞

 新しいWindowsメディアプレーヤは動画をPocketPCで見ることができるようになりました。動画ファイルの作り方は以下の通りです。ときどき、コマ落ちが発生することが気になりますが、楽しめるレベルではないかと思います。

  1. Windowsメディアエンコーダをパソコンにダウンロードする。
  2. PocketPC用(カシオ)用のコンテンツをダウンロードする。
  3. Windowsメディアエンコーダを起動後、以下の順序で操作する。できあがったWMVファイルをコンパクトフラッシュにコピーしてGFortのWindowsメディアプレーヤで鑑賞する。

キーボード

 標準で小さなキーボードが付属してきます。携帯電話のように、一つのキーに対して複数のアルファベットが割り当てられているタイプのキーボードです。このPDAを使って文章を打ち込むようなことはしていないので、まだ一回もこのキーボードを使ったことはありません。

液晶

 TFT液晶というだけあって、非常に表示はきれい、かつ明るくて、視認性はとても良いと思います。明るい室外にいても、ディスプレイの明るさを調整すれば、まず画面が見えないということはないと思います。

その他  (2002.12.23)

 本機では音楽を聴いている機会が多いので、ヘッドフォンをつなげる端子のカバーが劣化してきて、ふたが閉まりにくくなってきました。閉めてもすぐに開いてしまいます。同様に上部のコンパクトフラッシュ等を格納するためのカバーも開きやすくなってしまいました。樹脂製なので劣化には弱いようです。これらのカバーだけを入手することはできるのでしょうか。機会があったらDOCOMOショップで聞いてみようと思います。

後継製品 (2003.5.17)

 NTTドコモはG-Fortに続いてMuseaというPocketPC製品を販売しています。G-Fort同様にカシオからのOEM製品で、1ランク、グレードが上がった商品になっています。

 

musea ハードウェアスペック
メーカーDoCoMo (カシオ OEM)
型番musea
CPUStrongARM(206MHz)
OSPocketPC 2002 Software 日本語版(Windows CE 3.0)
メモリROM32MB(Flash Memory)
RAM64MB(SDRAM)
画面3.5型反射型TFT液晶
(240×320ドット、65,536色)
入力装置スロットコンパクトフラッシュ(TypeII 3.3V仕様)×1
コネクタ拡張コネクタ
赤外線IrDA ver.1.2準拠
サウンド入力内蔵マイク(モノラル)
出力内蔵スピーカー(モノラル)
電源バッテリリチウムイオン電池(内蔵式・着脱不能)。
900mAh。3.7V。
電池寿命非通信時:8時間以上
通信時:携帯電話/FOMA パケット通信
・約40 分(フロントライト輝度最大時)
・約180 分(フロントライト消灯時)
通信カード:P-in
・約30 分(フロントライト輝度最大時)
・約90 分(フロントライト消灯時)
大きさ・重さ幅77.5×奥行130.5×高さ14.8mm(最薄部、突起部除く)、
約180g(液晶ハードカバー除く)
発売日2002/09/06
価格オープン (実売予想価格 5 万円台)

ポータブルオーディオ機器としての使命

 Gfortをポータブルオーディオがわりに使っているのですが、大きくて重いのがやっぱりネックです。実はPDAではなくて、専用のポータブルオーディオが欲しいと思っているのですが、コンパクトフラッシュが使えるような自分に合う機器が見つかっていないのが現状です。

 私は結局、RIO S10という機種を購入しました。256MBのSDメモリカードも一緒に購入しましたので、驚くほどたくさんの音楽を入れて持ち運ぶことができます。これで、ますます、GFortの出番が少なくなってしまいそうです。

Gfortのその後 (2005.8.6追記)

 Gfortはやはり図体がでかいのがネックで持ち歩く機会が完全に少なくなってしまいました。しかし、PDA自体は便利なので持ち歩く必要があります。NTTドコモからはこのGfortに続くPDAも発売されていましたが、なかなか値段が下がらない上、ちょっとPDAとしての魅力に欠けたのも事実です。そこで、iPaq h2210というヒューレットパッカードのPDAを購入しました。iPaqというPDAはそもそもはCOMPAQが発売して、とても人気が出たPDAです。しかし、そのCOMPAQが会社ごとヒューレットパッカードに買収されてしまったので、現在はhpから発売されています。

 最近ではPDA自体の人気も低迷しています。その大きな原因の一つは携帯電話の高機能化があげられます。最近発売されている携帯電話にはOUTLOOKとのシンクロ機能まで搭載されるようになってきました。たとえば、最近購入したNTTドコモのF901isなどもFOMA対応の多機能な携帯電話です。これさえ持ち歩いていれば、インターネットサイトの情報もかろうじて読むことができるので、携帯電話さえ持ち歩けばかなり色々なことができるようにはなってきました。この携帯電話のレビューについては、「NTTドコモ F901is」のページで紹介しています。

 Gfortについては上記のような経緯でまったく使わなくなったため、Yahoo!オークションを活用して売却しました。もう発売からだいぶ期間も経過するので買い手がつくか否かが出品前には心配だったのですが、すぐに応札がありました。人気の高さがうかがえます。

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