居間ではSONYのPSX、自室では自作パソコンを活用したビデオサーバーを使用しています。自室で使っているビデオサーバーはビデオキャプチャーカードにCANOPUS社のMTV2000、リモコン機能を付けるためにCANOPUS社のリモコンシステムのCRM-1、パソコンから離れたところにあるテレビからでも視聴ができるように、ネットワークメディアプレーヤーであるBUFFALO社のPLAY@TVといった商品を接続して使用しています。録画予約も当然、iEPGでできますし、リモコンも使用できるということで、かなり使いやすい環境が整っているのですが、唯一、問題がありました。新しく、CATV会社からレンタルしたSTB(BD-V270)から連動して録画をすることが困難な点です。
このSTBにはEPGを使って視聴予約や録画予約を簡単に行うことが出来ます。もしも、野球中継などで番組の開始時間が変更になった場合には自動的に追随して録画予約時間も変更してくれるという機能があります。この機能を使用したくても、録画先がパソコンではうまく連動して動作はしてくれません。また、ビデオデッキをリモコン信号を使って連動して動作させるためのビデオコントローラーも付属しているのですが、このリモコン信号はビデオデッキにしか対応していないという中途半端な仕様です。
商品の選択
ビクター DR-MH5
何かうまく対応する方法が無いか商品の下調べを開始しました。最初に見つけたのは、目にしたのは、ビクターのDR-MH5という機種です。

新宿のBICカメラで4万円台中盤(+10%ポイント還元)で投げ売りをされていました。お店で見たときにはそれほど魅力がある商品のようには見えなかったのですが、家に帰って価格.comの掲示板を見ていたところ、「デジタルリンクというビクター独自の機能が搭載されている」という興味深い投稿がありました。
スカパー!チューナー(SONY DST-SD3)のビデオマウス端子とDR-MH5のデジタルリンク端子をケーブルに接続すればスカパー!チューナー側からコントロールが出来てしまうそうです。これは便利な機能なのですが、残念なことにCPRMに対応していません。地上波デジタル放送の番組を本機で録画しても、DVDにダビングをすることができないのです。これでは当初の目的を達成することが出来ないので、本機は見送ることにしました。CPRMに対応し、HDDからDVDへのムーブに対応している機種を探すことにします。(本機の後継機種はCPRMに対応したものの、逆にデジタルリンク機能が削除されてしまったようです。残念です)
コピーワンス
平成16年4月5日から地上デジタル放送とBSデジタル放送では「1回だけ録画が可能」なコピーワンス番組の放送が開始されました。放送の電波が暗号化されていて、それを解読するB-CASというICカードを受信機器に挿入しないと番組を視聴、録画ができなくなりました。しかし、B-CASカードについては、普通にチューナーやSTBを手に入れれば付属してくるものなので困ることは無いはずです。問題はDVDレコーダーでHDDに録画したあとの扱いが問題になりました。HDDに録画したあと、どこにもコピーができないとすると、いつかHDDは大事な番組でいっぱいになってしまいます。そこで最近のDVDレコーダーの中には「ムーブ」と呼ばれる機能が搭載されるようになりました。これがあれば、1回に限り、DVD-RW(DVDレコーダーによってはDVD-RAM)へ番組を移動させることができます。そしてHDDに収録されていた番組は消去されます。DVDメディアに移したあとは、もうどのメディアにもコピーはできなくなるようになっているようです。従って、地上デジタル放送やBSデジタル放送を楽しみたい場合は、「ムーブ」に対応しているか否かが大きな選択の目安になります。
三菱 DVR-HE500 楽レコ
デジタルリンク機能ほど便利ではないものの、他に外部チューナーと連動する機能としては、「待機中にビデオ入力経由で信号が入ってきたときに電源をオンにしてその番組を録画して、ビデオ信号が途切れたら録画をやめる」という機能を持っている機種があります。この機能については、いくつかのメーカーで採用されているようです。この機能を搭載している機種を探すことにしました。
その中で見つけたのが、この三菱の楽レコ、DVR-HE500です。

HDDは80GBしか搭載されていないものの、EPG、1.5秒高速録画、36倍速高速ダビング、デジタル3次元ノイズリダクション、デジタル放送予約など一通りの機能を揃えているのに、値段が4万3800円で売っている通販のお店を見つけて、そこで購入することにしました。 楽天市場 のTAKEYAというお店だったのですが、楽天アフィリエイトで貰った成果報酬のスーパーポイントも使うことができました。
商品が配達されて使っていたところで、続きのレポートを書きたいと思います。
ビデオ機器の使い分け
この三菱の「楽レコ」を購入したことで、普段使っている録画機器は3種類になりました。一つはSONYのPSX、一つはMTV2000を装着した自作パソコン、そしてもう一つが今回購入した楽レコです。下記のように使い分けていきたいと思っています。
番組の種類 | 録画機器 | 理由 |
---|---|---|
スカパー!の音楽番組の予約録画 | パソコン | ★放送時間が変更になる恐れが少なく、もし失敗をしてもリピート放送が多い ★あとで曲別にファイルを分ける等の動画編集が自由自在にできる。 |
ドラマ | 楽レコ | ★ワイド画面の放送が多いこと、放送時間帯の変更が多いことから、地上デジタル放送から録画をする |
子供番組、その他 | PSX | ★家族で見る番組は居間に置いてあるPSXで録画をする。 |
商品到着
到着予定日のお知らせ通りに商品が届きました。

中をあけるとこんな感じでした。マニュアルはたいへんに判りやすくかかれています。またセットあっpのためにクイックセットアップガイドも付いていました。

セッティング
普段であればマニュアルなど読まずにセッティングを開始してしまうのですが、今回は気分を変えてマニュアルを見ながらセッティングをすることにしました。まず注意しなければいけないのは、パススルーさせたい機器がある場合には入力1に接続させなければいけない点です。パススルーとは便利な機能で、パススルー対応端子に接続した機器の映像および音声は、本機の電源を切っている時には本機を通り抜けてそのまま出力端子に流れていくというものです。これを使うことによって、テレビの入力端子やAVアンプの入力端子を、本機とパススルー対応端子に接続した機器で共用することができるようになります。入力端子が足りなくなりそうでも、こればらば大丈夫です。このパススルー機能は標準では「off」になっているため、設定メニューから「on」にすることではじめて使うことができるようになります。
機能一覧
リモコンには機能一覧というボタンがあります。このボタンを押すと、このDVDレコーダーが持っている各機能にメニュー形式でアクセスできるようになっています。ディスク管理、プレイリスト編集、ダビング、番組表、予約、再生リスト、バーチャルライブラリー、セットアップ、お知らせボックスという選択肢があります。

セットアップを選択すると下記の画面になります。最初に電源を入れた時に「簡単セットアップ」というものが立ち上がりますが、これで最低限のセッティングをしたあとに、このセットアップから詳細なセッティングをおこないます。

EPG(電子番組表)
この機種にはEPGが付いています。EPGについては番組のデータをどのような形で持ってくるかによっていくつかの種類があるのですが、この「楽レコ」ではGガイドという方式が用いられています。この方式は現時点のところ、EPGの中ではもっとも一般的な方式で、各地域ごとのキー局(東京ではTBS)が電波のすき間を利用して1日に5回の定時に番組表データを配信しています。Gガイド対応のDVDレコーダーは電源をオフにしているときにこの番組表データを取得するような仕組みになっています。表示形式は新聞のテレビ欄と同様に3局単位の縦型表示なのですが、横にテレビ局3局、縦に2時間分の一覧では一覧性がとても悪いです。パッと1日全体の放送スケジュールを見るようなことは不可能といっても過言ではありません。左隅に付いている広告は邪魔の一言に尽きます。この広告収入のおかげで無料でEPGのデータを使えているのだとは思うのですが、もう少し面積を小さくするわけにはいかなかったのでしょうか。

ジャンル検索という機能も付いています。ドラマ、映画、音楽、アニメ、スポーツといったジャンルごとに番組を表示させることができます。

トピックスという選択肢を選ぶと、必見!!今週のテレビ番組などのメニューを見ることができます。

キーワードを入れて検索することもできます。キーワードを入力する時には、携帯電話と同じように10キーを使って入力します。この入力方式には自分自身が慣れていることもあって、使いやすいです。一方のPSXでは画面にソフトウエアキーボードが表示されるという非常に凝った仕様になっているのですが、残念ながらこの携帯電話入力方式と比べると使いにくいと思います。

番組の詳細情報です。番組によっては情報が少ししか入っていなかったりするのですが、この「大改造!!劇的ビフォーアフター」の番組紹介はとてもたくさんの情報が入っていました。

ITmediaでDVDレコーダーの特集を行っており、ここで、3種類のEPG方式(G-Guide,ADAMS-EPG、DEPG)に関する解説が行われていますので参考にしてみてください。
スポーツ中継延長対応
三菱の楽レコには「スポーツ中継延長対応」のための機能が備わっています。私も最初は誤解していたのですが、地上アナログ放送におけるスポーツ中継延長対応というのは、録画時に前に放送された野球中継などが延長していたら、その分を遅らせて予約を開始してくれる機能ではありません。地上アナログ放送のEPG情報はそんなに頻繁、タイムリーに更新されてダウンロードされてくるものでは無いことに起因しているようです。地上デジタル放送やBSデジタル放送のチューナーであれば、野球中継が伸びたときにはタイムリーに番組表へ反映されているので、この辺の使い勝手はかなり変わります。
それでは、地上アナログ放送のスポーツ中継延長対応とはどのようなものかというと、録画予約をするときに、もしもその番組の前に、番組表の中に延長をにおわす記述があるとき、予約の終了時間を後にずらしてくれる機能となります。楽レコの場合は、セッティングメニューで延長対応の機能を有効にして、かつ30分/60分のいずれかの時間を指定しておきます。そして、延長する可能性のある番組の後の番組を予約すると、、「スポーツ延長対応録画機能により終了時刻を延長しますか?」と聞いてきますので、これに答えれば規定の時間だけ延長してくれます。
無駄に長く録画されてしまいますが、後の部分が切れて見えなくなってしまうよりはずっとマシなので、私は「60分」を指定して延長録画をするようにしています。
かんたんメニュー
機能が多すぎて使いにくいという考慮からか、「かんたんメニュー」というメニューを出すことができます。

HDDに収録した番組の一覧
HDDに収録した番組の一覧です。シンプルな画面で使いやすそうです。

操作性 (2004.8.27追記)
楽レコを使い始めてしばらく経ちましたので、操作性に関するレポートを追加します。一番気になっていたのは、操作の指示をしたあとの反応です。楽レコの場合は電源を入れたあとの起動完了までに要する時間が1.5秒と短いことは判っていたのですが、たとえば番組表のスクロール速度などが気になります。
もう一台のSONYのPSXは電源投入後に起動が完了するまでに30秒程度の時間がかかるので、ここは非常に不満ですが、その他の反応についてはかなり機敏に動作してくれます。番組表のスクロールなども全く違和感無く動作してくれます。これは、プレイステーションで描画性能を高めるための仕組みがそのまま、DVDレコーダーの表示系にも使われているので反応が良いと聞きます。
一方のこの楽レコですが、操作系のボタンを押したあとの反応は良好です。電子番組表のスクロールについては、PSXと比べるとかなり遅いですが、これでも他のDVDレコーダーと比較するとかなり早い部類に属するようです。
操作性として違和感が残るのは、電子番組表で番組を選択したあとの動作です。PSXやBS・CSチューナーなどは、今放送されている番組を選択すると、その番組が画面に出て視聴できるようになるのが普通ですが、楽レコはそのまま突如として予約録画の画面に登録されてしまい、すかさず録画が始まってしまいます。判っていても、ついつい電子番組表上で現在放送中の番組を選択してしまい、何回も不必要な録画をしてしまいました。
次にリモコンですが、CMを飛ばすときに使う30秒スキップボタンの位置が悪く、暗いところでは非常に押しにくいところにあります。これは再生やポーズなどのボタンに近い、独立した位置に配置して欲しいところです。その他のボタンの位置については問題が無いと思います。
売却 (2004.12.28追記)
東芝のRD-XS53という多機能なDVDレコーダーを購入しました。この機種は一つの機械の中に地上波チューナーが2つ入っています。これにより、表番組を録画中でも同時に裏番組を録画できるようになります。同じ時間帯に2種類の番組を同時に録画できるというのは非常に強力です。逆に、東芝のVDレコーダーを購入した関係で、それまで使ってきた本機(三菱の楽レコ)とSONYのPSXの使用頻度が極端に減ってしまいました。そこで、RD-XS53が安定して動作することを見届けた上で、Yahoo!オークションを使って本機を売却することとしました。本機も操作性やレスポンスなどが良かったため、手放すことには抵抗もあったのですが、あまりにも東芝のDVDレコーダーが多機能であったため、残しておく必要がなくなってしまいました。三菱としては楽レコの新しいラインナップ、DVR-HE650など新しい機種を積極的に投入しているので、今後の三菱の動きには注目したいと思います。
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