SOTECのAFINA AVというパソコンをご存じでしょうか。最近、このパソコンのスピーカとレシーバの部分だけがOP-VH7PCという商品名で別売りされています。最初に本レポートを書いているときはSOTECの直販サイトで19800円ですが、TWOTOP等では12800円程度で売られていました。TWOTOPはもう無くなってしまったようですが、秋葉原のLAOXアウトレットショップ等では1万円以下の値札が付いていることもあるようです。販売元はSOTECですが、KENWOODが製造しているだけあって、音質はこの値段で買える製品の中では最高の部類だと思います。
ドライバとアプリケーション
USBオーディオとドライバについて
この商品は普通にLINE IN端子経由でサウンドカードからの出力信号を受けてアンプで増幅できるほか、USBオーディオの機能も持っていて、USBケーブルでパソコンと接続することにより、サウンドカードが無いPCでもクリアな音質で音楽を楽しむことができます。心配なドライバについても、WINDOWS2000、WINDOWS XPではOSに標準装備されているドライバで再生と録音はできるようになりました。デバイスマネージャを見てみると、一つだけ不明なドライバのアイコンが残ってしまいますが、これはパソコンからレシーバをコントロールするときに必要なドライバのようで、通常に使用する上では無くても特に不便を感じることは無いと思います。OSのデフォルトの状態で本製品を接続したときのデバイスマネージャーの様子は以下のような形になります。その他のデバイスのところに認識不可能なUSBデバイスが残っていることが判ります。(下の写真はWindowsXPにおける認識例です)
安売りされているVH7PCのセットには含まれませんが、Geobitというコントロールソフトを手に入れると、この不明なドライバは無くなり、以下のような状態になります。私は秋葉原の電気街にあるジャンクショップで、SOTEC社のパソコンバンドル用のCD-ROMを数種類買ってきて、その中からGeobitを見つけ出しました。
Geobitをインストールした後はSOTECのホームページでアプリケーションのアップデートが公開されていますので、こちらも適用をしてください。
(2023年12月19日追記:リンク先のページがなくなったため、リンクを削除しました)
こちらのホームページからAFINA AVの機種を指定して検索をかけると見つかると思います。
(2003.1.4追記)
SOTEC社のホームページにUSBポート用ドライバが公開されているのを見つけました。これがあれば、GEOBITを持っていなくても、デバイスマネージャーのびっくりマークを消すことが出来ます。こちらのホームページで公開されています。「アップデートに関する一覧は・・・」とあるところのリンクは切れているようなので、こちらのホームページから「検索」をクリックして該当のドライバをダウンロードしてください。
アプリケーションについて
GEOBITをインストールすることで下記のアプリケーションがインストールされます。
-1- Audio Control
RD-VH7PCをパソコンから遠隔操作するためのソフトのようです。しかし、パソコンで使っているときは、本体そのものが手元にあることが多いと思いますので、ソフトを立ち上げて遠隔操作が必要になるという場面は、普通は無いような気がします。私の場合は使用していません。
-2- MD Control
Audio ControlのMD版です。MDを接続していない場合は起動中にワーニングメッセージが出ますが、ソフトそのものは立ち上がります。私の場合はMDデッキを持っていないため、もちろん使っていません。
-3- KENWOOD
格好の良いメニューソフトです。
-4- MP3 Player
CDからMP3へのエンコード、WAVからMP3へのエンコード、MP3からWAVへのデコードを行うことができます。私の場合は市販の他の製品を使っているため、こちらのツールは使ったことがありません。WINDOWSの空の壁紙の上にあると、UFOのように見えてきます。
メーカーが保証する動作環境は以下の通りです。
オーディオソフト「GEOBIT/SOUND by KENWOOD」 |
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GEOBITに変わるソフトウエア(vh7pcctrl)に関して
GEOBITはKENWOOD純正品ということもあり、ホームページから自由にダウンロードできるようなものではないため入手が難しいと思うのですが、その他にもVH7PCをコントロールするためのフリーソフトウエアが発表されています。実はこちらのフリーソフトのほうが、動作が軽くて使いやすいくらいです。こちらのホームページに丁寧にまとめられているのを見つけましたので、参考にリンクしておきます。
私の場合、マザーボードがECS社製のK7S5Aというもので、チップセットにはSIS社のSIS735というものが用いられています。実はこのチップセットとこの装置のドライバは相性が悪いらしく、安定して動作しません。そこで、玄人志向社製のUSB2.0V4-LPという製品を買って帰ってきて、マザーボードのPCIバスに差し込みました。
そして、VH7PCCTLを起動してみたところ、今度は安定して操作することができます。このソフトを使えば、パソコンを起動時にこのソフトをスタートアップから最小化して起動するだけで、OP-VH7PCの電源を入れて、そしてパソコンの終了をするときに、OP-VH7PCの電源を切ることが出来ます。とても便利なソフトなので手放せません。
下記の画像がvh7pcctlを起動したときの外観です。入力装置の選択やCDのイジェクト、音量の調整、そしてMUTE等ができることが確認できるかと思います。
また、オプションボタンを押すと下記のウインドウが現れます。ここで、各種の設定を行うことが出来ます。
各装置について
レシーバについては、MODE選択ボタンで、TAPE/AUX、PC-USB、ラジオ(AM、FM)、CD、MD(オプション)を切り替えることができます。このうちMDだけは別に装置を買ってつなげる必要がありますが、CDやラジオチューナはレシーバに標準装備されています。ボリュームコントロールつまみは大きいので操作はしやすいのですが、少し回すのに力が必要です。CDはトレーで出し入れするタイプではなく、CDをそのまま挿入口から差し込むタイプのユニットが使われています。このCDユニットはHDCDという高音質CDの規格をサポートしているようですが、HDCD対応のCDを持っていないため、音質の違いは確認できていません。アンプ部は低音量時にA級動作するような仕組みになっており、液晶パネルで動作状況を確認できるようになっています。このレシーバは縦置きでも横置きでも使えるようにデザインされています。購入したときのデフォルトの設定は「NB2」という設定になっていると思いますが、これは音に迫力を付けるために「ドンシャリ」した音に加工されたモードです。普通に聞くためには、リモコンを使って、NBのモードを切るか、NB1のモードにした方が良いと思います。
モデル(型番) | VH7PC |
<アンプ部> 実用最大出力 |
20W+20W(EIAJ6Ω) |
<チューナー部> 受信周波数範囲 |
FM 76MHz~90MHz AM 531kHz~1629kHz |
<CDプレイヤー部> 読み取り方式 |
非接触光学式読み取り(半導体レーザー) |
<CDプレイヤー部> 周波数特性 |
4Hz~20kHz(EIAJ) |
定格消費電力(電気用品取締法に基づく表示) | 45W |
最大外形寸法 | 横置き時 247(W)×96(H)×291(D)mm 縦置き時 96(W)×237(H)×291(D)mm |
質量 | 約4.5kg |
パソコンと接続 | USB接続 |
スピーカについて (LS-VH7: スピーカー)
スピーカについては11cmコーン型ウーハ搭載の2ウェイスピーカです。少しスピーカの能率が低いようで、他のスピーカと較べると、同じ音量のinputを与えたとしても小さめの音になるような気がしますが、通常にパソコンサイドで使用する限りでは付属のレシーバに付いているアンプで十分な音量が確保できます。USB接続で使ってみると、ノイズ感や歪み感の無い、低位のしっかりしたクリアな音が楽しめます。以前、YAMAHAのUSBオーディオを使ったことがあったのですが、そのときと同等の音質だと思います。YAMAHAのUSBオーディオについては操作パネルの使い勝手が悪かったので、買った後すぐに手放してしまいました。また、USBオーディオを使うとときどき音切れがするという書き込みを見ることもありますが、私の環境では特に問題は発生していません。
モデル(型番) | LS-VH7 |
形式 | 11cm2ウェイスピーカシステム |
使用スピーカ | 11cmコーン型ウーハー、2.5cm凹型ドームツィーター |
エンクロージャー | バスレフ方式 |
最大入力 | 30W |
定格入力 | 15W |
接続端子 | 15W |
最大外形寸法 | 150(W)×275(H)×277(D)mm |
質量 | 質量:約4.0kg(1本) |
その他 | 防磁設計(EIAJ) |
付属品 | スピーカーコード(2m×2本) |
リモコンについて
さらに、レシーバをコントロールするためのリモコンまでもが標準で添付されています。しかし、パソコン用にセットを使用していると目の前にレシーバがあるため、まったくリモコンは使用していません。(NBのモードを変更する等、初期設定を行うときにリモコンでしか行えない操作があるので、このときだけリモコンを使用しました)
MDデッキについて(DM-VH7PC: PC対応MDレコーダー)
レシーバと同じデザインのMDデッキも発売されていました。当初はSOTECからの直販で買うことが出来ましたが、最近は売っているところを見かけなくなりました。型番の最後に「PC」が付くとMDLP対応ですが、これ以外は同じ外観でもMDLP非対応となるようなので注意が必要です。
USB音源の使い方
USB音源を使用するときは、コントロールパネルのサウンドとオーディオデバイスのプロパティから「音の再生」および「録音」のボックスをKenwood Audio Deviceにセットすることでパソコン側の設定は終わりです。あとはRD-VH7PC側のインプットモードをUSBにすることで音が出ます。通常のサウンドカードからの出力と比べてクリアな音質を楽しむことができるはずです。
まとめ
いつまで流通在庫があるか判りませんが、1万円程度でパソコン用のスピーカを購入されようとしている方には、おすすめできる商品だと思います。
その後
(2002.12.6)
自分の部屋にあるメインのオーディオセットは、DIATONEの大型スピーカをはじめとして、SONYの第一号CDプレーヤ(CDP-101)やパイオニアのAM/FMチューナ等で構成されていたのですが、稼働率が低い割に場所を大きくとってしまっていたので、もう1セットOP-VH7PCをPC-DEPOTから9700円で通販を通して購入し取り替えてしまいました。すでに、メーカの在庫が無くなってきたためか、TWOTOPをはじめとして通販では見かけなくなってきました。秋葉原まで行けば売っていることは判っているのですが、行くのも大変だし、持って帰るわけにもいかないので、あくまでも通販で探していたところ、PC-DEPOTに在庫があることが判りました。1万円以上で送料無料となるので、300円のものを合わせて購入しました。レシーバは単にAM/FMチューナとCDプレーヤの機能だけを使って、録音用のOUTPUT端子からAVアンプにつなげて、こちらのAVアンプで音量を増幅するようにしています。メインのオーディオとして使うためには、付属のレシーバでは音量不足になる可能性がありますが、普通のAVアンプを使う分には音量の問題もなくなります。
結局、パソコンにつなげて使っているものと、メインのオーディオとして使っているものの2セットがあります。CDプレーヤとAM/FMチューナはYahoo!オークションを使用して売却し、あわせて1万円程度で売ることができました。スピーカは1本25Kgもあるものなので、おいそれとオークションで売買するわけにもいかず、市の粗大ゴミとして処分しました。粗大ゴミに出しても本当に市は廃棄処分にするわけではなく、リサイクルセンター行きになっていると思います。
(2003.12.6)
そもそもは、パソコンにUSB接続して、パソコンモニターの両隣にスピーカを置く目的で購入したのですが、思った以上にスピーカの出来映えが良いので、5.1chスピーカ(フロント、リア、フロントセンターの5本)として使うようにしました。このとき、2セット持っていたので、フロントととリアにすぐに使うことができましたが、フロントのセンタースピーカがありません。フロントスピーカとセンタースピーカは同じ音色の商品が良いと言うことだったので、オークションを使って、もう1セットのLS-VH7を購入することにしました。
ちょうど具合の良いことに、1ペアで4200円即決という商品があったので、これを購入しました。中古ではありましたが、外観もさほどの問題は無く、新品で購入したスピーカと遜色なく鳴ってくれています。5台ともLS-VH7で統一すると、前後、左右の音のつながりがとっても良くなるため、より迫力に満ちたサラウンド音響を体感することができます。
また、どうしても超低音域はこのスピーカでは不足してしまうので、YAMAHAのスーパウーファーを購入し合わせて使っています。AVアンプは、これまた安価な価格で販売されているYAMAHAのDSP-AX530という商品を使っています。投資額はたいへんに少ないのですが、このコストの割に、この環境で映画を見ると「素晴らしい」の一言につきる空間を演出してくれます。いまのところ、たいへんに気に入って使っています。しばらくはDVDソフトの購入に投資がかなりまわってしまいそうです。
(2002.12.30)
秋葉原に行く機会があったので、色々な店を見たところ、本製品を1万円以下の値段で売っているお店はLaoxのみでした。アウトレット店と買い取りセンターで売っているのを見かけました。
(2004.7.18追記)
秋葉原ではありませんが、吉祥寺のLAOXに行ったときに、このスピーカー部分だけが展示されていました。しかも、高級CDプレーヤと高級アンプに高そうなスピーカーケーブルで接続されて、山下達郎のCDが演奏されていました。2本で5000円のようですが、しっかりと保証無しと書かれていました。どのようなルートで仕入れたのかは判りませんが、まだ残っているんですね。なかなか良い音を店内に響かせていました。
通販の状況 (2003.1.18)
SOTECの直販が安心かと思います。下のバナーでは12800円となっていますが、私が確認したときには、コントロールソフト無しの商品が1万円以下の値段になっていましたので、秋葉原の店頭価格と遜色がありませんでいた。
(2003.4.26追記)
SOTECの直販からも4月1日付けで品切れの表示となり、購入することができなくなりました。その後もしばらくは、「箱破損品」を若干安い値段で別のページから購入することができたのですが、こちらも既に品切れになったようです。まだ、流通上は在庫が若干あるようですが、こちらも、もうすぐ底をつくものと思われます。
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