そもそもはPIXELAのPIX-MPTV/P1W、そしてMTV1000を使用していたのですが、CANOPUSで急にキャンペーンが始まり、それまで5万円弱していた本製品が1万円程度値下がりし、4万円弱で買える水準になりました。
同時に中古商品も一様に値を下げて3万4千円程度で売られるようになりました。MTV2000はゴースト軽減機能やノイズリダクション機能等、魅力的な機能が付加されており前から欲しかったため、主に内蔵TVチューナを用いたテレビの留守録用に買い増すことにしました。
どこで買おうか色々探していたのですが、結局、いつもお世話になっているソフマップ・ドットコムで購入することにしました。CANOPUSのビデオキャプチャーカードは人気があるためか、いろいろなホームページに使用報告があります。買う前にいろいろなホームページを見て勉強していたのですが、どうしても判らない部分がいくつかありました。そんな部分を中心にレポートしたいと思います。
CANOPUS社から発表されているMTV2000の仕様は下記の通りです。CATV受信に必要なチャンネルの帯域までカバーしていたり、MPEG2のビットレートが15Mbpsまでサポートされていたりと、基本的な仕様の部分が充実していることが目立ちます。
MTV2000の仕様
≪製品構成≫
|
割り込み (2003.1.1)
ビデオキャプチャーカードはハード的な相性が厳しいことが多いですが、このMTVシリーズについては、それほど厳しさは無いようです。しかし、割り込み(IRQ)は少なくとも他の機器とは別にした方が良さそうです。マザーボードによっては、BIOSのセッティングで、PCIスロットの何番にさした機器をIRQの何番に固定するという調整ができるものがありますが、私が使っているマザーボード(ECS K7S5A)ではこのような指定は付いていないようなので、PCIスロットにさす位置で他のIRQとぶつからないように調整しました。本当はマザーボード自体、インテルのチップセットを使っているマザーボードを使った方が安心なようですが、少なくとも私が使っているK7S5Aのチップセット(SIS735)では問題なく動いています。IRQそのものが足らないときは、BIOSでCOM1、COM2、パラレル等の中で使っていない機器をDISABLEにすることでIRQをあけることが出来ます。今のIRQの割り当ては以下のような形で落ち着いています。IRQ4を単独で使っていることが判ると思います。
録画ファイル名の付与基準
PIXELAのPIX-MPTV/P1Wは録画するときのファイル名がデフォルトではCAP0001から順番に番号が付く仕様になっていて、あとでビデオを見ようと思うときに、どれがどのファイルか全く判らなくなってしまうのが大変に使いにくかったのを覚えています。それに対してMTVシリーズは、番組タイトル(予約するときのタイトル)をファイル名にしてくれます。毎日同じタイトル名で放送されるような番組の場合は、タイトル名の後ろに00から連番を付けていってくれるので、あとからビデオを再生するときに何から見ればよいのかが一発で判るので非常に使い勝手が良いです。下記メニューの「番組名」の部分にはデフォルトではiEPGで持ってきた番組名がセットされますが、自由に自分で設定し直すことも可能です。
3次元YC分離回路について
3次元YC分離機能は内蔵のテレビチューナから録画するときのみ有効になります。
ゴースト低減機能について
3次元YC分離機能と同様に内蔵のテレビチューナから録画するときのみ有効になります。このゴースト低減機能はかなり効き目があるような気がします。今は引っ越して、CATV経由でTV放送を受信していますが、それでもゴースト低減機能はONにして録画をするようにしています。そちらの方が録画した番組がよりきれいに撮れているように思います。
ノイズリダクションについて
ノイズリダクションは外部入力でも内蔵テレビチューナでも有効になります。選べるのは弱と強の二段階のみです。下記の画面は外部入力(S-VIDEO)の場合のメニューです。
MTV1000の場合 (2003.1.1)
MTV1000の場合、上記の画質調整の画面は以下のように全てグレイアウトしてしまい、何もビデオプロセッシングおよびゴースト低減機能は使えなくなります。ハードが付いていないので、当たり前と言えば、当たり前ですが・・・。
留守録が終わった後のモード移行について
留守録が終わった後のスタンバイモード等への移行については、下記の設定で変更します。
この画面を見て頂ければ判るように、録画の状態を変更する場合は、休止状態、スタンバイ状態、リブート、シャットダウン、パワーオフの中から選択することができます。私はいつもスタンバイ状態へ移行させています。やはり、スタンバイ状態になるまでの時間や通常の状態に戻るのに必要な時間が短くてすむこと、および私のパソコンの場合は、スタンバイ状態でもファン等がすべて止まってくれるため、無音化できることによります。今まで、一回も留守録に失敗したことはありません。windows2000との相性はとても良いようです。その他、チップセットが既に枯れているIntelの815Eであったり、定評有るASUSのマザーボードを選択していたり、CPUもそんなに消費電力が大きくないCeleronの800Mhzを使用していることあたりが安定して運用できることに寄与しているものと思われます。
状態 | 説明 | |
---|---|---|
1 | スタンバイ | ウインドウズ95/98ではサスペンドとも呼ばれる。ディスプレイとHDDの電源を切って商品電力を節約するS1モード、作業状態をメモリに保存してメモり以外の電源をすべて切るS3の2つのモードをどちらかに指定できるマザーボードが多い。後者のS3(サスペンド TO RAM)の方は対応できない場合も多い。 |
2 | 休止状態 | ウインドウズ95/98ではレジュームとも呼ばれる。作業内容をすべてHDDに保存して、パソコンの電源を完全に切るので、休止状態中は電力を消費しない。ただし、復帰時はHDDから作業状態を読み出して復帰するので、再び稼働するまでに時間がかかる。 |
MTV2000に関するドライバに関して
MTV2000を導入するとドライバは以下のような形で導入されます。(下記デバイスマネージャーの画面の中で、MTV Series Kernel Mode Driverがこれにあたります)
留守録を行っているときの画面に関して
留守録を行っているときはMEDIA CRUISEが立ち上がるものと思っていたのですが、実際には下記のような画面になります。また、録画中番組をモニターするための画面の出力有無も留守録設定時に番組ごとに設定することが出来ます。
WINDOWS XPで使用するときの注意 (2002.12.28)
WINDOWS XPではデフォルトでアカウントにパスワードが設定されていないようで、単に初期インストールをしてそのまま留守録の予約をしても、うまく留守録が始まらないことがあるようです。パスワードを設定しておく方法と、「プロフェッショナル版のWINDOWS XP」であればもう一つの方法があるのですが、このもう一つの方法で私は対応しています。
HomeEdition以外のユーザは[管理ツール]-[ローカルセキュリティポリシー]-[セキュリティオプション]-「アカウント:ローカルアカウントの空のパスワードの使用をコンソースログオンのみに制限する」を無効にする。
ビデオ配信サーバ (2003.1.1)
いまのところアルファ版ではありますが、CANOPUSよりビデオ配信サーバおよびクライアント用ソフトがセットで、「HOMEEDGE」として公開が始まりました。サーバ側のインストールにはMTVシリーズが必須のようです。レポートはこちらのホームページに整理しました。
リモコン (2003.5.6追記)
CANOPUSのMTVシリーズには専用のリモコンが発売されています。標準価格が6800円もするので購入をためらっていたのですが、ソフマップ・ドットコムの中古品コーナをのぞいていると三千円弱で売っていたので衝動買いをしてしまいました。驚いたのは、WEBで申し込みを15時頃に行ったあと、その後2時間程度で発送完了のメールが届きました。非常に対応が良いです。
リモコンの受光部はUSB接続でパソコンへ接続する仕組みになっていますので、接続は簡単そうです。また、新しいアプリケーション「FETHER」が付属していて、従来のMEDIACRUISEと較べて動作が軽く扱いやすいという宣伝文句を見て、どんな使い心地が興味を持っていました。到着後に試用してみて、レポートを追記するようにします。(→こちらのページに作成しました)スペックは以下の通りです。
送信ユニット:CRM-1部 | 36Key 対応赤外線送信機 | |
動作温度範囲 | 0℃ ~ +40℃ | |
使用電池 | リチウム電池 CR202 | |
サイズ | 125.2mm x 52mm x 9.5mm | |
重さ | 約40g(電池を含まず) | |
受光ユニット:CIRCV-1 | USB接続対応赤外線受信機 | |
電源 | USBバスパワーにて動作 | |
動作温度範囲 | 0℃ ~ +40℃ | |
入出力コネクタ | USB Aタイプ USB Ver.1.1仕様準拠 | |
受光部サイズ | 54mm x 36.6mm x 27mm | |
重さ | 約65mm | |
ケーブル長 | 約1450mm(USBコネクタ部を含む) | |
赤外受光半角値 | 45度 |
<動作環境>
PC | MTVシリーズが動作可能なこと |
対応OS | Microsoft Windows Me 日本語版 Microsoft Windows 2000 professional 日本語版 Microsoft Windows XP Home/Professional 日本語版 Windows 98 SE でも動作しますが、動作保証対象外とさせていただきます。 |
CD-ROMドライブ | ソフトウェアのセットアップに必要です。 |
ハードディスク | アプリケーションのインストールに10MBの空き容量が必要です。 |
USBコネクタ | USB 1.1準拠 タイプAが接続可能なこと |
インターネット接続環境 | ソフトウェアのアップデートに必要です。 |
その後の商品構成
MTV1000およびMTV2000は、生産終了になったことに伴い、ほとんど店頭から姿を消しました。平成15年5月現在で、CANOPUSからはMTV1000に該当する商品(MTV1000にゴーストリデューサを付けたようなMTV1200HX)は発売されいますが、このMTV2000に相当する商品は発売されていません。商品の種類は増えているのに、売れ筋の商品がラインアップされていないのは不思議なところです。一方、ピクセラ社からはMTV2000に近いコンセプトの商品としてPIX-MPTV/P4Wが新発売されて、市場からは好評を得ているようです。CANOPUSから発売されている製品は以下の通りです。
MTV2000のコンセプトを引き継いだモデルがちょうど抜けている感じで、少し物足りないラインアップのような気がします。最近では、PIXELAから発売されたPIX-MPTV/P4Wが廉価に高画質を実現しているため人気を呼んでいるようです。
(2003.12.30追記)
その後、CANOPUSからはMTV2000の穴を埋めるための製品として、MTV2000Plusという商品が発売されました。本当は9月からの3000台限定販売という位置づけで発売されたのですが、その後、11月に継続生産することが決まっています。(3000台限定生産のときにも、色々なお店に在庫が豊富にあったので3000台以上あったのではないかという気もします) この製品はMTV3000Wが2つのTVチューナを搭載しているのに対し、ここから一つのTVチューナを取った構成の製品になっています。PIX-MPTV/P4Wが好評でシェアが低下するのを恐れて、基盤設計を1からやっていては間に合わないと判断して、急遽商品化されたものと思われます。
受信可能チャンネル | VHF 1~12、UHF 13~62、CATV C13~C35 |
アンテナ入力端子 | F型コネクタ |
ビデオ入力端子 | 7ピンミニDINコネクタ(S/コンポジットケーブル接続可) |
オーディオ入力端子 | 3.5φステレオミニジャック |
対応ビデオビットレート | 2~15Mbps(MPEG-2)、1M~1.8Mbps(MPEG-1) |
ボードサイズ(mm) | 183×107 |
その他 | 外部電源ケーブル使用 |
旧来のMTV2000では3次元YC分離と3次元ノイズリダクションは排他的にしか使えませんでしたが、このMTV2000PlusではMTV3000Wと同様に3次元Y/C分離と、3次元ノイズリダクションを併用する「W3Dモード」を装備しているのが特徴です。また、GRTや、松下製のハードウェアMPEGエンコーダ、TBCなどの特徴も、そのままMTV3000Wを引き継いでいます。
MTVX2004新発売
(2004.3.27追記)
MTV2000からの正当な?後継機といえる商品がCANOPUSから発売になりました。
値段も2万円弱とたいへんに買いやすくなりました。大きな特徴は以下の6点がうたわれています。
● TV番組の視聴・録画・録画予約に加え、外部入力も可能
● IFrame 25Mbpsの高画質録画
● タイムシフトや追っかけ再生などの便利な機能
● 強力なリアルタイム編集機能
● コントロールソフト「FEATHER2004」
● インターネット番組表(EPG)を利用した簡単予約機能
画質がどんなものか判りませんが、期待できるような気がします。でも、うちにはMTV2000もMTV1000も両方あるので、これ以上買うわけにはいきません。もしもこの商品の評判が良いようでしたら、MTV1000の方は最近では稼働率が低くなってきたので、オークションで処分することも検討します。
(2004.5.1追記)
MTVX2004には期待を寄せていたのですが、ネット上のレポートなどを見ると、「想像以上の出来映え」というほどの評価は貰っていないようです。CANOPUS社以外でビデオキャプチャーに力を入れている会社といえば、NECとPIXELAがあげられます。このうち、NECについてはSMARTVISIONシリーズが一定の評価を得ているようです。特にSmartVision HG2のシリーズでは高画質化機能をさらに付加したSmartVition HG2/R が登場しています。キャプチャ機能やパソコンならではの多彩な機能に加えて、ゴーストリテューサ、3次元Y/C分離回路が搭載されています。また機能的にも、「キーワード」を設定しておくとEPGデータからそのキーワードが付いている番組を自動的に探してきて録画する機能が付いています。
今や、DVDレコーダーの世界ではスゴ録やコクーンに搭載されて一般的な機能になってきていますが、パソコンのビデオキャプチャーカードでこの機能が付いているものはまだ数が少ないものと思われます。この機能は何が嬉しいかというと、毎週やっているドラマがある日だけ終了時間が遅かった場合にも、これがEPGデータに反映されていれば、その通りにきちんと録画してくれます。一般的なビデオキャプチャーカードでは毎週録画予約をしたときには、同じ時刻から同じ時刻までの録画予約しかできません。このキャプチャーカードをAMAZONが安価に発売しているので商品リンクを掲載しておきます。(このページを記入している時点では税込み・送料込みで\16,748、更に15%のギフト券還元付きでした)
(2004.10.11追記)
MTVX2004のデジタル放送対応版であるMTVX2004HFが発売されました。製品の紹介を加えておきます。
MTV XPACK
CANOPUS社からは、MTV XPACKという商品が発売になっています。
この商品を導入すると、MTVシリーズでMPEG録画を行いながら、ソフトウエア圧縮でDivX録画を行うことができます。また、MPEG2とDivXの形式変換を行うためのソフトウエアも一緒に付いてきますので、既に録画したビデオも更にコンパクトに保管しておくことも可能となります。また、古いMTVシリーズ製品に付属していた操作ソフトよりも、もっと軽快に操作することができるFEATHERという操作ソフトがこの製品には付属してきます。チャンネル切り替えやタイムシフトの操作はもちろんタイマー録画の設定や録画映像の管理、DivX videoへの一括エンコード機能、CiRAgentによるiEPGやインターネットを利用した外出先からの録画予約も可能です。
また、製品ホームページによると、「製品パッケージの一部に、対応製品MTV2000でテレビ視聴に関する操作ができない旨の記載があるものがありますが、問題なく操作することができます。お詫びして訂正いたします。」と注意書きがされていますので、MTV2000でも安心して使うことができるようです。
私は保存しておく映像はCD-R(Video-CD形式)やDVDに焼いておき、普通のDVDプレーヤでも見られるようにしておくことが多いので、DivXにあまり魅力を感じていないこと、およびFEATHERについてはリモコンユニットのCRM-1に同等の商品が付属してきたことから、特にこの商品を購入しようとは思っていないのですが、価格がとても安いので、購入して持っていても良いのかもしれません。
新しいテレビ録画ソフト (2004.4.3追記)
今まではCANOPUS社のメディアクルーズという付属ソフトウエアを使用して、テレビの録画や視聴をしてきましたが、少し使用方法に独特なところがあったり、起動に時間がかかったりして、今ひとつ使いづらいところがありました。しかしその後、CANOPUS社ではFEATHERというソフトを開発して新しい製品には添付を始めてます。
私も上のほうで紹介したCRM-1を購入したことで、このFEATHERを手に入れることができました。その後、FEATHER自身もバージョンアップを重ねていて、2004年の3月にはFEATHER XののVERSION5.13が公開されています。メディアクルーズと比べるとずっと軽快に動く上、安定して動作してくれるので、テレビの予約録画も含め、すべてをFEATHERに環境を載せ替えました。動画ファイルを見るときも、このFEATHERが動作してくれるので、ほかのソフトは使わなくなってしまいました。このFEATHERで十分です。
コメント