RedHat Linux8.0のインストールと設定

当サイトの記事には広告が含まれます
スポンサーリンク

1.はじめに

 当初はRedhat Linuxの7.3を使っていたのですが、SOTECの250Vにサーバを載せ替えて、ハードディスクも20GBのものに更改する機会にOSも8.0にバージョンアップすることにしました。今回のOS更改にあたっての参考書は秀和システムの「はじめてのRedHatLinux8.0(サーバ構築編)」という本を使用しました。もちろん、Linuxのインストール用CD-ROMが3枚付いた本になっています。

 RedHatLinux8.0のインストール時には、インストールオプションとして下表のバリエーションから選択することができます。

項番種類タイプ用途
新規にインストールパーソナルデスクトップどちらかというとLinuxの初心者向きな設定で、サーバとして利用するのではなく、クライアントパソコンとして使用するときに指定するオプションです。X WINDOWSシステムをグラフィカルな作業環境とクライアント環境に必要なパッケージのインストールが自動で行われます。
ワークステーションLinuxをソフトウエア開発用などの目的で利用するときのオプションです。X Windowシステムを利用したクライアント環境に加え、さまざまな開発環境のソフトウエアが自動的にインストールされます。
サーバシステムLinuxをサーバとして利用します。ただし、インターネットに公開するようなサーバを構築する場合、不要なプログラムが動作しないように注意する必要があります。
カスタムシステムカスタムインストールでは、手動でパーティション設定やインストールするパッケージソフトを選択することができます。必要なソフトウエアだけを選択してインストールすることが出来ますので、あらかじめどのパッケージを入れるべきかが判っているときには便利なオプションです。また、このオプションの延長で「最小構成」のインストールを指定することもできます。
既存システムのアップグレードすでにコンピュータ上にRedHatLinuxのシステムが稼働している場合、既存のカーネルやパッケージソフトのアップグレードを行いたいときに選択します。

 サーバとして構築したいので「3」を選択したいところですが、この本では4のカスタムシステムを指定して、かつその後で「最小構成」のインストールを行うことを上記の本では推奨しています。これは使わないパッケージをインストールしてしまい、かつ稼働させてしまった場合は、セキュリティ的に脆弱になること、およびRedHatLinuxではRPMパッケージという簡単にインストールが出来るシステムが採用されているため、本当にそのパッケージを稼働させようと思ったときにインストールするというポリシーで書かれているためです。今回のインストールではすべてこの本のポリシーに従って作業を進めました。

2.ファイルシステム

 今回はハードディスクを20GBのものに取り替えたため、あまり容量的には心配する必要はありません。RedhatLinux8.0のインストールに必要な最低限の容量は以下の通りです。

領域最低容量(推奨)用途
/250MBシステム領域。起動に必要なデータが含まれるようにするため、/etc、/bin、/sbin、/lib、/devは必ずこの領域に含まれるようにする。
/boot75MB起動の初期段階で必要になるカーネルやブートローダが置かれる。biosによってはハードディスクの先頭から8.4gbを超えるパーティションは扱えないものもあるため、できるだけハードディスクの先頭領域に配置されるようにする。
/usr250MBシステム起動時に不要な様々なファイルを格納する。推奨される容量は250MBであるが、追加ソフトウエアをインストールする場合などはできるだけ多くの領域を確保しておいた方が良い。
/tmp50MB一時保存されるファイルが置かれる。
/home100MBユーザのホームディレクトリ。各ユーザ個々のデータ領域を割り当てるようなファイルサーバとして利用する場合は大きな容量が必要になる。
swapRAM容量の2倍仮想メモリーを実現する領域。実メモリーに入りきらないデータは、この領域があたかもメモリーのような振る舞いをして、実メモリーとの間でデータがスワップされて、あたかもメモリーが大きくなったように見える。しかし実メモリーが少ないとハードディスクのioがたくさん入ってしまうため、全体のパフォーマンスが落ちてしまう。

 今回はあまり細かい単位にハードディスクを分割せずに、3つの最低限の領域に分割してインストールを行いました。

領域割り当てた容量
/boot75MB
swap384MB
/残り全部の領域

3.ネットワークとファイルシステムの設定

(1) ネットワークの設定

 サーバとして運用する場合はサーバのipアドレスはdhcpサーバによる動的な設定(起動時に毎回新しいipアドレスを割り当ててもらう)にするのではなく、固定的にIPアドレスを指定します。

  • # setup

 これで下記のメニュー画面が立ち上がります。

 Network configurationを選択します。

 上記画面ではYESを選択します。

 上記がIPアドレスの設定画面になります。チェックボックスをオフにして、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウエイ、ドメインネームサーバのアドレスをそれぞれ設定します。これでIPアドレスの設定は終わりです。

(2) ファイア-ウオールの設定

 上記と同様にコマンドラインでsetupと打ち込んだ後にメニューから、Firewall configrationを選択します。

 上記の画面でセキュリティレベルを選択し、必要な設定を行います。通常は、Medeumを選択後にCustomizeを押して、さらにサーバ外部に向けて穴をあけるポートを指定すると良いと思います。

3.APACHE (2.0)

 APACHEはREDHAT LINUX8のCD2にhttpd-2.0.40-8i386.rpmというファイル名で収録されていますので、これをインストールすることにより使用可能になります。インストールの手順は以下のとおりです。

  • # mount /mnt/cdrom
  • # rpm -ihv /mnt/cdrom/RedHat/RPMS/httpd-2.0.40-8-i386.rpm
  • #umount /mnt/cdrom

 次にApacheを起動します。

  • # /etc/rc.d/init.d/httpd start

 これでApacheが起動します。また、Linuxが起動するときに自動的にApacheが立ち上がるようにするためには以下のコマンドを打っておきます。

  • # chkconfig httpd on

 すでにこの状態でクライアントパソコンからホームページ(サンプルページ)を閲覧可能になっています。サーバのIPアドレスが192.168.0.2であれば、ブラウザのURL欄に、http://192.168.0.2/と打ってみてください。

 この先のApacheの設定方法については下記のページに詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

Apacheの設定こちら

 その他、さらに詳細な情報は下記のページから得ることが出来ます。

JAPAN APACHE USERS GROUPこちら
Welcome to the JAPACHE HTTP Server Projectこちら

(1) 日本語の文字化け

インストール自体は何の問題もなく進んだのですが、APACHEで自分のホームページを見てみると、どうしても「西ヨーロッパ言語」でエンコードされてしまい文字化けします。httpd.confの中で

「AddDefaultCharset shift_jis」

にすると直るという情報を見つけたのですがそれでも直りませんでした。皆さん、ここを直せばきちんと表示されているようだったので、かなりショックだったのですが、めげずに他に情報を探していると、ブラウザを立ち上げているパソコンのキャッシュをクリアすると直るという基本的な情報を見つけたので、これを合わせて実施すると、本当に日本語が化けずに表示されました。クライアントパソコン側ではWINDOWS XPにインターネットエクスプローラの6.0を使っているのですが、あまりキャッシュが大きくならないように256MBの設定にしていたのですが、これでもキャッシュの消去にはかなりの時間が必要だったので、もっと小さくしておこうと思います。

 この文字化けに困っている方がたくさんいらっしゃったようです。アンケートフォームから、ここの記載が参考になって問題が解決したというフィードバックをたくさん戴きました。文字化けする原因が、閲覧に使っているブラウザのキャッシュに関係しているとは一見考えつきにくいので、私も単なるキャッシュのクリアで解決したときにはたいへんに驚きました。また、インターネットエクスプローラでキャッシュのクリアはどのように行うのかというご質問もいただきましたので、以下に整理しておきます。

インターネットエクスプローラのキャッシュクリア方法

  1. メニューより「ツール」を選択
  2. インターネットオプションを選択

上記の画面でファイルの削除を選択すると下記のウインドウが現れます。

上記の画面でokを押すとキャッシュファイルが削除されます。

(2) 認証

 家族のページには認証が必要だったのですが、購入した本の内容ではうまく認証がかからなかったのでこちらのページで解説されている情報を参考に認証を設定しました。

4.webmin

 今回もクライアントPCからグラフィカルにサーバの設定を行うことができるWEBMINをインストールしました。WEBMINは「Webmin」からダウンロードすることが出来ます。

 Webminに関するインストールと設定については、こちらのページに整理しましたので合わせてご確認ください。

5.Samba

 今回は「smbpasswd -a user名」コマンドで、既にlinuxに登録されているユーザのパスワード設定を行うだけで簡単にwindowsファイル共用ができるようになりました。sambaに関するレポートはこちらのページです。

日本サンバユーザ会日本 Samba ユーザー会
SAMBAっていったい?こちら

6.サーバソフト

(1)メールサーバ

 今まではPOSTFIXを使用していましたが、今回の参考図書ではSENDMAILが紹介されていましたので、そのままSENDMAILを導入しました。POP3.IMAP4サーバは、UW IMAPというものを導入しました。これも参考図書に紹介されていた物です。本の通りにインストールすることで簡単に設定までが終わりました。メールサーバに関しての詳細はこちらのページに整理しました。

(2)FTPサーバ

 FTPサーバも参考図書の通りにVSFTPDというソフトをインストールしました。FTPサーバの立ち上げに関する詳細なレポートはこちらのページに整理しました。

7.アクセス解析ソフト

 アクセス解析ソフトは今までと同様にWEBALIZERを入れました。(というか入っていました) コンフィグレーションファイルで出力先フォルダのみをいじって、CRONで1時間ごとに自動的に動くように設定を行いました。webalizerに関するレポートはこちらのページです。

8.Linuxの操作

 インストール作業を行っている中で、ごくごく単純なところで躓いていました。いくつか紹介します。

(1) エディタ

 いままで、viの操作方法が今ひとつよくわからなかったので、WEBMINについているエクスプローラとEDIT機能を使ってテキストファイルの編集を行っていました。しかし、今回使用した参考書にVIの使い方が簡単に紹介されていたので、このインストール作業ではVIを使用して設定を行いました。エディタを立ち上げたときは「コマンドモード」になっていて、aかiかoのいずれかの文字を打つことで挿入モードに遷移し、ESCキーを打つとまたコマンドモードに戻るというところがポイントですね。コマンドモードで「:」を打つとコマンドを打てる状態になるという部分も使い慣れてきました。

(2) スーパーユーザになるときの環境変数の引き継ぎ

 本のとおりに操作をしていると、どうも、chkconfig等のコマンドが受け付けられません。いろいろ調べてみると、telnetでユーザ名でログインした後に「su」コマンドでスーパーユーザーになっていたのですが、この際に「su -」とコマンドを打って架橋変数を引き継がなければいけないことが判りました。「exit」したあとに、「su -」でログインすると無事に「chkconfig」等のコマンドも使えるようになりました。

suコマンドの解説こちら

(3) RPMパッケージ

 普通はインストール時に必要なパッケージを全て選択して一括してインストールを行った後に、おのおのの設定を行うというパターンで紹介している本が多いのですが、今回使用した参考書は、最初は最小構成でインストールを行って、その後で必要な機能だけを選んでインストールするという編集方針になっていました。このおかげで、RedHatLinuxの特徴でもあるRPMパッケージの取り扱いにも慣れることが出来ました。このRPMはコマンド一つで容易にインストールできるということが最大の特徴で、かつインストール時の情報も保管されるため、簡単にアンインストールを行うこともできるという特徴を持っています。

RPMパッケージの基本的な使い方こちら

コメント