今まではNEC製のDOLBY PROLOGICサラウンド対応の、AV300PROというAVアンプを使っていました。このアンプは特に入出力系統が多く、たとえばあるDVDである番組を見ながら、LDをVTRに並行してダビングしてしまうといったコントロールが思いのままに出来るすごいアンプでした。長崎屋の国分寺店が10年以上前に閉店したとき、その閉店セールで展示品を投げ売りしていたものを買って帰ってきました。4万円弱くらいの価格で、当時の高機能AVアンプとしては破格の安さだったように覚えています。
このNECのAV300PROも気に入って使っていたとはいえ、10年以上使い込んでくる中で、徐々に下記のような点不満を持つようになっていました。
- センタースピーカからの音が出ない本来はとうぜん、センタースピーカーからの音が出てくるはずなのですが、機械が壊れてしまったらしく、音がならなくなってしまいました。
- 対応しているサラウンド機能がDolby Prologic Surroundのみ当時は十分だったのですが、今となっては、Dolby DegitalやDts Surround、そしてDolby Prologic 2などの新しい規格が続々と現れてきています。
- 一部の端子が徐々に接触不良に・・錆が原因だと思います。接点復活材をかけても復活しにくくなってきていました。
そこで、出来るだけ最新の機種で、色々な機能が付いていて遊ぶことができて、AVアンプとしての最低限の音質を確保している機種という基準で、いろいろ探し回った結果、見つけたのが、この機種です。

商品の選択
まずは、 楽天市場 で気になる商品のチェックです。何と言っても 楽天市場 は色々なお店の集合体なので、お店を串刺しにして検索をかけて、もっとも安いお店を探し出すということが簡単に出来てしまいます。しかも、楽天アフィリエイトでポイントを稼ぐことができていたので、最大で1万円分の割引にもなります。更に、ノジマ電気系の「いーでじ」など、AV関連製品を非常に安い値段で売っているお店が 楽天市場 の中にあるので、他の電気屋さんで安いものを探すよりも、効率的に探すことができる場合があります。
AVアンプを売っているメーカーは何社かあります。DENON(今はデンオンではなくてデノンになったのですね?)やONKYO、SONY、KENWOOD、YAMAHAなどが扱っています。この中で、もっとも商品が売れていそうなのがYAMAHAです。下のバナーから商品の売り上げランキングを確認することができます。
製品のラインナップの多さ、コストパフォーマンス、商品を見た感じの高級感などから勘案して、YAMAHAの商品を購入する方向で検討をはじめました。単純にYAMAHAのDSP-AXシリーズを価格の安い順番に一覧表示させると、 このような感じ になります。B級品やメーカ再生品等の標記で非常に安い商品が販売されているのも判るかと思います。
商品をいろいろ比較検討してみたところ、X30シリーズとX40シリーズの違い(上の表の縦方向の違い)は、製品ラインナップの新しさ、そして、横方向の違いは、型番が大きくなるのに従って、高級機の位置づけになって値段が高くなっていくようです。従って、上の表の中では、DSP-AX740が最新の機種で価格が一番高いという位置づけになります。
お金に余裕があれば話しは別なのですが、そんなことがあるわけでも無いので、この中から自分の使用用途にあったお得な商品を探すこととなります。X30シリーズとX40シリーズの主な違いは6.1chのサラウンドに本格的に対応しているか否かのようです。私の場合は、狭い部屋で聞いていることもあり、今のところフロント側のセンタースピーカーですらセッティングしていない状況なので、リアのセンターチャンネルなど、必要な訳もありません。そこで、X30シリーズのラインアップから購入することにします。次に、430、530、630の中から製品を選択することとなります。私は周辺機器の数が非常に多い(DVD、LD、CATV、BSーTUNER、CS-TUNER、VIDEO1、VIDEO2・・・)ので、入力端子数はおおいほど良いのですが、入力端子数が多い商品は高級品になってしまうため、2万円台で購入できることを条件に、今回はDSP-AX530を購入することにしました。
購入
商品の購入は、 いーでじ楽天市場店 を使いました。関東近辺で家電量販店を展開しているノジマ電気がネット上に出している店舗で、比較的、AV関連の値段が安いような気がします。特に特別な売り出しを常にやっていますので、その売り出しの中に納められている商品の中には、驚くほど安い物がある場合がありますので、要チェックです。
注文して自動返信メールがすぐに帰ってきたあと、お店からの発送日の連絡がなかなか来ません。2日ほどたってから、「更に2~3日後に店に入荷する予定」というメールが来ました。以前はもっとレスポンスが良かったと思うのですが、最近は対応が悪くなってしまったようで残念です。(実はこれを購入する前に5980円のDVDプレーヤーを注文していたのですが、1週間も放置されたのち、状況を電話で確認すると、「システムのトラブルで処理が止まっていたので、これから商品の発送手続きに入る」という回答を貰いキャンセルをするということもしていました)
貰ったメールの通りのスケジュールで、商品は自宅に届けられていました。最初の連絡が遅かったことをのぞいては、対応は合格ラインかなという印象です。
仕様
本機の兄弟機種も含めた仕様表を載せておきます。
DSP-AX630 | DSP-AX530 | DSP-AX430 | |||
---|---|---|---|---|---|
FM/AMチューナ | ○ | ○ | ○ | ||
定格出力 | 75W×6 | 75W×5 | |||
実用最大出力 | 110W×6 | 100W×5 | |||
周波数特性 | 10Hz~100kHz | ||||
ドルビーデジタル EX | ○ | △ (マトリクス6.1) | |||
DTS-ES | ○ | △ (マトリクス6.1) | |||
MPEG-2 AAC | ○ | ||||
ドルビープロロジック II | ○ | ||||
サラウンドプログラム | 23 | ||||
付属リモコン | 大型プリセットタイプ | ||||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 435×390×161 | 435×387×151 | 435×380×151 | ||
重量 | 11.5kg | 10.0kg | |||
【入出力端子】 | |||||
入力 | 音声 | アナログ | 7系統 | 6系統 | 6系統 |
1系統(EXTERNAL DECODER、5.1ch INPUT) | |||||
光デジタル音声 | 4系統 | 3系統 | 1系統 | ||
同軸デジタル音声 | 1系統 | 1系統 | 1系統 | ||
映像 | コンポジット映像 | 5系統 | 4系統 | 4系統 | |
S映像 | 5系統 | 3系統 | - | ||
コンポーネントビデオ | 2系統 | 2系統 | - | ||
出力 | REC OUT | アナログ | 3系統 | 2系統 | 2系統 |
光デジタル音声 | 1系統 | 1系統 | - | ||
コンポジット映像 | 2系統 | 1系統 | 1系統 | ||
S映像 | 2系統 | 1系統 | - | ||
MONITOR OUT | コンポジット映像 | 1系統 | 1系統 | 1系統 | |
S映像 | 1系統 | 1系統 | - | ||
コンポーネントビデオ | 1系統 | 1系統 | - | ||
発売日 | 4月10日 | 3月20日 | 3月10日 | ||
価格 | 65,000円 | 52,000円 | 39,000円 |
特徴
この機種の特徴は以下の通りです。
- 5.1chの各スピーカーのうち、サブウーファ以外については、スピーカのサイズを「ラージ」と「スモール」という2つのモードで選択することができます。これにより、スモールという設定を行えば、超低音域が苦しいスピーカを使っていても、その信号をサブウーファのほうにアンプで送ってくれて、超低音域の補強をサブウーファが行ってくれます。
- センターとリアスピーカについては、さらに「NON」というモードを選択できます。もし「NON」を選択すると、そのスピーカは無いものと見なされて、フロントの2つのスピーカで音を補う努力をしてくれます。むろん、スピーカを準備したときのほうが迫力が出ます。
- LFE/BASS信号を出力するスピーカーを、スーパーウーファー、メイン、BOTHから選択することができます。MAINはサブウーファを使用しないときに選択します。BOTHとするとメインスピーカから出る90Hz以下の音域の音がスーパーウーファーから出力されます。
- ヘッドフォン一つで臨場感を体感できる、サイレントシアター機能を搭載しています。大きな音が出せない深夜等には便利な機能です。
- YAMAHAお得意のDSP技術を活用したCINEMA DSP機能が搭載されています。この機能を活用すると更にコンサートホールや映画館といったYAMAHA独自のプログラムによる音場効果をプラスして楽しむことが出来ます。
- 付属リモコンは他社製機器のコントロールも可能な多機能リモコンです。
セッティング
いよいよ届いた商品のセッティングです。現在使っているNECのAVアンプ(AV300PRO)に繋がっているピンコード、スピーカケーブルや電源ケーブル等を全て外して、ラックの中から取りだしたあと、段ボール箱から慎重に商品を取り出して、ラックの中に納めました。マニュアルを見ながら間違えないように各種ケーブルを接続しました。NECのAVアンプと比べると、リアパネルの端子数が少ないこともあって、接続が行いやすかったように思います。
付属品・・
本機を購入するとアンプ本体の他に以下の付属品が付いてきます。
リモコン |
単4乾電池 |
FM簡易アンテナ |
AMループアンテナ |
簡易接続ガイド |
マニュアル |
接続
ケーブル類を接続する上で、一つ困ったことは、DVDとの接続に光ケーブルを使う必要があったのですが、AV300PROを使っていたときには光ケーブルを使っていなかったので手元には無かったため困ってしまいました。以前、何かの製品を買ったときに光デジタルケーブルが付属してきたことを思い出し、物置の中をひっくり返して、使っていなかった光ケーブルを見つけることができたときには涙ものでした。はじめて使ったのですが、コネクタの形状が四角(台形?)で接続する方向が判りやすかったため簡単に接続することができました。(S端子は接続するときに方向が判りにくくて、いつも苦労します・・)
テスト
一通りの接続が終わったので、テストを始めます。テストトーンを発生することができるので、これでチェックを行ってみると、フロントスピーカーの右と左が逆でした。これはすぐに直して、他のスピーカに関しては接続ミスが無いことを確認しました。テストトーンに変わって、次には本物のソースからテストを行うことにしました。テストをするのにはDVDが良いかなと思い、5.1chサラウンドに対応したディスク(タイタニック)を使うことにしました。
DVDに入力源を切り替えると、音はきちんと聞こえます。基本的な接続では間違えはないようです。最初に困ったことは、DSP-AV530側で、アナログ入力では受けてくれているのですが、デジタル信号がうまくINPUTされてきてないようです。いろいろ調べてみると、どうもDVDプレーヤ(DVP-500PROX)側の設定で、RAWというモードにしなければいけないということがわかり、設定変更をしました。するとデジタル入力はできるようになりました。
しかし、サラウンドモードが、DOLBY PROLOGIC SURROUND2になってしまっているのです。このモードは2chのソースからリアの音声をマトリックス技術で取り出すという一世代昔の技術で、最新の5.1chサラウンドと比較すると効果が落ちてしまいます。新しいAVアンプを買った意味が無くなってしまいますので、断固として原因究明が必要です。これも、いろいろなWEBで探し回っていると、DVDディスクの音声モードの問題だということが判りました。私が持っているタイタニックのDVDの場合は音声モードが以下のようになっています。
1 | 英語 5.1chサラウンド |
2 | 英語 2ch |
3 | 日本語 2ch |
どうも、上記の「2」の状態になっているようです。これを「1」に変えると、しっかりとDOLBY DIGITAL 5.1ch SURROUNDが楽しめるようになりました。各スピーカーが独立に存在を主張していて、映画館に近づいた感じがして、やっぱり凄いなと感じたしだいです。PROLOGICのときには、なんかリアから聞こえてくる音声は「モヤモヤモヤ」としていたのですが、5.1chサラウンドで聞くと、分解能が凄く高くなって、クリアな感じに聞こえてくるようになります。
リモコン
この機種のリモコンは各社のAV機器を操作できてしまうという便利なリモコンです。今まで使っていたAVアンプのリモコンも、色々な機器のリモコンコードを覚えさせることができるタイプのリモコンでしたが、本当に、「LEARN」モードにして、リモコンを向かい合わせにして覚えさせるという旧式な方法でプログラムしていました。しかし、こちらのリモコンはAV機器ごとにメーカコードを入れるだけでセットが完了してしまうという便利な物です。
逆にメーカコードが無いと、このリモコンで対応することができません。たとえば、DVDプレーヤーは私の場合はSCITECのDVP-500PROXという日本ではドンキホーテでしか扱っていないような機種を使っているのですが、残念ながら、この会社のリモコンコードは準備されていませんでした。他にも、LDプレーヤはパイオニアの海外輸出機種、ビデオデッキはSAMSUNGの機種を使っているのですが、この機種にも対応することはできませんでした。国内のメジャーな製品を使っている限りは、このような苦労はしなくてすむかと思います。
細かな設定
AVアンプなる物、リモコンで各種の細かな設定を行うときは、当然、TV画面にオンディスプレイで設定状況が表示されるだろうと思っていたのですが、何も出ません。こんなものなのかなと思い、AVアンプ本体の液晶ディスプレイの表示を見ながら調整を行っていました。でも、これでは文字が小さくて見にくいので不便なのですよね。
こちらのページにYAMAHAのFAQがあるのですが、これを読むとリモコンのほうにオンスクリーンメニューをON・OFFするための設定があるようですね。このページを執筆している最中に見つけました。あとでチェックしてみようと思います。
→どんなにリモコンを探してみても、またマニュアルを見てみても、オンスクリーンらしき機能が見つかりません。もう一回、YAMAHAのホームページを見ると、機能比較表のところでDSP-AX530にはオンスクリーン機能が付いていないことが判りました。もっと高級な機種にしか付いていない機能のようです。1万円以下のDVDプレーヤーでもオンスクリーンでメニューを出すのは当たり前なので、どんな低価格なAVアンプにもオンスクリーン機能くらい付いているのかと思っていました。意外なところでコストダウンしているのですね。
光デジタルケーブル入力端子に関する便利な機能
本機には光デジタルケーブルから信号を入力するための端子が全部で3つ付いています。標準の状態では、MD/CD-R、DVD、D-TV/CBLの3つに割り付けてあります。しかし、MD/CD-Rは使わないのだけれども、別にレーザーディスクプレーヤを接続したいという場合があるでしょう。このとき、MD/CD-Rの端子を設定メニューからV-AUXに割り当て直すことができます。この機能のおかげで、3つしかない光デジタルケーブルの入力端子を最大限、活用することができます。
また、同様に光デジタル信号の出力端子についても標準ではMD/CD-Rに割り付いていますが、これも別の端子に割り付け直すことが可能です。さらに、通常はCDに割り付けられているコアキシャル入力端子についても別の入力源に割り当て直すことが可能です。
この機能は「I/O ASSIGN」と呼ばれているようですが、使いやすい便利な機能です。
LFE信号の再生レベル調整
ドルビーデジタルやDTS、AAC信号の中に低周波効果を盛り上げるためのLFE信号というものが含まれていますが、この再生レベルを-20dbから0dbの範囲で調整可能です。スーパーウーファーにもレベル調整つまみが付いていますが、スーパーウーファーによっては3段階切り換え式であったり、裏面につまみがあって操作しにくかったりすることもあるようなので、これも便利な機能でしょう。
鑑賞したDVDソフト
最近は、DVDソフトがとっても安くなりました。以前、LDとかVHDとかで映画ソフトを買っていたときには、どんなに安くても7800円、普通は1万円前後の値段が付いていたと思うのですが、最近では千円台から買えるようになってきています。そんなこともあって。最近はDVDソフトをかなりのペースで購入するようになってきましたので、この装置を使って鑑賞したDVDソフトをご紹介します。
肝心の音質について
非常に安い価格で売られていた機械ではありますが、音質についてもご紹介しておきます。まず、本来の用途である、AVアンプとしての音質ですが、5.1chサラウンドのようなものを聞くと、その圧倒的な臨場感で、あまり音質が気になるということは無くなってしまうようです。スピーカーそのものも、昔のようにDIATONE(三菱電機)のDS401という大型ブックシェルフ型スピーカを使っていた頃であれば、色々な不満も出てきたものと思いますが、今はKENWOODのミニコンポ用スピーカである、LS-VH7という2ウエイスピーカをフロントとリアに使っていることもあり、音質のあらが目立つようなことはありません。逆にそのサラウンドアンプとしての臨場感には、ただただ感心するものの、あまり不満を感じるということはありませんでした。6畳ちょっとの大きさの部屋で私が聞く程度の用途では十分な製品だと思います。
サイレントシアター機能
元旦から近くのLAOXに行ってみると、特売商品の売れ残りがいくつか残っていました。その中で目に付いたのが、かなり大きめのタイプのTEAC製のヘッドフォンです。そんなに高い製品のようには見えませんでしたが、1500円弱という値段で売られていたので、先日、PSXを購入したときに貰ったポイントを使って買って帰りました。
さっそく、DTS音声が収録されているスタジオジブリの「猫の恩返し / ギブリーズ episode2」をこのヘッドフォンを使って聴いてみることにしました。DSP-AX530のヘッドフォン端子に買ってきたヘッドフォンの端子を差し込むと自動的にサイレントシアター機能がONになりインジケータがつきました。
実際にヘッドフォンを使ってサイレントシアター機能を確かめてみると、確かイン普通に2chのソースを聴くのとは何か違うような包み込まれるような感じがするのです。しかも、その方向感などに違和感はあまり感じられないので、長くヘッドフォンを付けていたとしても、特に疲れることはありませんでした。普通はこのような機能を付けていると、効果を全面的に引き出すように設計されることも多いと思うのですが、なかなか自然な味付けで良くできているという印象です。
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