カメラ搭載のホームサーバNTT-ME社の「LivingGate」の購入とレビュー

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1.購入に至る経緯

 現在はTHINKPAD760を自宅サーバにしてWEBを公開しています。しかし、最近、秋葉原のZOAというお店のインターネットショップでNTT-ME社製のLivingGateという製品が1万2千800円で売り出されていました。いろいろな機能が付いていて、少しおもしろそうなため、購入してみることにしました。

2.機能と確認ポイント

 NTT-ME社製のLivingGate iは、インターネット常時接続環境をフルに活用する様々な機能を1台に凝縮した、ルータ機能内蔵型のカメラ搭載ホームサーバという新しいコンセプトの製品です。LinuxOSを搭載しながらも、専門的な知識を必要とせずに、携帯電話やパソコンから手軽にサーバ機能を利用できるやさしいユーザインタフェースを備えています。具体的な特徴は以下のとおりです。

●ブロードバンドルータ機能
 ADSL等のブロードバンドインターネットに対応しています。パケットフィルタリング(転送禁止)機能、複数のパソコンから同時にインターネットアクセスを可能とするIPマスカレード機能を備えています。

→この製品にはWAN端子が1つ付いているのみで、LAN側はすべて無線LANクライアントを接続する前提になっています。今回購入して、確かめたいポイントは、ブロードバンドルータ配下に既に構築済みの有線LANネットワークに本機を接続し、どこまで使いこなすことができるかを確認したいと思っています。(確認ポイント1)

●無線LANアクセスポイント機能
国際標準規格IEEE802.11b準拠の最大11Mbpsの高速無線アクセスポイント機能を搭載しています。標準暗号化方式WEP 40/128 bit、グループID機能SSID、MACアドレスフィルタリングによる端末限定機能を装備しています。

→有線LANネットワークの配下に接続して、無線LANアクセスポイント機能を使えるか否か検証したいと思います。(確認ポイント2)

●Webサーバ機能
HTMLファイルをアップロードするだけで家庭から簡単にインターネットへ情報発信できます。

→別のブロードバンドルータ配下に接続して、本機のWEBサーバ機能を使って、外部に公開できるか否か、および本機のWEBサーバ機能でどのくらいのアクセスに耐えられるかが確認ポイントです。(確認ポイント3)

●伝言板機能
携帯電話やパソコンから、家族どうしでメッセージの書き込みができる電子掲示板機能を持っています。

●カメラサーバ機能
露出自動制御機能付き小型カメラ(静止画)を標準搭載し、外出先や家庭内の離れた場所から携帯電話やパソコンで部屋の様子を確認することができます。一定時間間隔で画像を保存するスケジュール録画、及び画像に大きな変化があった場合に画像を保存するセンサ録画機能を提供します。

→カメラの解像度はそれほど高くないようです。どんな画質でモニターできるか、確認してみたいと思います。(確認ポイント4)

●ファイル共有機能
家庭内の複数のパソコン間やインターネット上のパソコンとの間でのファイル交換を仲介するデータ蓄積機能を提供します。

●個人メモ機能
携帯電話やパソコンから、個人専用にメッセージの書き込みができる機能です。

●メール機能
プロバイダのメールサーバに届いたメールの本文を携帯電話やパソコンで閲覧・返信することができます。携帯電話用メールの文字数制限や、パソコンが接続しているインターネット環境のメール送受信プロトコルの制約を受けずに利用できます。

●LivingGateリンクサービス対応
IPアドレスが動的に変化するインターネット接続環境でも、Webブラウザのブックマークに登録できる固定のURLでアクセスできます。(IPアドレスが動的に変化する場合はLivingGate i 本体がDHCPクライアントとして上位のDHCPサーバからグローバルIPアドレスを直接取得する必要があります)

●スタイリッシュなデザインと無音設計
コンパクトで置き場所を選ばず、壁掛けも可能なインテリア感覚のスタイリッシュなデザインです。お気に入りの写真を飾れるフォトスタンドとしても使えます。駆動部を持たないディスクレス/ファンレスタイプのため常時通電しても騒音が気になることはありません。

●プログラムアップデート可能な拡張性
機能拡張に伴うOSやアプリケーションプログラムのバージョンアップは、ホームページからダウンロードできます。また、市販のさらに容量の大きなコンパクトフラッシュと交換することも可能です。

3.仕様

本機の仕様は以下のとおりです。PIXELA社のOEMのようです。

利用周波数帯域2.4GHz 帯 
通信速度11/5.5/2/1Mbps 自動切替
アクセス方式インフラストラクチャモード
伝送距離80m(2Mbps 以下)、50m(5.5Mbps)、30m(11Mbps)
接続可能台数250 台(理論値)
伝送方式DS-SS 方式(直接拡散スペクトラム方式)
インターフェース構成 PC カードスロット×2 ポート
Ethernet ポート×1 ポート
シリアルポート×1 ポート
PCカードスロット部スロット数
無線LANカード専用スロットPCMCIA TYPEII (3.3V専用)
対応カード:ピクセラ社製 PIX-WAW/N1
CFカード専用スロットPCMCIA TYPEII (3.3V兼用)
対応カード:ハギワラシスコム社製 CFカードとその互換品
Ethernetインターフェース部ポート数1
コネクタ形状8ピンモジュラージャック(RJ45)
準拠規格IEEE802.3(10BASE-T)
シリアルインターフェース部ポート数1
機械的仕様D-sub9 ピンコネクタ
電気的仕様RS-232C 準拠
ユーザーインターフェース部状態表示 LED4 個(Power、Status1、Status2、Ethernet)
その他スイッチPower スイッチ
電源電圧AC100V 50/60Hz
(専用 AC アダプタによる外部電源型)
消費電力10W
定格電圧DC+5V
環境条件【稼動時】
温度:5 ℃ ~ 35 ℃
湿度:20 % ~ 80RH%
【非稼動時】
温度:0 ℃ ~ 50 ℃
湿度:8 % ~ 80RH%
外形寸法(幅×高さ×奥行き)160mm(W)×190mm(H)×58mm(D)
(突起部は除く)
重量約 800g
*1携帯電話、コードレスホン、テレビ、ラジオ等とは混線しません。
*2周囲の電波環境、障害物、設置環境により異なります。
*330台以下を推奨。接続環境により異なります。
*4インターネット(外部)接続が可能なのは1系統のみです。複数の接続形態で同時にインターネット(外部)アクセスはできません。
*51スロットは PIX-WAW/N1(ワイヤレスカード)で使用します。

4.カメラの仕様

レンズ1/4型 固定焦点
画角:水平画角 約46度
撮影距離:約30cm~∞
明るさ:F2.8
撮影素子型素子:1/4型カラーCMOSイメージセンサー
露出制御方式:自動制御方式(室内・室外撮影対応)
ホワイトバランス自動追従方式

5.ホームサーバの仕様

●ホームサーバ機能 *11

LivingGate iアプリケーション *12(携帯電話からもご利用になれます) *13
伝言版登録ユーザ間でのメッセージの書き込み・閲覧


現在の画像現在の画像(静止画)を表示
スケジュール録画設定した時間間隔で最大24枚の画像を保存・閲覧
センサ録画画像の変化を検出した場合に画像を保存・閲覧 *14
ファイル共有登録ユーザ間でファイルを共有
個人メモ登録ユーザ個人専用のメモの書き込み・閲覧
メールプロバイダのメールアドレスに届いたメールの閲覧と返信 *15
Webサーバ
.作成したWebページの公開
FTPサーバ
.作成したWebページをFTPを用いてLivingGate i本体へアップロード *16

 

*11インターネット経由でホームサーバ機能をご利用の場合は、以下の条件が必要になります。インターネット常時接続環境(ADSL等)であること回線接続事業者がサーバの設置を認めていることLivingGate i 本体にグローバルIPアドレスが付与(設定)されること
(プロバイダから、動的グローバルIPアドレスが付与される場合「LivingGateリンクサービス(無償)」をご利用ください)
インターネット側からLivingGate i 本体へHTTP(80番ポート)アクセスが可能であること
*12LivingGate iアプリケーションのインターネット経由の同時接続台数は5台以下(推奨)。
*13i-mode、J-SKY、EZweb のいずれかでWeb閲覧機能を持つ携帯電話端末(一部機種を除く)を対象とします。ファイル共有を除きます。
*14約2秒間隔で撮影した画像間の変化を検出します。全ての変化の検出を保証するものではありません。
*15添付ファイルの表示はできません。
*16ご利用にはFTPクライアントソフトが必要です。

6.同梱物

 この値段で11Mbpsに対応した無線LANカードが2枚、そして64MBのコンパクトフラッシュカードおよびPCカードアダプタが標準で付属してきます。この付属品だけでも購入価格分の価値はありそうです。

●同梱物

LivingGate i1本体
無線LANカード2 *21ピクセラ社製「PIX-WAW/N1」
CMOSカメラ1京セラ社製「#88P-CA」
CF(64MB)1ハギワラシスコム社製
「HPC-CF64Z2-PIX」
CF用PCアダプタ1ハギワラシスコム社製
「HPC-ADP01」
ACアダプタ1
ユーティリティCD-ROM1
取扱説明書1
ユーザ登録はがき(兼保証書)1

*21

 1枚はLivingGate i本体で使用。

7.WANとの接続イメージ

 標準的な使い方では下図のようにADSLのような常時接続回線の引き込み部分にモデムを接続し、そのうしろに本機を接続し、無線LANのクライアントパソコンからインターネットを使うという使い方が想定されています。逆に家の外からもインターネットを通じて自宅に置いてあるLivingGateのWEBサーバやライブカメラサーバにアクセスできるという構想のもとにできています。

8.商品到着とチェックポイントの確認結果   (2003.1.26追記、2003.2.1追記)

 商品が無事にZOAから届きました。結果は大成功でした。NTT-MEのホームページ等を見ると色々な制約があって使いにくそうな製品に見えますが、いっさい、そんなことはありません。チェックポイント単位に結果を整理していきたいと思います。機器類の接続イメージは以下の通りです。

(1) チェックポイント1 および2

 この製品にはWAN端子が1つ付いているのみで、LAN側はすべて無線LANクライアントを接続する前提になっています。今回購入して、確かめたいポイントは、ブロードバンドルータ配下に既に構築済みの有線LANネットワークに本機を接続し、どこまで使いこなすことができるか

 有線LANネットワークの配下に接続して、無線LANアクセスポイント機能を使えるか否か?

→結果:OK
  有線LANのHUBと本機のイーサネットポートをつなぐだけで、本機をアクセスポイントとして使えるようになってしまいました。また、本機の設定でIPアドレスを自動的に取得する(ブロードバンドルータから払い出されます)の設定とするだけ、無線LANで接続したクライアントパソコンからインターネット上の各ホームページも見ることが出来るようになりました。(逆にLivinggateのDHCP機能をOFFにすると、無線LANクライアントからはインターネットにうまく接続することができませんでした) 寝っ転がりながら無線LANクライアントのノートパソコンからインターネットへアクセスすることが第一の目標だったのでとりあえずは合格です。逆に今まで使っていた無線LANのアクセスポイントが不要になってしまいました。

(2003.2.1追記)

 アクセスポイントとして現在出来ていることは、無線LANカードをさしたパソコンからのインターネット接続です。本機の配下の無線LANクライアント(FMV LOOX)と本機を接続した有線LANに接続されたクライアント(メインマシン)との間のファイル共用が今のところ出来ていません。LivingGateのポートフォワーディングやフィルターの設定を工夫すれば、無線LANクライアント(FMV LOOX)と有線LANクライアント(メインマシン)の間のファイル共用も出来るのではないかと睨んでいるのですが、まだ試行錯誤中です。

(2003.4.21追記)

 試行錯誤を繰り返したのですが、無線LANクライアントと有線LANに接続されたパソコンの間のファイル共有は実現することができませんでした。このLivinggateには、インターネットの外部から本機にアクセスしたとき、本機の中のコンパクトフラッシュカードに格納したファイルを共有する機能が付いているのですが、これがSAMBAで実現されているようで、このための設定が邪魔をしているような気がします。

→アンケートフォーム経由で間違えを指摘いただきました。指摘いただいた点は以下の通りです。(2003.5.30追記)

  1. ファイル共有の機能は単にhttp経由でファイルのアップロードとダウンロードをするだけの機能
  2. SAMBAはLIVINGGATEに導入されていない(そもそもインターネット上からファイル共有を公開するわけにいかない)
  3. 有線LAN側と無線LAN側のファイル共有は可能。LMHOSTSで相手のアドレスを設定して名前を直接指定するか、IPアドレスを直接指定してアクセスする必要がある。
  4. 上記はWINDOWSネットワークの仕様。LIVINGGATE-Iとか無線LANに限らずこうなる。
  5. 解決するにはWINSサーバをたてればいいらしいが試したことはない。

 指摘をありがとうございました。

(2) チェックポイント2

 別のブロードバンドルータ配下に接続して、本機のWEBサーバ機能を使って、外部に公開できるか否か、および本機のWEBサーバ機能でどのくらいのアクセスに耐えられるか

→結果:OK
 本機に割り振られたIPアドレスにWEBアクセス用のポート(80)をルータの設定でフォワーディングするだけで、本機のWEBページを外部に向けて公開できるようになりました。いたって簡単な設定でした。見た目は弱々しく見えるのですが、動作速度は意外と速く、個人がそんなに高トランザクションではないWEBページを単に公開する目的であれば十分なパフォーマンスではないかと思います。CGIプログラムの実行はさすがに少し遅いです。たとえばCGIの掲示板プログラムを動かしてみると、「あれ?大丈夫かな」とちょっと不安になったときにタイトル一覧や実際の記事を表示できるという感じです。

(3) チェックポイント3

 カメラの解像度はさほど高く無さそうであるが、どんな画質でモニターできるか

→結果:△
 たいした画質ではないですが、携帯電話(i-MODE)から接続して家の中の様子を見ることがが出来る点は○です。写真のサンプルをのせておきます。

9.設定    (2003.1.26)

 装置にログインするためには管理者としてのログインと利用者としてのログインの二種類があります。管理者のログインではネットワークを設定したり、利用者のIDとパスワードを設定したりすることができます。一方、利用者としてログインすると、いろいろなアプリケーションを使用することができます。一番最初のログイン画面は以下の画面です。真ん中でIDとパスワードを設定してログインすると利用者、右下の「管理者ページへ」というボタンを押してからログインすると管理者としての設定画面になります。

(1) 管理者としての設定

こちらのページに機能を整理します。

(2) 利用者としての機能

こちらのページに機能を整理します。

10.雑感とその後の様子

(1) 総評    (2003.1.26追記)

 機能的に敬遠されていることが多いこの機械ですが、実はすばらしい実力を持っているような気がします。すでに試行運用でこのホームページはLivingGate上で動いていましたが、レスポンスも全く問題はありませんでした。1万5千円程度以下で安く購入できればおすすめの製品だと思います。

(2) トラブル1    (2003.2.11追記)

 しばらく(1週間ほど)電源を入れっぱなしで、特にアクセスすることもなく置いてあったのですが、ふと無線LANを使おうと思ったところ、ログイン後にDHCPサーバでIPアドレスが正しく払い出されず、インターネットへ接続することが出来ませんでした。(無線LANそのもののリンクは確立しているようでした)

 本体をもって、電源スイッチを押してみると、反応しません。電源スイッチを10秒程度押し続けると、リセットがかかるのですが、設定を忘れてしまったこと過去あったので、電源コードを外して電源を切ってから、電源コードを入れて電源ボタンを押すという形で再起動しました。何事も無かったように動いています。また、ハングアップすると怖いので、カメラのスケジュール撮影機能とセンサー撮影機能をとりあえずOFFにしておきました。これでまたほっといて、ハングアップしていなければ、カメラ撮影機能が原因だったと推測が付くかもしれません。

11.兄弟機種 (2003.3.8追記)

 ここではお手軽なホームサーバとして、Livinggateを紹介しましたが、同様の趣旨の製品がCoregaから発売されています。(商品ホームページ)

  

自宅などで手軽に設置できるWebサーバー
ダイナミックDNSサービス(DHIS)に対応により、動的IPのインターネット接続環境でも同一URLでホームページの公開が可能
ハードウェアスイッチ入力時のみホームページの内容を変更できるセキュリティ設計
付属のホームページ作成ソフトを利用することにより、ホームページ作成の経験がなくても簡単に構築が可能。すでに作成されているコンテンツの移行も可能(専用ユーティリティによる変換が必要)
アクセスカウンター、画像付き掲示板、チャットの設置も可能(オリジナルCGIは利用不可)
本体はスタイリッシュ・コンパクトな設計

 この機種がWEBショップで特価(8780円)で発売されています(2003.3.8時点)ので、Livinggateを購入予定の方は比較検討してみてはいかがでしょうか。下記のバナーより特価COMとトップページへ行って、そこから「超特価情報」を選択すると商品があります。(限定品終了の際にはご了承ください)

 →(2003.4.21追記) まだ上記の製品は特価comに在庫があるようです。TOPページの商品検索から「CBOX」で検索してみてください。

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