2000年代初頭のマイホーム購入に向けての記録(その3:物件見て歩き!)

当サイトの記事には広告が含まれます
スポンサーリンク

2.2 物件見て歩き!(購入二ヶ月前~)

1.マンションか一戸建てか?

 ここからが物件選びです。まずは、マンションにするか一戸建てにするかが最初の選択肢になりますが、十分な家の広さが欲しかったのと、やっぱり40歳を目前にした今となっては、マンションよりも自分の土地と自分が好きにできる建物が欲しいなということで一戸建ての家を購入することにしました。幸い、都心に比較的近い地域でも、物件が安くなってきていて、なんとか手が届く範囲になってきていました。

マイホーム,住宅

2.購入できる物件の目安は?

 頭金として準備できているお金が判っていれば、だいたい、購入できる物件の上限額が判ってきます。物件の取得費用+諸経費の20%程度を頭金として準備しようというのが定説になっていますので、持っている頭金を5倍すれば、それが購入に必要なト-タル額ということになります。このほかに諸費用が物件価格の5%程度かかると言われていますので、これも現金で準備しておきます。

 この20%程度を頭金として準備するのは、ほとんどの金融機関が物件価格の8割までしか融資しないため、2割は事前に現金で準備しておこうというのが慣例になっているのですが、なかには、2割の頭金が現金で無くても購入ができる場合があるようです。たとえば、不動産会社と提携している金融機関の中に、1割程度のの頭金で残の9割については銀行からの融資で対応というパターンも存在していると雑誌には載っていました。しかし、頭金の準備額が少なく、高い物件を買えたとしても、後々のローンの支払い残高が増えて、毎月の返済が苦しくなるのは明白ですので、やはり、2割程度以上の頭金を現金で準備しておくのが良いかと思います。

 住宅購入の進め方を紹介しているサイトの一部には、社内融資でお金を借りて、2割の頭金の足しにするということを薦めているサイトもありますが、結局は毎月の返済額が増えるだけですので、よく財布と相談した上で決めた方が良いと思います。他に親からお金を出して貰えるという方は、税金がかからない範囲で有効に活用した方が良いでしょうね。

 諸費用とは物件代金以外にかかる費用のことで、たとえば、ローンを借りたり不動産を登記したりするための費用やマンションであれば修繕積立金なども含まれます。こちらも、諸費用ローンが利用できる場合があるようですが、これまでもローンにしてしまうと、これも借金の返済が苦しくなりますので、現金で準備しておいたほうが良いかと思います。

3.物件の条件は?

 また、対象の物件については以下のような条件を付けることにしました。このへんの条件は、ある程度自分の中で決めておけば、いろいろな物件を回るうちに、だんだん最適な条件が判ってきます。

内容条件理由
土地の面積100平米以上まわりの家との最低限の間隔を確保したり、日当たりを確保するためには最低限でもこれだけの土地の広さは必要と判断。
建物の面積90平米以上6人家族を何とか収容するためには、これくらいの床面積は必要と判断。
間取り4LDK以上6人家族で、子供2人で1つの部屋を割り当てるとすると、少なくとも、4LDK以上が必要。
設備グルニエやロフト等の遊び心子供がロフトベットに気に入ってよく占領しているので、屋根裏部屋(グルニエ)やロフト等のちょっと気取った空間があるとうれしい。
設備その2収納はできるだけ多いこと今のマンションは収納スペースが少なく荷物があふれかえっているので、収納スペースが少ないのには、もうこりごり。
用途地域第一種低層住居専用地域まわりに、あまり高い建物が建つのは嫌なのと、建ぺい率や容積率が高い地域だと日当たりなどに影響してしまいそうなので、第一種低層住居専用地域を目安にしました。
カーポート1台以上2台以上の車を所有する予定もないので、1台以上のカーポートがあればよし。
2階のトイレこだわらない最近、2階にトイレが付いている家が増えてきています。特に2階にトイレがあってもなくても、私自身はこだわりません。
場所駅から歩ける範囲会社からの帰りが遅くなるため、出来れば、頑張れば駅から歩ける範囲が良いと思っています。
環境1静かなこと今の家は幹線道路に隣接しているため、窓を開けていると車の音がとてもうるさいです。今度は、もっと静かな環境に住みたいと思っています。
環境2学校が近いこと小学校と中学校が近くにあること。

 東京の多摩地域を例に取ると、路線と駅の範囲では、自分の予算と条件にあう物件が見つかるのは、だいたい下表の範囲がその対象となるようです。

路線駅の範囲
西武新宿線武蔵関~田無
JR中央線吉祥寺~国分寺
京王八王子線千歳烏山~飛田給

4.新築か中古か?

 新築は最新の設備や機能が導入されていて、カウンター付きのキッチン等、便利なところも充実しています。また、新築ならではの明るさや快適さがありますが、当然、購入価格が高くなります。中古は、もし大きな欠陥部分があれば表面に出ている可能性が高く予め避けることができたり、地域を限定した物件選びが可能だったり、当然、物件の割安感があります。今回は新築を中心に物件を探して、スパイス的に中古物件も見てみる方針にしました。立地条件や物件の状態がとっても良いものがあれば、中古を選択するかもしれません。

5.注文住宅か建て売り住宅か?

 注文住宅は、住む人の家族構成や好みによって自由にプランを作ることができることが最大のメリットですが、実際に出来上がるまでは、物件をイメージしにくいという欠点があります。逆に建て売り住宅は、実際に物件の間取りや設備、部屋の雰囲気などを、本物を見て検証できたり、幅広い購入層を意識して作っているため、内装がスタンダードに出来ていたり、比較的割安といったメリットがあります。今回は購入後、引っ越しまでにあまり時間をかけたくなかったことと、予算的にそれほど余裕があるわけでも無かったので、建て売り住宅を前提に物件を探します。

 また、土地を購入する場合は、その土地が建築条件付きで売られているか否かという選択肢もあります。あらかじめ土地を売ってからあとから建物を売るため、売建住宅とも呼ばれているようです。業者にとっては建物を建ててしまってから売れ残るという心配が無くなりますが、買う側からとってみれば、土地を買ったあとに建物を建てなければいけないため、入居時期が遅くなるという欠点があります。しかし注文住宅に近い性格であるため、建物のプランを変更することができたり、建築途中の建物をチェックできたりといった注文住宅の良さはあります。一時期は、土地が売られている場合は、非常に条件の悪い土地を除くと建築条件が付いていたように思いますが、最近は建築条件が付いている土地は減ってきているように思います。

6.土地は所有権か借地権か?

 借地権はその名の通り、敷地を買い取るわけではなく、あくまでも借りる権利を買うという契約になります。しかし、所有権を買い取るよりも、ずっと安く物件を手に入れることができるのは大きなメリットです。この借地権にもいくつかのケースがあるようで、分譲時には借地権付きで購入しておいて、あとから金銭的な余裕ができたときに敷地を購入し所有権に移すという場合と、借地権を50年などと限定し、期限が切れたら地主に返還するもの(定期借地権付き)、普通借地権などの種類があるようです。借地権については、たとえば相続はできるのか否か、借地権を売却できるのか否か、一定期間ごとの更新が必要なのか否か、増改築はできるのか、返却時は更地にするのか否か等、独特の確認しておいた方が良い事項がありますので、権利を買い取るときには慎重にチェックする必要があります。何となく、借地権だとアパートを借りて住むのと似たような感覚がつきまとい、マイホームを買ったという感じがしなく不安なので、私自身は所有権を買い取ることを前提に物件を探したいと思います。

7.大規模開発かミニ開発か?

 大手の開発業者が主に郊外へ建設する大規模開発タイプと、都心などに広めの土地が出たときに、2件ないし3件など小規模に分譲されるケースの2種類があります。前者は道路や町並みが整理されて、かつ比較的ゆったりと作られていることが多いようです。後者は便利な場所にあることが多いですが、敷地が狭く隣の家と近接していたり、取り付け道路が狭かったりといった問題があることもあるようです。これについては、実際にどちらが良いか、自分の目で確かめながら決めることにしました。

8.性能評価書付き住宅ってなに?

 最近、テレビを見ていると、よく欠陥住宅の被害にあった人が出てくることがあります。外から見た感じでは、きちんとしていたのに、実は基礎の工事がいい加減だったり、柱や筋交いが足らなくて強度や耐久性が足りなかったり、木材を加工するときの精度が悪くて、床が傾いていたり、段々立て付けが悪くなって、引き戸がうまくすべらなくなったりと、事象は様々な場合があるようです。

 このような問題が発生することを防ぐために、建物の安全性や耐久性について全国共通の基準で評価されている物件が、性能評価書付き住宅です。これは任意の制度なので表示が付いていなくても十分に優れた住宅を提供する会社もありますが、性能評価をとる会社は自社の品質基準に対して厳しきチェックしようという姿勢が感じられますので、消費者から見ると安心ということになります。

9.ミニ戸建てにするかどうか?

 ミニコとも呼ばれる「ミニ戸建て」住宅ですが、東京23区内等の都心に近いところで物件を購入しようとすると、どうしても私の予算では、これを選択するしかなくなります。ミニ戸建てというと、70平米程度以下の土地に木造3階建ての物件が建っていて、まわりの家とも接近してしまっているというパターンが多いようです。建築基準法で国は色々な規制をかけて、火事が発生しても極力安全な家になるようになっているようです。

 しかし、建築前に役所に出した図面とは違う形で建築されていて、建築確認がされていないような違法建築の建物も多く存在しているのが、このミニ戸建てのようです。私はこちらのホームページに書かれている見解を読んで、怖くなってしまい、100平米以上の土地に木造二階建ての建物が建っているような物件を探そうと思います。

2.3 まずは大規模分譲住宅

1.大規模開発分譲住宅

 だいたい、地域別の物件の相場が判ってきたら、最初に、電鉄系大手不動産が大規模に開発、分譲している建て売り住宅を見に行きました。さすがに、似たようなデザインで町並みが形成されているのは、とても統一感があって素晴らしく思えました。しかし、このような大規模に開発できるような場所が駅の近くにあるわけは無く、どこの物件も駅から20分程度歩くような立地条件です。(もし、駅の近くに大きな土地が放出されても、上記の地域だったらマンションになってしまうことでしょう)

 また、近くにある同程度の大きさの新築物件と比べると、1割程度は値段が高いようです。あれだけ、町並みを整備しているのだし、建物自体も大手建築会社が施工していて、設備もとても良いので、1割増し程度ならば、うしろ安いのかもしれません。

 さらに、私が見に行った物件の場合は電鉄系大手不動産会社がそのまま売り主になっているので、物件の売買に係わる仲介手数料が余計にかからずにすみます。これも大きな魅力だと思います。

 大規模開発を行っている分譲住宅については、同じ電鉄系大手不動産会社が分譲している4つの現場を実際に見に行きました。一つは分譲が始まったばかりで、すでに角地等の条件の良い物件は徐々に売約済みになている現場、二つ目はほとんどの物件はすでに売約済みになっていて、後から建設している物件のみが売り出されている現場、三つ目はこれから開発という感じで、一部の物件のみが先行して販売されている物件、そして四つ目はもう半年以上前に売り出しが行われていて、歯抜けに数棟だけが売れ残ってしまっている現場です。

 同じ不動産会社が取り扱っている物件ということもあって、四つ目の物件をのぞいては、設備仕様や建物の外観、そして、間取りや敷地の形等は似通っていました。四つ目の物件については、売り出しからかなりの期間が経っていますが、新築物件として十分に通用する状態で販売されていました。四つ目の物件は売り出し時期が早かったためか、他の3つの物件と比べて値段が1割ほど高めでしたが、他の物件等と同等程度の価格までは値引きできるということでした。

 この四つの物件の中では特に3つ目に見た物件の中の1つの建物が値段的にも場所的にも非常に気に入りました。この建物の仕様は以下の通りです。

比較項目仕様特記事項
間取り4LDK
敷地面積100平米
敷地の形状路地の奥
床面積130平米
環境まわりは現況では畑。大通りからも離れていて、非常に静か。開発が一通り終われば、一部の第三者所有地をのぞいて同じ外観の建物で埋め尽くされる。
駅からの距離JRの駅から20分程度。
設備浴室乾燥機
トイレ(ウオシュレット付き 1階、2階)
リビングは床暖房付き
カーポート2台分

 この建物の条件を一つの参考例にして物件を探すことにしました。

2.4 不動産屋さんの仲介物件

1 不動産屋さんの仲介

 大規模分譲住宅では開発業者でもある売り主が、不動産屋さんを通さずに直接売っている場合が多く、この場合は仲介手数料を払うことなく物件を購入することができるのですが、不動産屋さんを仲介すると、仲介手数料が発生するのが普通です。しかし、不動産屋さんからは、いろいろ重要な情報もいただけるので、仲介手数料を払っても決して高い買い物になる心配は無いと思います。

2.不動産屋さんの選び方

 不動産業者は法律的には宅地建物取引業者というようで、営業をするためには免許が必要になっています。免許には国土交通大臣免許と都道府県知事免許の2種類があり事務所が2つ以上の都道府県にあれば大臣免許、一つの都道府県におさまっているならば知事免許という扱いになります。不動産広告には業者に与えられた免許証番号が記載されていますし、また、その業者の事務所にも免許証番号や有効期限などを記載した標識をわかりやすいところに表示することが義務づけられています。

 信頼できる不動産業者か否かは、一般に免許証番号の欄の()内に書かれている数字が大きいこと(更新回数が多いため長年営業していることを意味する)、業界団体(全日本不動産協会、不動産協会、全国住宅宅地協会連合会、都市開発協会)に加入しているか否か、地元での評判はどうか、営業マンの態度はどうか等が判断の目安になるようです。

3.不動産屋の仲介物件(飛び込みで入ったお店)

 上記の物件については、かなり気に入っていたのですが、唯一、駅からの距離が遠い点だけが気になります。また、このまま決めてしまうのもまだ危ないかなと思い、自分が住みたいと思っている駅を中心に、飛び込みで不動産屋に入ってみました。

 1つ目の不動産屋は、有名な系列店ではありませんが、地元では結構長く営業を続けているという感じの不動産屋です。店の中に入ってみると、お客さんは他には誰もいなく、まずはアンケートに、こちらが希望する物件の条件を記入しました。アンケートを記入し終わると、受付の人は奥の人にそのアンケート用紙を渡して、物件選びに入ったようでした。

 10分くらい待つと、まずは条件に合いそうな物件のパソコンから打ち出した100件程度の一覧表を渡されました。この一覧で概要を見て、興味がある物件については「丸印」を付けると、さらに詳しい情報が貰えるという仕組みのようです。駅からの距離や敷地面積、建物面積等、一通り判断に必要な情報は、その一覧表に載っていました。この一覧表の中から10件程度の物件についてピックアップをしました。

 私がしるしを入れた一覧表を受付の人に渡すと、またその一覧表を奥に座っている人に渡して、今度は奥の人は電話をかけ始めました。その物件を取り扱っている業者さんに連絡を取っているようです。なかには、すでに物件が売れてしまっていたり、業者と連絡がつかなかったりしたものもあったようですが、15分くらい待つと、FAXで送られてきた8件分くらいの詳細な物件の情報を渡されました。なかには、頼んでいない物件の情報までFAXで送ってきた業者もあるようです。そんな物件の中には、早く売ってしまいたいのか、価格のところを手書きで消してあって、かなり割り引いた価格を直接ちらしに書いてくる業者もありました。このようなちらしには、「厳秘」とか、「住宅情報、インターネット掲載厳禁」などといった注意書きも付いてきていました。平気で500万円くらいは値引きしていたようです。

 この不動産屋は商売に対してはあまり積極的ではなく、むしろ色々話しを聞いてくれた感じで、何か特別の物件を押しつけられたり、どこかに強引に連れて行こうとしたり、そんなことはいっさい無いところが好感が持てました。一通り、話しをしたあとに席を立ったのですが、「もし、気に入った物件があったら、ぜひまた来てください」の一言で終わってしまいました。その後、電話すらかかってきませんでした。

コメント