2000年代初頭のマイホーム購入に向けての記録(その7:ローン関係の申し込み)

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3.3 ローン関係の申し込み

 契約が終わるとローンの仲介も不動産さん屋さんに頼んでいたんで、ローン関係の申し込み手続きに移ります。

 住宅ローンをどこの金融機関から借りるかが、第一の関心事となります。やはり、借入先の優位度として人気があるのは、長期固定金利の住宅金融公庫が一番でした。しかし、平成15年の6月に事情が一変します。東京三菱銀行が6月16日に発売を開始した期間限定(2003年6月16日~2003年12月31日まで 募集金額に到達した時点で募集締切り)のキャンペーン住宅ローンが、住宅金融公庫のローンを超えたのです。このローンは住宅金融公庫に対抗して商品が設計されているため、金利計算システムは住宅金融公庫と同じで、金利は当初10年1.9%、11年目以降3.4%、返済期間が20~30年となっています。住宅金融公庫の6月16日現在の金利は、当初10年2.0%、11年目以降3.5%。<キャンペーン住宅ローンの方が全期間を通して0.1%下回っています。しかもこの金利は団体信用生命保険料0.3%を含んでいるのですからさらに驚きです。他の銀行にもお得な商品があるかもしれないと思い、とりあえず、民間金融機関の商品を借りる方向で商品の選定を進めることにしました。

 ローンには大きく二つに分けて、変動金利型と固定金利型があります。また、この組み合わせたものとして、3年、5年、10年といった期間限定で固定金利になっていて、その後は変動金利になるという商品もあります。

 一般的には、低金利時には固定金利でお金を借りて、借金の返済まで、低金利のメリットを享受する、逆に高金利時には変動金利型の商品を選んでおいて、世の中の金利が安くなって底値になったら、固定金利への借り換えを検討するという考え方が一般的なようです。

 今現在は、誰が何と言おうと「低金利まっただ中」という感じなので、今回は固定金利以外の商品を借り入れる意志はまったくありません。でも、意外と20年を超える期間の固定金利型住宅ローンを扱っている金融機関は少ないということが判りました。

 ネットで申し込みができる長期固定金利のローンとしては、グッドローンという会社も有名ですので、参考に商品へのバナーリンクを掲載しておきます。

1.みずほ銀行とのローン関係のやりとり

 私が取り引きしているメインバンクは、「みずほ銀行(旧第一勧業銀行)」で、給与振り込みや公共料金の振り込み等、すべての決済はこの口座で行っています。従って、本当は住宅ローンも、みずほ銀行から借り入れたいと思っていました。

 まず手始めに、ホームページに住宅ローンの相談コーナがあったので、そこの問い合わせフォームから、長期の固定金利型住宅ローンは無いかという問い合わせをしてみました。返事はすぐに翌日帰ってきたのですが、当銀行では20年を超える固定金利型商品は取り扱っていませんという内容の返事があって終わりでした。

 参考にみずほ銀行の2003年7月現在の商品と金利の一覧を載せておきます。あくまでも私がローンを選択時の商品、金利を参考に載せているもので、景気の動向等により商品や金利は随時見直しが行われますので、最新の情報はみずほ銀行のホームページ等でご確認ください。

2003年7月現在の商品(みずほ銀行)金利方式内容選択期間変動金利方式年2回金利の見直し─上限金利設定方式選択した期間は上限金利以下の範囲内で金利が変動。選択時に上限金利を設定。5年または10年固定金利選択方式選択した期間は固定金利。選択時の金利から変動しない。最長20年
0.7%優遇後の金利(年利率)2003年7月1日現在
変動金利方式固定金利方式
2年3年5年7年10年
年 1.675%年 1.30%年 1.55%年 1.70%年 2.10%年 2.30%

(20年固定金利型は3.750%)

 みずほ銀行とは付き合いも長いし、もう少し何か、住宅ローン関連商品の提案があっても良かろうと、近くの支店に行ってみたのですが、対応は似たようなもので、商品の紹介をしようというスタンスではもともとありません。相当、この低金利下では、固定金利型の商品でお金を貸したくないのだろうとしか思えませんでした。私自身は、固定金利の期間が限定の商品でも、旧第一勧業銀行時代からの付き合いも大切にしたかったのですが、何ら商品の説明をしようとしない銀行員にはほとほとあきれて、そそくさと、みずほ銀行の支店をあとにしました。今度、住宅ローンを借り入れる金融機関に給与の第二振り込み口座を作って、みずほ銀行との取り引きは、徐々に収束させていくことにしました。

 そして、7月2日の日経朝刊1面記事に、住宅金融公庫の貸し出し債権を使った長期・低金利の金融商品をみずほ銀行が一番に商品化するというニュースが流れました。これならば、みずほ銀行はリスクをかぶらずに低利固定金利の商品を消費者に提供できるわけで、これがあるから貸し渋ったのかと勘ぐってしまいました。決済期間は20年から35年で、金利を2%台後半に設定するようです。

2.東京三菱銀行とのローン関係のやりとり

 東京三菱銀行は不動産会社の一番のお勧めでした。ちょうど、30年固定の「ゼロ金利時代実感キャンペーン」という商品を取り扱っていて、20003年7月現在ではこの金利がとても安いのです。当初10年間と11年目以降で金利が大きく変わる二段階タイプで、ちょうど住宅金融公庫からの貸付と同じような構造になっています。単純に金利だけ住宅金融公庫からの貸付と比較しても、10年目以前、11年目以降とも0.1%分だけ金利が安く設定されています。

東京三菱銀行「ゼロ金利時代実感キャンペーン商品」(30年固定) 2003年7月現在特 徴2003年12月30日まで利用できるキャンペーン商品「30年固定」。公庫と同様に11年目以降に金利アップの段階金利制。利用しやすさと
利用条件担保設定が第一順位になるため、公庫との併用はできない。条件としては、以下の通り。
(1) 勤続3年以上
(2) 同行にて給与振込
(3) 「東京三菱ダイレクト」と「メインバンク総合サービス」の両方を利用
(4) 返済負担率が35%以内
(5) 団体信用生命保険に加入できること、など。
このため利用できる人は限定される。融資額30万円以上5000万円以下(ただし物件価格の80%が上限)金 利当初10年間1.9%、11年目以降3.4%(団体信用生命保険付)返済期間20年以上30年以内・元利均等返済または元金均等返済保証料/手数料14万8340円(返済期間20年・融資額1000万円・元利均等の場合)事務手数料3万1500円+その他の手数料

(2003年7月現在の条件になりますので詳しくは銀行にお問い合わせください)

 →この商品は平成15年7月9日をもって申し込みが募集枠を上回り販売が終了になりました。

 民間金融機関で30年もの長期にわたり、このような低金利商品を扱うのは、今後の金利動向によっては非常にリスクが高いことだと思うのですが、どうやってリスクヘッジをしているのか、その仕組みに興味があります。

 住宅金融公庫では大きな壁として融資枠があります。年収が800万円を超えている人は、物件価格の50%までしかお金を借りることができません。したがって、残りの融資はもう一つの金融機関と組み合わさなければいけなくなります。それにたいして、上記の東京三菱銀行の融資では5000万円までこの融資一本でお金を借りることができます。住宅ローンの手続きをいくつもの金融機関と組み合わせて行うのと比べると手間が半減します。やはり、この東京三菱銀行の住宅ローンは非常にお得なローンであるような気がしてきます。

 本当は単なる金利だけの比較ではなく、繰り上げ返済するときの手数料額やその条件、団体信用生命保険の扱い、保証料の扱い等についても同列に比較して商品を決めるべきだと思うのですが、なかなかこの辺の情報がまとまっては流れていないようです。

 他に三井住友銀行でも長期間低金利型の商品を取り扱っていて、こちらは30年間ずっと金利が変わらないタイプの商品なのですが、全期間で平均したときの金利からみても、なお、東京三菱のほうがお得なようでしたので、東京三菱銀行からお金を借りる方向で意志決定をしました。

3.抵当権の設定に関して

 住宅ローンはとても大きな金額の借金になりますので、担保が必要になってきます。住宅ローンでは取得する住宅を担保にすることが通常です。この金融機関が住宅を担保にしているということを公示する仕組みが抵当権です。複数の借入先がある場合には、この抵当権に順位がつきますが、住宅金融公庫からの融資は第一位抵当権を設定するのが条件になります。

 公庫から借り入れるローンで金額が足らなく民間ローンで補う場合、民間金融機関のローンは抵当権が二位以下になりますが、民間ローンの中には第一位抵当権を条件にしているローンがあります。たとえば、上記で紹介した東京三菱銀行のローンがこれに相当します。これを利用する場合は公的融資を受けることができなくなりますので注意が必要です。

【2024年11月25日追記】

この記録を2024年の段階で読み直してみると、いくら固定金利だったとはいえ、当時はずいぶん住宅ローン金利が高かったものだと驚いてしまいます。日本はデフレの時代が続いたため、日銀はゼロ金利政策を続けていました。銀行にお金を預けてもほとんど利子は付きませんし、またお金を借りても利子が安い状況です。しかし、2024年に入ってからは日銀が政策金利を上げることを発表し、金利はとても久しぶりに上昇傾向にあります。

現時点の三菱UFJ銀行の金利を確認すると、下記のようになっていました。

  • 変動金利 年0.345% ~ 年0.425%(店頭表示金利 年2.625%)
  • 固定3年 年1.05% ~ 年1.13%(店頭表示金利 年3.78%)
  • 固定10年 年1.12% ~ 年1.20(店頭表示金利 年3.90%)
  • 固定20年 年2.04% ~ 年2.12(店頭表示金利 年5.77%)
  • 全期間固定31~35年 年1.95% ~ 年2.03%

この2003年当時に借り入れた住宅ローンは2020年に繰り上げ返済が完了しました。繰り上げ返済や抵当権の抹消については、こちらで紹介しています。

4.ローン保証料ってなんなの?

 住宅ローンを金融機関から借りるためには、一般に生命保険と保証保険の2種類に入る必要があります。最初の団体信用生命保険はローンを借りている人が事故や病気で亡くなったときに返済不能になると、残高の返済を肩代わりしてくれるという保険です。一方、後者の保証保険は、無くなったとき以外に返済不能になったときに肩代わりしてくれる。しかし、これはローンを借りた人の債務責任が無くなるわけではなく、保険会社には借金を返却する必要があるので注意が必要です。保証保険料は銀行では必要ですが、住宅金融公庫からの融資では連帯保証人をたてると不要になる場合もあるようです。しかし、のちのちのトラブル回避のためにはローン保証料を払って保証保険に入った方が安心だと言われています。

 このローン保証料については、最初に保証料を全額払うケースと、ローンの返済の中にローン保証料を組み込ん返却するケースがあり、後者の場合は当然、毎回の返済額が高くなります。

5.長期金利の動向

 なぜか、住宅ローンのことを考え始めたときから、運悪く、長期金利が上昇傾向に転じてしまいました。長期プライムレートも上げる方向で本格的な検討が始まったようです。住宅ローン金利に影響するのはまず間違えなく、まずは固定金利型の商品に影響するようです。ローン契約が先か、住宅ローン金利の見直しが先か、競争になってきました。

(2004.10.9追記)

 長期金利はずっと上昇傾向を続けるのかと思えば、現在は1.5%から1.6%程度で足踏みをしています。今後、金利が上がる傾向なのか下がっていく傾向なのかちょっと先を読みにくい状況ですので、変動金利または短期固定金利タイプの住宅ローンを選ぶのが良いのか、長期固定金利タイプの住宅ローンを選ぶのが良いのかは頭を悩ませてしまうところです。

6.住宅ローンの勉強

 このホームページの最初に「マイホームの購入は人生のなかで一番大きな買い物」ということを書いたのですが、実は次に大きな買い物が、この住宅ローンになります。住宅ローンの選び方一つでヘタをすると100万円単位で総支払額に影響する可能性があります。ここまで住宅ローンの基本的なところのみを紹介してきましたが、まだまだ商品を選ぶための情報としては不足していると思いますので、これも最新の金利動向等も加味した書籍を読んでおくと安心だと思います。アマゾンドットコムを「住宅ローン」で検索した結果をバナーの中に表示しておきますので、もし興味のある本がありましたら、クリックして詳細の情報をご確認ください。

 民間の金融機関ではローン金利は毎月1日にその月の適用金利が発表されることが多いようです。一方、公庫融資では毎月半ばにその月の後半と翌日の前半に適用される金利が発表される仕組みです。

 問題は住宅ローンの申し込みをして、実際に融資が実行されるまでには、かなりの期間がかかりますが、いったいいつの金利が適用されるかが気になるところです。民間の金融機関では一般に融資の実行日の金利が適用されることが多いようです。仮に金利が低いときに申し込んでも融資が実行される時点で金利が高くなってしまっては、高い方の金利が採用されてしまいます。しかし、金融機関が発売しているいわゆる「キャンペーン商品」、たとえば、当初3年間は金利1%固定などという商品がありますが、これらの製品は実行日の金利が上がっても下がっても1%となる商品が多いようです。詳しくは、その商品を扱っている金融l機関で相談することをお薦めします。

 一方、公庫融資の場合はローンを申し込んだ日の金利が適用されます。たとえば、大きな新築マンションだと物件の契約を行って、公庫の融資を申し込んでから、建物が完成したあとに正式な契約を交わすため融資の実行を受けるまでに2年以上のケースが空く場合もあるようです。それでも公庫融資であれば申し込み時の金利が適用されるようです。しかし、住宅金融公庫は自分で直接、住宅ローンを貸し出すのを段々やめていって、各民間金融機関の窓口を通じて長期固定金利の住宅ローンを貸し出すように、運営の方針を変えつつあります。今後、金利の扱いなどが変わる可能性もありますので、公庫または取扱の金融機関に問い合わせてみることをお薦めします。

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