今まで自宅サーバーにこだわってきましたが、最近になって自宅サーバーの魅力が薄れてきていることに気がついてきました。ダイナミックDNSを提供してもらっているZiVEが有料化するという情報が発表されてから、独自ドメインの取得に向けて情報を集めていました。その際にレンタルサーバーを提供している業者の情報も読んでいるうちに、レンタルサーバーの魅力に気がつき始めました。
レンタルサーバーの優位点
情報を集めている中で、もっともサービスの内容が優れているのではないかと思ったのが、さくらインターネットという会社のサービスです。
ここのサービスは大きく分けて、複数のユーザーが共用してサーバーを使用するレンタルサーバーというサービスと、一人のユーザーがひとつのサーバーを独占して使用する専用サーバーという2種類のサービスがあります。後者の専用サーバーサービスは値段が高いので、個人で使用するのにはあまり適していないと思われますので、ここではレンタルサーバーの方を紹介します。
ディスクスペース
レンタルサーバーには3種類のサービス形態があります。(平成16年3月現在)
ライトスタンダードプレミアム利用料金(月払)─500円1,500円利用料金(年払)1,500円5,000円15,000円初期費用1,000円1,000円1,000円ディスク容量300MB1GB3GB利用可能なドメイン数制限なし。さくらのサブドメインが3つ付属。(sakura.ne.jpのサブドメインを1つ、30種以上のドメインから選べるサブドメインを2つ)お支払い方法クレジットカード、自動口座振替、銀行振り込み※1、請求書払い※2
300MBもの領域を年払い1500円で手に入れることができてしまいます。また、1GBもの大容量でさえ、年額5000円で手に入ってしまいます。サブドメインが3つももらえてしまう上に、メールアドレスについては、事実上、無制限に作成することができます。
そもそも自宅サーバーを運営し始めたのは、プロバイダから提供されている数十MB程度のホームページスペースではとても足らなかったので、広大なディスク容量を求めて自宅サーバーの運用を始めました。しかし、ここにあるような300MB、そして1GBものディスク容量を提供してもらえれば、自宅サーバーの旨みはあまり感じられなくなってきます。
価格
一見、自宅サーバーであれば、サーバーなどを購入するために初期投資さえしてしまえば、特に維持のためにお金はかかっていないような感じがするのですが、実は電気代がかなりかかっています。最近の普通のスペックのパソコンを24時間使っているのだとすると、だいたい、1ヶ月間に1000円程度の電気代がかかっているのではないでしょうか。これは意外と高い金額です。さきほどの、さくらインターネットのサービス体系の表と見比べると、最上位のプレミアムの値段に近い料金であることがわかります。
このほかに、ダイナミックDNSをそのまま使い続ければ、そこに必要な料金、もしも固定IPアドレスにするのであれば、これに必要な料金も別にかかってくるので、より以上、レンタルサーバーの方が優位になってきます。
価格面では完全にレンタルサーバーが優位という形になりそうです。
スピード
一番心配していたのが、共有型レンタルサーバーを使用したときに、どの程度のスピードが出るかということです。ひとつのサーバーを複数の人が一緒になって使っていますので、トラフィック件数の多い人と一緒になってしまったりすると、スピードが大きく落ちる可能性があります。
このスピードについては手っ取り早く知るための方法があります。単純に夜などのアクセス件数が多いと思われる時間帯に、実際にさくらインターネットを使用している人のサイトにアクセスしてみて、どの程度の速度が出るか試してみれば簡単に傾向はわかります。さくらインターネットのユーザーか否かは、ドメイン名から判別することが可能です。ドメイン名としては、「sakura.ne.jp」のほかに下記のドメイン名があります。(独自ドメインを持っている人の分はどこのサーバーを使っているかはそのドメイン名からは判りません)
halfmoon.jp ivory.ne.jp opal.ne.jp topaz.ne.jp mints.ne.jp sumomo.ne.jp mokuren.ne.jp mail-box.ne.jp sakuraweb.com jpn.org x0.com squares.net rgr.jp rdy.jp skr.jp eek.jp flop.jp whoa.jp noob.jp achoo.jp uh-oh.jp jeez.jp websozai.jp 2-d.jp netgamers.jp tank.jp razor.jp rulez.jp matrix.jp spawn.jp
googleで上記のドメイン名をもとに検索すれば、たくさんヒットします。これを一つずつアクセス確認していってみれば、傾向がわかるでしょう。私がチェックした限りはアクセス速度になんら問題を見つけることはできませんでした。
実際に仮入会した後にホームページのコンテンツをサーバーへ転送し、あとはブログのツールであるMovableTypeなどをインストールして、ほぼ自宅サーバーと同じ環境を構築しました。そしてアクセスしてみると、こちらもなんらスピードに問題はありませんでした。また、MovableTypeでコンテンツを再構築するのは、かなりの負荷をサーバにかけて時間もかかる作業なのですが、同じコンテンツを自宅サーバーで再構築するよりもレンタルサーバーで再構築した方がずっとスピードが早いという結果になりました。
自分が割り当てられたサーバーのスペックについては、コントロール画面から照会することができます。私の場合は下記のとおりです
これは仮入会した後にわかったことですが、サーバーにFTPソフトでログインすると、自分のディレクトリよりも上位のディレクトリ「/home」に移ることができます。ここに行けば、そこにはたくさんのディレクトリが存在します。(当然、各ディレクトリの中は入ることができないようにガードがかかっています) このディレクトリはいくつかのディレクトリを除けば、ユーザー数分のディレクトリがあるようなので、ディレクトリを数えれば、一つのサーバーを何人が共有しているかがわかります。実際に自分が使っているサーバーでディレクトリの数を数えてみると、108個のディレクトリがありました。私は、1GBのハードディスクが利用することができる「スタンダード」のサービスを利用しているのですが、だいたい、この程度の人でサーバーを共有しているのでしょう。
融通性
自宅サーバーの利点としては、データベースをインストールしたり、CGIをインストールしたり、そしてアクセス解析をしたり、CRONジョブを流したりといった色々なことが自分の判断だけで自由にできるというメリットがあります。実際に、自宅サーバーには色々なものがインストールされていて、便利に使用できる環境を構築しています。
実際にレンタルサーバーと契約して環境を作っているときに判ったのは、たとえ共有型のレンタルサーバーであっても、かなり自由度が高いということです。自分で自宅サーバーでやっていることはほとんどのことができてしまいます。
今まで環境構築してきた中で一点だけ不便だと思ったのは、WEBサーバーであるApacheを制御するためのhttpd.confを編集できない点です。これについてはかわりに、ディレクトリ単位に.htaccessで制御する形になります。しかし、大きなサイトでディレクトリの数が多いときには対応するのがたいへんになります。たとえば、レンタルサーバーのデフォルトの設定では、そのディレクトリにindex.htmlが無いときには、ファイルの一覧が表示されてしまうのですが、これは一般的にはセキュリティ的に問題があると言われています。これをエラーで返すような設定をするために、.htaccessを各ディレクトリにセットアップしていく必要が出てきます。
ファイル転送
WEBサーバーの中に入れるコンテンツをサーバーに転送するためには、FTPソフトを使って転送します。大量のファイルを転送しようとすると、なぜか100とか200とかのファイルを転送したところで異常終了してしまう場合がありました。これは転送モードをPASVモードに変更することでエラーが発生することがなくなりました。何が問題なのかはよくわかりませんが、現時点では問題なく使用しています。
サーバーの引越し
使い勝手が良いので、ZiVEの有料化に伴い自宅サーバーによる運転は終わらせて、レンタルサーバーによる公開一本に絞っていこうと思います。現在は、自宅サーバーとレンタルサーバーの両方で同じコンテンツをのせて平行運用しています。まもなく、GOOGLEのディープスクロールが終わり、今月末くらいからはレンタルサーバー側もGOOGLEにキャッシュされることになると思います。この時期を見計らって、自宅サーバー側はレンタルサーバー側へ移転通知と転送だけをするようにして、4月末を目途にレンタルサーバー一本の運用に絞っていこうと思います。
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