今までは、企業などで基幹ネットワークを構築するときには、専用線とISDNを組み合わせたり、IP-VPNを組み合わせたりして、片方の回線が災害などで切断されて使えなくなってしまっても、もう片方の回線でサービスを続行するという手法で信頼性を確保していました。
2つのサービスを組み合わせえる場合は、できるだけ経路が異なっている組み合わせにすることがポイントです。同じ経路を使っているサービスを2つ契約すると、被災した場合に両方がダメになってしまう確率が高くなります。専用線とISDNの組み合わせであれば、前者は光ファイバー、後者はメタル回線で経路が異なる可能性が高いです。
BフレッツとADSL回線で二重化
しかし、最近ではブロードバンド回線の普及により、もっと安価に広帯域の回線を二重化できるようになりました。ISDNは値段は安いのですが通信速度は速いとは言えませんのでバックアップ回線としては少し不安もありました。
今回、IT-Proで紹介されているのは、BフレッツとADSLという組み合わせです。確かにこれならば、電話線と光ファイバー網という形で家に引き込む回線までも完全に物理的に2重化できるので、信頼性対策としてもかなり高いと思われます。また、サービス提供料金もかなり安いくてコスト削減にもつながりますし、100Mbpsという広帯域の回線を使うことができるという、素晴らしい組み合わせだと思いました。
【2024年2月6日追記】
ADSL回線は廃止へ
電話回線網がIP通信化されることによって、昔から電話回線として活躍してきたメタル回線は無くなっていきます。これに伴い、ADSL回線も廃止の方向です。従って、この記事に書いたような、BフレッツとADSLで二重化という案はとれなくなります。
最近では、モバイルネットワーク、特に5G回線を利用した常時接続サービス(ホームルーター)が発売されるようになりました。これならば、Bフレッツとは回線網がまったく別になるので、二重化の候補になるかもしれません。
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