今日は雨。朝、早起きしてしまい、スタジオジブリの「猫の恩返し」をDVDで見ていました。スタジオジブリ作品の「耳をすませば」のスピンオフ作品とも言われています。耳をすませばで登場する月島雫が後に書いた物語、したがって「耳をすませば」にも登場したバロンが出てくるということですが実際の関係性はどうなっているのでしょう。
この作品はAmazonの評価を見ていても完全に2つに分かれているようですね。
監督は森田宏幸氏、魔女の宅急便では動画制作に参加、スタジオジブリ作品では他に「となりの山田くん」や三鷹の森ジブリ美術館の短編「コロの大さんぽ」に参加して、これがきっかけで『猫の恩返し』の監督に抜擢された方です。
Amazonの評価を大別するとジブリらしい奥深いところが無いという意見と、さわやかで良い作品だったという2つの意見です。私は、後者の感想で、とても好きな作品です。
声優さん
各キャラクターの声を担当されている声優さんもものすごいメンバーが担当されています。
ハルは池脇千鶴さん、ハルのお母さんは岡江久美子さん、ルーン王子は山田孝之さん、白い大きな猫のムタは渡辺哲さん、猫の事務所で出会ったバロンは袴田吉彦さん、猫の国の猫王様は丹波哲郎さん、ほかに大泉洋さんも出てきます。大泉洋さんは物語の初めでハルが高校に遅刻した時に漢文の授業をしていた先生です。「国破れて山河在り、おーい吉岡、こそこそしている暇があったら早く席につきなさい」と授業をしていたのが印象的です。
ロケ地
ストーリーはわかりやすいことこの上なく、また背景の描写はとても現実的で良くできていると思います。
商店街「十字街」は横浜の元町商店街や吉祥寺のサンロードが参考になっているといくつかのメディアで紹介されています。元町の雰囲気はよく出ていると思うのですが、吉祥寺のサンロードはアーケードがあったりして、あまり雰囲気が似ているとも思えません。
ハルの家のまわりの風景は三鷹にあるジブリ美術館の近く(西側)、下連雀二丁目あたりの風景だと書かれていたWEBもありましたが、実際はどうなのでしょう。この地域を歩いてみましたが、イメージが似ているところには出会うことができませんでした。
大きな白い猫(ムタ)を見つけた商店街(十字街)は横浜の元町がモデルになったと言われています。
また、冒頭で猫がトラックにひかれそうになった際にくわえていた魚のクッキーのケーキ屋は新高円寺駅近くにあるMYNTというケーキ屋さんがモデルになっているそうです。実はMYNTさんでは映画で登場していることを知らず、お客さんから教えてもらったと紹介しているブログがありました。こちらのケーキ屋さんです。
やはり冒頭のシーンで猫がひかれそうになった大通りは、阿佐ヶ谷駅のそばを南北にはしっている中杉通りがモデルになっています。印象的な綺麗は並木道です。(一部、原宿の表参道も参考にしたとのことです。例えば歩道橋は表参道にあるものが似ています))
ほかの風景については、一緒に付属しているメーキングビデオを見ると実際の風景の写真からおこしていることがよくわかります。
音声は豪華にDTSによる5.1chトラックまで付いているので、対応のAV機器を持っているとフロントからリアに至るまで非常に高い音質で作品を鑑賞することができます。私の場合はAV機器を購入して、DTSに対応しているDVDディスクがこのディスクしか無かったため、ずいぶん、スピーカーのセッティング場所の決定とかのチェックのためにもこのDVDを使用しました。
最後のエンディングテーマで使われている「つじあやの」の歌も、「猫の国で日がな一日のんびりするのも良いかな」と思わせるような、とても作品にマッチしていていいですね。
一方、2本立てのもう一方の「ギブリーズ」のほうですが、カレーを食べるシーンなどいろいろCGの効果などを使って技術的にすごいことをしているのだなというのは判りますが、あまり繰り返して見るタイプの作品では無いですね。
ギブリーズだけではとても映画館で一般公開できる性質のものではないので、猫の恩返しと一緒に二本立てで公開して、観客の反応を見てみたかったという感じでしょうか。
【2020/08/08追記】
DVDが発売中
DVDはこちらになります。
いつ見ても、ほのぼのとする良い映画です。
【2021/06/05追記】
青梅市のシネマネコで鑑賞
青梅市にシネマネコという名前の映画館ができました。こちらのこけら落としで、猫の恩返しが上映されました。こちらのミニシアターの開館にあわせて、オーナーがスタジオジブリに直に上映させてほしいとお願いしたところ、ジブリから快諾してもらい上映ができることになったそうです。
猫の恩返しが劇場で見られる機会はなかなかないので、オープンから2日目に訪問してみました。こちらで紹介しています。
相変わらず、程よい店舗と、それぞれのキャラクターの個性が浮き立っている、ほのぼのとした良い作品でした。
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