比較的訪問件数が多い「ビデオキャプチャー製品の比較」を掲載しているページを大規模に更新しました。今回は新たな動向としてデジタル放送のビデオキャプチャーに関してもふれています。
ビデオキャプチャカードの比較
オーディオの世界ではデジタル機器はコンパクトディスク(CD)という形ですでに身近になっていましたが、ビジュアルの世界でもDVDを皮切りに放送関係でも身近なものになってきました。最初はCSデジタル放送という形でスカパー!が現れて、続いて、BSデジタル放送、そして最近では地上デジタル放送が注目されています。
そんなデジタル放送をパソコンでキャプチャーすることは今までは出来なかったのですが、このほど、カノープス社(CANOPUS)から「MTVX2004HF」という機種が登場し身近なものになってきました。
MTVX2004HF
「MTVX2004HF」という製品は、従来のTVキャプチャカード「MTVX2004」をより進化させた製品で、スプリットキャリアチューナーと呼ばれる新チューナーを搭載して地上アナログ放送の録画品質をさらに向上させました。これで従来のアナログ放送はよりきれいに録画ができるように工夫されているわけです。
コンポーネント入力対応
そして、専用ケーブルによるコンポーネント入力(D1)に対応しています。これにより、外部のデジタルチューナの出力端子から本機のコンポーネント入力に接続することで、これまでPC上では難しかった地上/BS/CSデジタル放送のコピーワンス番組の録画ができるようになります。
コピーワンス
しかし、このコピーワンス番組の録画にはいろいろな制限がつきます。というのも、コピーワンスという規格はそのガード信号がかかっている放送を一回は録画が出来て、そしてほかの媒体へ移動はできるという規格で、一回の放送から複数枚のコピー媒体ができることを防ぐ規格なのです。
この仕組みを実現する上で、パソコン上ではどのように実装するかという規約がパソコンの世界では決まっていないため、今回のこの製品はCANOPUS社として最善の方法を考えて実装している形になります。
従って、コピーワンス番組のデジタル放送録画は、動画ファイルに拡張子.m2dという独自形式のファイルで保存され、同梱の録画/再生ソフト「FEATHER2004D」でのみ再生が可能という形になります。たとえば、メディアプレーヤーなどのほかのソフトでは再生できず、変換もできないという制限があります。
また、「MTVX2004HF」のボードそのものに付与されているハードウェアIDを使用し、録画したMPEG-2ファイルを独自に暗号化することでコピーガードに対応しています。再生時はハードウェアIDをチェックするため、録画に使用した「MTVX2004HF」がないと再生ができません。つまり、ほかのパソコンに持っていっても、この動画ファイルを再生することができないのです。
この「MTVX2004HF」に付いているビデオ入力端子は7ピンDINコネクタを2系統装備しています。一方はS-Videoとコンポジット、コンポーネントにも対応、もう一方はS-Videoとコンポジット入力に対応しています。コンポーネント入力以外に、S-Videoやコンポジット入力でもデジタル放送録画に対応しています。
外部入力端子に接続した地上波/BS/CSデジタルチューナーとの連携機能を備えていて、デジタルチューナーの映像信号を感知して録画を開始する「自動録画機能」を搭載しています。この機能が付いていれば、地上デジタル放送のチューナー側の方でEPGを使って番組の視聴予約をおこなっておけば、MTVX2004HFの方は自動的に録画を開始してくれて、放送を録画してくれるようになります。
逆に単に地上デジタル放送を見ようと思っただけの時も、映像信号が録画側に回ってしまえば録画が始まってしまうので、ここについてはどのような対策が取られているのか興味深いところです。
記録解像度や録画ビットレートはデジタル放送も地上波アナログ放送も同じです。解像度は720×480/480×480/352×480/352×240ドットで、ビットレートは最高15Mbps(Iフレームは最大25Mbps)を選べます。搭載している地上波用のスプリットキャリアチューナーはソニー製で、テレビ放送の信号を受信した時点で映像信号と音声信号に分解して処理する方式を採用しており、高品質なTV番組再生ができるとうたっています。
従来のカノープス製品、たとえばMTV2000ではY/C分離と3Dノイズリダクション(3DNR)を同時に使うことはできませんでしたが、この機種では3D Y/C分離と3DNRを同時に適用可能な「W3Dモード」も搭載しています。
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