マイクロソフトは一部のアジア諸国向けに廉価なWindows XPを発売するようです。パソコンのハードウエアの価格はどんどん下がっているのにWindowsの値段は下がらないので段々価格に占める割合が大きくなってきてしまったことから、アジア各国ではLinuxをインストールした状態でパソコンを売ることも増えてきたと聞きます。
これでLinuxが普及してしまうとマイクロソフトにとってはまずいので、今回の施策を実施することにしたのでしょう。今回の廉価版Windowsの名前は「Starter Edition」という名前で、タイ、マレーシア、インドネシアの三カ国を対象に発売される計画です。
ただし、フル機能のWindowsが提供されるわけではなく、一部の機能については割愛されます。やはり値段に大きな差をつけることから、機能的にも差別化を図らなければいけなかったのでしょう。
今回機能的に省略されるのは、
- 同時に利用できるプログラムは3つまで
- 各プログラムに対応したウインドウも3つまでしか開かない
- ディスプレイの解像度は800X600のSVGAまで
- インターネットには接続できるがホームネットワークには対応しない
- 複数ユーザーのログインは出来ない
しかし、ファイル共有、LANのサポートが抜かれてしまっているというのは、機能的にはWindows3.1の時代に戻ってしまっているような気もします。
当時はTCP/IPで通信するためには、別途1万円以上もするようなサードパーティーのソフトウェアを入手してインストールしないといけませんでした。Windows95になってかんたんにネットワークが接続できるようになって重宝したものですが、そのLANのサポートを抜いてまでして安く売ろうというのはいかがなものかと思いました。
なお、このStarter Editionですが、あくまでもパソコンが普及段階にある国でWindowsを普及させることが目的であり、日本では販売の計画は全くないそうです。
【2024年7月26日追記】
2024年になり発売されているWindowsは11になりましたが、このころ話題になっていたStarterエディションについては、もう全く耳にすることは無くなってしまいました。あえて、Starterエディションを作る必要がなくなったのは、Windows自体に海賊版を稼働させることを防ぐ機能が付いたほか、PCの分野ではLinuxなどに代替される可能性が低くなってきたことが理由なのかもしれません。
しかし、スマホやタブレットの分野ではiOSやandroidといったOSがシェアを握っているので、Windowsが入り込む余地はなくなってしまいまいた。iOSはiPad OSが枝分かれして、デスクトップOSとしても使える機能が徐々に充実してきています。これから先、パソコンの分野でもWindowsがシェアを奪われる可能性は徐々に強まってきていると思います。
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