「湘南電車」をご存じでしょうか。1950年に東海道線で運行開始したオレンジと緑のツートンカラーをまとって登場した80系電車の愛称でした。当時の普通列車は茶色い(ぶどう色1号/2号)電車が利用されることが多かったので、このツートンカラーは週の景色にも溶け込んでとても生えたのではないでしょうか。ちなみに緑は「みかん」の木の葉っぱ(緑2号)、オレンジ(黄かん色)の色はミカンの果実の色を指しています。
この湘南電車として用いられた80系電車は、戦前にD51形やC57形、C11形など、現在も動態保存される蒸気機関車の多くを設計した島 秀雄氏が設計を主導しました。特に台車については電車用の高速台車の知見が活用されていて、高速で走行しても振動が少なく乗り心地をよくすることに成功しています。
その後は80系電車によらず、東海道線の東京駅と沼津駅間の電車列車の通称として「湘南電車」の愛称は用いられています。この配色を使った電車には113系、165系などがあります。
2004年に国鉄時代から使用していた113系を本区間から運用撤退させる旨の発表がJR側からなされると、一部のマスコミが「湘南電車の引退」と報じました。そして、2006年3月17日に営業運行終了となりました。
東海道線からは消えるとはいえ、まだ、他の路線では113系近郊型電車は残るのでしょうか?
【2013/08/10追記】
現在、東海道線を走っている車両です。
一応、オレンジとグリーンのツートンカラーはラインとなって面影が残っています。車両全体を塗装することは塗料が多く必要になることと、車体が重くなることから、現在では帯で色合いを表現することが増えています。こちらのデザインの方が今風のスタイルに見えてきます。逆に昔の湘南電車を見ると昭和レトロな雰囲気が漂っています。
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