既にスカパー!の受信世帯は350万件を超えたということで、受信世帯が低迷していた時期と比べると、大幅な進歩です。しかし、ずっと以前からスカパーが受信者を増やすためにとり続けて来た施策の一つ、「インセンティブ」については一定のラインから下がることはありえないという記事がありました。
このインセンティブというのは家電店に支払う「販売奨励金」というものです。デジタルCSチューナーは何のインセンティブも無く、ただ単に消費者向けに販売すると、2万円程度の値段がしてしまう商品だと思われます。これは今の地上波デジタルチューナーなどの販売価格からの推測です。
しかし、スカパーのCSデジタルチューナーについてはアンテナつきのセットモデルでさえ1万円前後の値段で家電量販店には並べられています。この本来の値段と実際の販売価格の差額はインセンティブでまかなわれているものと思われます。
もしも、スカパーのチューナーが2万円という値段で売られていたら、消費者はこのチューナーを購入するでしょうか。最近ではDVDレコーダーをはじめとしたデジタル家電の値段はドンドン下がり続けています。その中でこれだけのお金を出してスカパーのチューナーを消費者があえて購入するとも思えません。答えはNoだと思います。既存の加入者も徐々に脱会していることから、新規の加入者が増えなければスカパーはジリ貧になってしまいます。従って、インセンティブは下がらないというのがこの記事の論旨だと思います。
このように一旦加入すると、事業者にはずっと月額いくらで料金が入ってくるというビジネスモデルでは、このようなインセンティブを販売店に支払って何とか囲い込みをするというビジネスが成立するのでしょう。他に気が付くところでは携帯電話も同様のビジネスモデルかと思います。
購入時は安く買えたと喜んでみても、結局はライフサイクルでは事業者にはお金を払い続けなければいけないというカラクリが消費者にとってどうなのかという問題もありそうですが、今後、放送業界のシェアがどう塗り替えられていくのかは興味深く見守っていきたいと思います。
ITmediaアンカーデスク:スカパー!がインセンティブを支払い続けなくてはならない理由 (1/2)
スカパー!がインセンティブを支払い続けなくてはならない理由 (1/2)
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