ウイルスバスターを利用しているユーザーが4月23日朝7時33分に公開されたウイルスパターンファイル「2.594.00」のアップデートを行うと、CPUの使用率が100%になってしまい、PCの動作が極端に遅くなるというトラブルが発生しました。同社はユーザーからの問い合わせで問題に気づき、同日9時2分に2.594.00の公開を停止し、10時51分に、問題発生以前のパターンファイルを名称変更した2.596.00を配布しました。
このウイルスバスターによるトラブルは社会にたいへんな影響を与えました。
一時期は、トレンドマイクロ社では、個別の補償には応じないという発言もしていた時期がありましたが、最終的には1ライセンスあたり上限額8500円(プラス1ヶ月間のサポート期間延長)までは補償をすることにしたようです。
しかし、これには実際にお金を支払ったことが判る領収書を提示しなければいけないのですが、あまり現実的では無いような気がします。
というのは、たいていの場合は職場で自分自身、またはパソコンに詳しい社員が色々な人のパソコンを復旧して回るため、復旧に必要な作業の領収書は残らないと思われるためです。
しかし、証明無しに補償金を払うわけにもいかない事情もよく判るので、今回はこの程度の補償が最善な選択ということになるのでしょうか。
領収書が無い場合には、3ヶ月のサポート期間延長をしてくれるとのことですが、結果としてはトレンドマイクロにとって、経営数値への多大な影響は回避できたということになるでしょうか。
なお、企業に対しての補償は個別対応を実施するという整理になっているようですが、こちらはどんな対応をしているのか気になるところではあります。
【追記】
補償内容
4月27日に以下のように補償することが公表されました。
個人ユーザーに対しては、障害の発生有無に関係なく4月23日時点で有効な契約があれば自動的に契約期間を1か月無償で延長することとなりました。専門業者などに依頼して既に復旧作業を行った場合は、8500円まで補填することも合わせて公表しました。障害が発生したが自分で復旧した旨を申告した場合は、契約期間をさらに3か月無償で延長することとなりました。
法人ユーザーに関しては、障害の発生有無に関係なく4月23日時点で有効な契約があれば自動的に契約期間を1か月無償で延長しました。復旧費用については個別対応という形になっています。
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