地上デジタル放送などのデジタルコンテンツに関しては、放送局から放送されている時点でコピーワンスという信号が埋め込まれています。
これは、一回だけだったら録画しても良いよという信号で、それ以上は複製を作ることはできません。他の媒体に移したいときには「ムーブ」という機能を使って、もとの媒体に入っている映像を消して新しい媒体に移すという動作をさせれば可能です。
しかし、コピーワンスの番組を録画したりムーブしたりするためには、それに録画機器が対応していなければいけません。
なぜデジタル放送はこんなに面倒くさい仕組みを搭載しようとしているかというと、いくらコピーを繰り返しても画質が劣化しないというデジタル放送の特徴に影響されています。いくらでも同じ画質の大量のコピーが出回ってしまう可能性があるためです。
デジタル放送のコピープロテクトに見直しの動き
今日の日経新聞朝刊によると、思うように地上デジタル放送の普及が進まない一つの原因になっている上記のような複雑なコピープロテクト機能について見直しを進めようとする動きがあるようです。実際問題、コピーワンスが付いていると、個人使用の範囲であっても、編集ができなかったりととても使いにくいため、この動きについては大賛成です。ぜひ数回のコピーは許可するような仕組みにしてほしいところです。
しかし問題は規格が変わったときに、現在のDVDレコーダーなどがあたらしい規格に対応できない可能性があります。内蔵のソフトウエアがアップデートできる機種であれば、メーカーからアップデートファイルが配布される可能性もありますが、どこまで古い機種まで対応してもらえるかは未知数です。もしかすると、新しい機種を購入しないと対応できない可能性もあるようですが、これも新しい規格が正式に決まらないとメーカー側としては公式に見解を発表できないようです。
(2005.7.29追記)
共同通信のニュースで情報通信審議会からの答申内容に上記の件が盛り込まれたと報道されていました。この答申を受けて放送局やメーカーが作る検討会で年内にも見直し策を検討することになるようです。回数を限ってコピーを認める方法が有力です。
【2024年8月28日追記】
ダビング10
コピープロテクトに関する見直しの論議のあと、2008年6月2日から地上デジタルテレビ放送と衛星デジタルテレビ放送でダビング10の運用が開始されました。HDDに録画した映像をBD-R/BD-REやDVD(CPRM対応)に10回ダビングできます。9回ダビング (コピー) をおこなったあとに、もう1度ダビングを実行すると、録画した映像はHDDからBD-R/BD-REまたはDVD (CPRM対応) に移動 (ムーブ) する仕組みになっています。
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