館内に入ってすぐのところにある銀座線の車両を外から撮影しました。日本最初の地下鉄電車という説明がありました。日本で初めて本格的な地下鉄が開業したのは1927年です。東京地下鉄道(株)の上野~浅草間(約2.2km)です。当時の鉄道では蒸気機関車がまだ主流でしたが、地下鉄用車両として1000形電車を開発しました。
ちょっと見ただけでは、最近まで銀座線に走っていた旧型の車両と似たようなものでは無いか?という感じもしましたが、よくよく見ると、全く違う感じでデザインも昭和初期の雰囲気が漂い非常にレトロな感じです。このレトロな感じがとてもいいですね。
地下を走行する車両であるため、もしも燃えてしまうと大事故に発展してしまいます。そこで、1000形では屋根板や内張りに至るまで鋼鉄製とした全鋼製車体が採用されました。
車内にも入ることができるのですが、こちらも現在の車両とは全く違って暖かみがあります。暖かみを感じる一つの理由に、間接照明が使われている点があげられます。常に暗闇を走る地下鉄車両で乗客の目に直接光が飛び込まないように配慮されたのだそうです。また、内装は鋼板に木目焼き付け印刷を施しているため、当時の木造車に慣れた乗客が違和感を感じないように配慮されています。
こちらの地下鉄博物館に保存されている1001は第1号車にあたります。1970年(昭和45年)に万世橋にあった交通博物館へ寄贈されました。交通博物館では開業時の姿へ復元が行われています。その後、1986年に地下鉄開通60周年記念事業の一環で、東西線の葛西駅高架下に開館した地下鉄博物館に移転されて屋内保存されて現在に至っています。
どちらかというと最近の車両はアルミなどの金属色をいかしていてシャープなものの、ちょっと冷たい感じがします。また、最近の車両はデザインもだんだんと画一的になってきてしまっていて、路線別に塗り分けられた帯の部分だけが違うようにも見えてしまいます。車体を軽量化して大量生産をして、そして1台あたりの製造コストを削減していくと、みんな今走っている列車のような感じになってしまうのでしょうか。
今でもこのような旧型の車両がイベント用の列車としてこれと同じ編成を一つ準備しておけば色々と使い道があると思うのですがいかがでしょう・・。
【2024年5月30日追記】
2017年9月に国の重要文化財に指定されました。電車としては初の指定になります。
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