講演会で日本情報処理開発協会が個人情報入りの資料を誤って配布

当サイトの記事には広告が含まれます
edy-suica-card

 個人情報保護法の施行に伴い、個人情報の漏洩問題に関しては頻繁に報道されるようになってきました。パソコンが盗まれた、USBメモリを紛失したなど、楽天市場のようにクレジットカード番号までもが流出してしまったというかなり深刻な事態であるものの原因がわかっていないものまで漏洩に至った経緯は様々なものがあります。

 そして今度は、個人情報保護のための講演会で個人情報を流出してしまったようです。日本情報処理開発協会が経済産業省との共催で8月5日に札幌で実施した講演会において、プライバシー認定業者に対する消費者からの苦情を印刷して来場者に配布してしまったそうです。相談者の名字、携帯電話番号、相談内容、相談先の企業名が書かれていたそうで、これもかなり深刻な内容の漏洩です。

 今回は講演会を実施している最中に個人情報が含まれていることに気が付いたため190部を配布したうち、179部を回収できたということですが、逆に言うと残りは回収できていないということですよね。4部についてはその所在すら確認できていないということで、会場から悪意をもって持ち出された可能性もありますのでちょっと怖いです。

 この会場で発生したことは、個人情報に対する取り扱いに関する認識が甘いという以前に、会場で配布する資料の最終チェック自体が甘かったという基本的動作の問題なので目も当てられないように見えます。共催している経済産業省は資料のチェックを行ったのでしょうか。

 最近は個人情報の流出に関する報道があまりにも多いため、消費者や個人情報を取り扱う人に警鐘をならすどころか、逆に「また、個人情報の流出か?」と興味を薄らげてしまう状況にあるようにも見えます。今のままではどんどん形骸化していってしまうので、日本情報処理開発協会という権威ある機関が「個人情報の大切さを啓発する」はずの講演会で失態をおかしたことの重大さを特に重視する必要があると思います。

 日本情報処理開発協会では「今後、二度と同様な過ちを起こさぬよう、資料の印刷発注および納品の際のチェックを徹底するとともに、役職員すべてに対して情報管理の徹底を図る」とコメントをしているようですがはっきりいって甘いです。また、公表が8月9日というのも遅すぎるように思います。個人情報の流出をしてしまったら、これだけ、重大な対策をして再発防止をはからなければいけないのだ!ということを、日本情報処理開発協会には身をもって実証してほしいと思いました。

コメント