ECS マザーボード K7S5Aの購入とレビュー

当サイトの記事には広告が含まれます
スポンサーリンク

1.購入までの経緯

 従来はRIOWORKSのマザーボード(PDVIA)を使ってPentium3でDualを組んでいたのですが、いま一つ、ATIのグラフィックボードと相性が悪かったこととパフォーマンス面で不満が出てきたことから、新しい機種への更改を検討しました。本当はビデオキャプチャーを行うので、INTEL系のチップセットで組みたかったのですが、値段がどうしても高く付いてしまうので、久しぶりにAMDのCPUで組んでみることにしました。しかし、AMDのチップセットやVIAのチップセットはビデオキャプチャとの相性で良い評判を聞きません。そこで、SIS735を搭載したマザーボードを選んでみました。

 SIS735を使用したマザーボードはどれも安いことが特徴なのですが、いくつか発売されていた商品の中で、もっとも実売価格が安いECSのマザーボードを選びました。ECSでは各マザーボードに愛称を付けていますが、このマザーボードの愛称は「サムライの誘惑」という名前になっています。このマザーボードの最大の特徴は、従来使っていたPC133のSD-RAMがそのまま使えて、移行に伴う費用を安く抑えられることが目玉です。私も今まで、SD-RAMを使っていたので、それをそのまま使えるのは非常にうれしいです。

 この製品に関しては、特に格安で売られている初期の並行輸入品に手を出すと、不安定でまともに動かないという噂も聞いていました。そこで、秋葉原に買い出しに行くときは、格安で売っているDOSVパ○ダイスは避けて、ツクモネットショップで日本語版の製品を買いました。1万円弱だったと思います。

2.マザーボードのスペック

 このマザーボードにはオーディオ機能とLAN機能がオンボードで提供されていますが、オーディオについては音質があまり期待できなかったことから無効にして、SOUND BLASTER LIVEおよびUSBオーディオを使用しています。LANはPCIスロットが節約できるため、積極的に使っています。LANに関しては、マザーボードのチップセットに付属の機能を使っても、専用のPCIボードを別に買ってきて実装しても、あまり機能や性能に大きな差が出る物でも無いので、マザーボードに付属の機能を使っても良いかなと思っています。100BASE-TX対応なのでスピード的にも安心です。

3.マシンの構成(当時)

 以下の構成でパソコンをくみ上げ使っています。なお、各周辺機器の使い勝手や使いこなしに関して、解説が書けたものには、製品名のところにリンクが張ってありますので参考にしてください。

部品メーカ型番説明
マザーボードECSK7S5Aここで紹介したマザーボードです。
CPUAMDATHLON XP 1600+購入当時、1MHzあたりのコストパフォーマンスが一番高かったCPU
メモリーノーブランド256MB×2PC133のSDRAMを使用。
OSMICROSOFTWINDWOS XP プロフェッショナルOEMではなく製品版の商品を買いました。
ケースフルタワーケース350W電源が付いた安売りケース
電源ENERMAXEG351P-VE(FC)ファンコントロール機能も付いたPENTIUM4非対応電源
ビデオカードATIALL IN WONDER RADEONビデオキャプチャ、DVD再生支援機能付きのオールインワンタイプのビデオカード
HDD富士通MPG3409AT故障が多いという評判もある富士通の40GB-HDD。現在のところ、幸い順調。九十九電機の3年保証付き
FDD昔のCOMPAQのパソコンから使い回しているFDD
CDドライブサンヨーBP1500PIODATAブランドで購入しました。24倍速書き込みのCD-R/RWドライブ
DVDドライブ東芝SD-M1212東芝製のDVD-ROMドライブです。本当はDVD+RW/+Rドライブがほしいです。→今は別のパソコンで使用しています。
玄人志向DVRW218-4624上記の東芝製DVD-ROMをDVD-R/RWに変更しました。パイオニアのOEMでDVD-Rの書き込み速度は2倍速になっています。ソフマップ・ドットコムで購入しました。見た目はバルクですがセレクトシリーズなので1年間保証が付いてきます。お店の人がこれを知らずに1ヶ月の初期不良交換しか付かないと言い切っていました。きちんと製品保証シールをもらうよう交渉しました。
IEEE1394アルファデータAD-DV394製品にはWINDOWS98のみ対応のように見えましたが、WINDOWS2000以降ではTexas Instruments OHCI Compliant IEEE 1394 Host Controllerとして自動的に認識されました。
サウンドCREATIVESOUND BLASTER LIVE VALUE一昔前の一番低価格なSOUND BLASTER LIVEです。私としては音質的にはこれで十分でした。
ビデオキャプチャCANOPUSMTV1000主にデジタルビデオカメラから取り込んだ映像をMPEG2に変換するために用いています。安定していて、とても使いやすいです。
USB オーディオSOTECOP-VH7PCAFINA AVに本来は付いてくる商品であるが、バラで安売りされていた商品。CDレシーバとスピーカのセット商品。使っていないがリモコンまで付いてきます。使い勝手や音質はこの価格にしては非常に満足です。TWOTOPの通販を使用して購入しました。とても重いので、電車等で持ち帰るのは無理だと思います。
マウスLOGITECHホイールマウスバルクで安く売っていた物を購入
キーボードGATEWAYANYKEYキーボードかなり昔にバルクで買った商品。 →今は使用していません。
IBM5576キーボードオーソドックスな日本語キーボードです。上記のANYKEYキーボードのリーターンキー等のいくつかのキーが押したまま戻りにくくなってきたため、秋葉原でジャンク扱いの商品を購入しました。適度な弾力で手が疲れにくくとても使いやすいと思います。
モデムNECATERM WM56ADSLにしてからPHSを収容するために購入しました。
赤外線TEKRAMIRMATE210PDA(GFORT)とパソコンを同期させるために購入。128Kbpsしか出ないが、なかなか便利

 

4.組み立て

 マザーボードを箱から取り出して、安物ケースに絶縁シートを付けて取り付けたあと、CPU・SD-RAM、ドライブ類、電源コードケーブル、ケースのケーブル等々、全部のパーツを組み立てて取り付けました。CD-ROMにWINDOWS2000のマスターディスクをセットしてOSをインストールして立ち上げてみると、いとも簡単にセッティングを終えることが出来ました。WINDOWSもCD-ROMからのブートに対応してくれるようになって、インストールが本当に簡単になったと思います。

 数日間使っていても、何ら不具合もなく、非常に安定しています。特にATHLONは電源との相性が非常に厳しいと聞いたこともあるのですが、私の安物ケース付属の350W電源では何事も問題なく動いています。

5.WINDOWS XPにおける認識  (2003.1.11) 

 WINDOWS XPでマザーボードの各デバイスが認識されたときのデバイスマネージャーの状態を以下に示します。標準でSISチップセット用のドライバが付いてきていて、うまくインストールされているようです。

6.BIOSダウンロード時の留意事項

 このマザーボードのBIOSは比較的頻繁にアップデートしてくれているのですが、LAN機能付き用とLAN機能無し用の2種類のBIOSが公開されています。これを間違えてダウンロードしてはいけないことは勿論ですが、メーカ側で間違えて、両者を逆に公開するトラブルが2回程度過去にありました。従って、BIOSは公開された物をすぐに利用せずに、1週間程度以上おいて、掲示板などでBIOSのアップデート成功報告などが上がってからダウンロードした方が安全だと思います。巨大掲示板の2chには自作パソコンの板があり、そこにはECSのスレッドがありますので、そこで色々な評判を確認することができます。

7.電源との相性

 電源は安物フルタワーケースに付いてきた350Wの電源を使用しているのですが、PENTIUM4にも対応していない電源なので、電源を取り替えれば、より安定性が増すのではないかと単純に思い、秋葉原でPENTIUM4/ATHLONXP対応の400W電源を購入しました。しかし、2980円しかしなかったことと、非常に軽かったので、嫌な予感は購入時からありました。家に帰って、電源を付け替えてみると、嫌な予感は見事に的中し、WINDOWS立ち上げ途中であえなくエラー発生。まさしく安物買いの銭失いといった感じです。電源はパッケージに何と書いてあろうとも、安物は避けて、実績のある信頼のおけるメーカのものを買った方が良いのだとつくづく思いました。その後しばらくはケースに付いていた電源を使用していたのですが、ソフマップの中古でENERMAXの電源が売りに出されていたので、オンライン購入して現在は使用しています。こちらのページでも紹介しているとおり、静かでとても使いやすい電源だと思います。

8.クロックアップ (2003.2.2追記)

 このマザーボードではBIOS上からCPUへ与えるクロック数の倍率を変動させることはできません。従って、一般にはクロックアップに向かないマザーボードとして有名です。しかし、この欠点?を補うためのソフトウエアがあります。このソフトウエアはWINDOWS上で直接、倍率を変更することができるソフトウエアで、フリーソフトとして配布されています。その名も、SOFTFSB FOR K7S5A。VECTORのこちらのホームページからダウンロードすることができます。操作方法は以下の通りで簡単です。(しかし、クロックアップは機械を壊したり、最悪は火を噴いて家を全焼ということにもなりかねない危険な行為ですので、作業は慎重に行い、何か発生してもオウンリスク、自己責任での対応をお願いします)

(1) ダウンロードしたファイルを解凍

(2) できあがったexeファイルをダブルクリック

(3) 下記の画面が表示されますのでGetFSBボタンを押します。

(4) タブが調整できるようになります。

 タブを右にセットすれば倍率が上がり性能も上がりますが、突然大きく変更すると、マザーボードやcpu、そして周辺機器を壊したり、最悪は運転しているときに火を噴いたりすることがあり得ます。従って、1段階ずつ慎重にクロックをあげることを推奨します。1段階あげた後にSetFSBボタンを押せば、そのクロック数が反映されます。少しでも挙動不審な状況になったら、すぐに元の倍率に戻すと共に、それ以上の倍率は試さないようにしてください。

9.どこまでも続く (2003.3.8追記)

 本当に安定していて息長く使えるマザーボードです。現在使っているCPUはAthlonの1600+ですが、インターネットの情報を見ていると、新しいBIOSにすることで2400+の成功報告も上がっています。最近ではDDR-SDRAMも512MBで6000円を割り込んでいるので、近い将来にCPUとメモリーのアップグレードをしたいと思います。

(2003.11.24 追記)

 前回のレポートから更に8ヶ月程度使い続けていますが、相変わらず順調に動いています。まだまだ、速度的な不満もなく、安定性の問題も出ずに動いています。本当はDDR-SDRAMに変更したかったのですが、メモリーについては価格の乱高下などもあり、買う機会を逸してしまいました。何となく、次のマザーボードに取り替えるまでは、メモリーはこのままで行くのかなという気がしてきました。

10.CPUのアップグレード (2003.12.29追記)

 平成15年も年末に近づいてきました。少し長い年末年始休暇なので、いろいろ物欲が沸いてきます。その中の一つにCPUをアップグレードしたいという希望があります。たとえば、DVDの圧縮率を変更するような作業をしていると、かなり待たされる傾向があるので、これを短くしたいと思っています。いまだCPUは1600+を使っているのですが、最近ではサラブレットの2600+の動作確認報告も目にするようになってきました。だいたい倍近くのCPU速度になりますので、体感速度もかなり上がるものと期待されます。でも、CPUの値段はまだ1万円以上するようですね。中古価格などを見ていると、1万円を切って売っていることもあるようなので、良い商品が見つかったところでアップグレードをしようと思います。その前にBIOSを最新のものにアップデートしておきます。

11.USB2.0へのアップグレード

 K7S5Aに付属してくるUSBポートは少し規格が古いUSB1.1対応のものです。また、SISのチップセットで提供されるUSB機能にはOHCIという規格に基づいていて、一方のINTELやVIAについてはUHCIという規格に対応しています。ときどき、このUSB1.1の規格のどちらかにしか対応していないUSB機器があるので注意が必要です。たとえば、USBアンプであるSOTEC社のOP-VH7PCはSISのチップセット配下でも音を鳴らすことはできますが、レシーバをコントロールするためのGEOBITというソフトは安定して動作することができません。

 そこで、USB2.0のPCIインタフェースカードを購入して使用することにしました。購入した商品は玄人志向のUSB2.0V4-LPという商品で、わずか1500円程度の値段でソフマップ・ドットコムで購入しました。いくら最近のマザーボードでは標準で装備されるようになってきたため、USB2.0のインタフェースカードの値段が下がっているとはいえ、破格の値段では無いかと思います。(これは現時点、最新の製品だったのですが、この一個前の型については更に安い1100円程度の値段でした)

主な仕様 
USB2.0:ポート×4(外部3ポート、内部1ポート)
1ポートの転送レート:480Mbps
対応OS:WindowsMe/98/2000/XP
添付品:ドライバFD、マニュアル
保証:1年間
製造元:kouwell
メーカーサイト:http://www.kouwell.com.tw/

 K7S5Aの空きPCIスロットに本インタフェースカードを差し込んで、更にBIOS上でマザーボード付属のUSB機能を無効にし、そしてパソコンを立ち上げてみると、USBマウスを認識するまでの間、非常に使いにくかったのですが、暫くするとUSBマウスを自動で認識してくれて何も問題なく使用できるようになりました。WINDOWS XPを使っていると、すべてドライバは自動でインストールされるようです。製品付属のCD-ROMについては登場する機会がありませんでした。

 一緒にソフマップ・ドットコムで購入したマルチカードリーダがUSB2.0対応の製品だったのですが、特に問題なく認識してくれています。スピードが速くなったのか否かは判りません。何か、USB2.0対応の外付けのDVD-R装置等があれば判るのですが、特に持っていないので、USB2.0にしたことによる直接の恩恵は受けられないようです。しかし、今まで使えなかったOP-VH7PCのコントロールソフトの方は問題なく使えるようになりましたので、これは大きな収穫です。

12.IDEドライバ

 このレポートを記入しているときに気が付いたのですが、2台付けてあるIDEタイプのハードディスクのうちプライマリにつけているハードディスクのスピードがどうも遅いような気がします。さっそく、HDBENCHを起動して、ハードディスクのスピードを測定してみたところ、2000程度の数値しか出てきませんでした。普通の転送速度の1/10以下です。デバイスマネージャーからハードディスクのプロパティを開いてみたところ、PIOモードになっていました。しかし、可能な場合はDMAモード転送にするという設定にしているのに、なぜPIOモードになっているのか、原因がわかりません。SISのHPからIDEドライバの中で一番新しいドライバをインストールしてみても改善せず、マザーボードに付いてきたCD-ROMに入っているSISIDE.EXEを実行しインストールしても改善しませんでした。そして、再度、最新のIDEドライバを入れようとしたところ、古いドライバを削除することという警告が出てきて、指示の通り、プログラムの追加と削除からアンインストールしてから、最新のドライバをインストールしてみたところ、見事にDMAモードに復活し、転送速度も10倍以上になりました。これだけ早くなると、操作感上もすごく早くなった気がします。

13.BIOS更新

 来るべき、ATHLON XP 2600+の導入に備えて、BIOSを最新版に更新しておくことにしました。実はECSから発表されている公式板のBIOS以外にオーバークロック機能などを盛り込んだ非公式板のBIOSもこちらのサイトで公開されています。今回は少し冒険して、非公式(Honeyx)板の中でも特に最新版の2003年3月27日版のBIOSを使用してみることにしました。BIOSアップデート用のFDを作らなければいけないのですが、以前からBIOSアップデート専用に使ってきている秘伝のFDを持っているので、これを使うことにしました。BIOSを新しいものに書き換えて、AWFLASHも新しい版に差し替えればOKのはずです。しかし、FDがうまく動かないのです。もう暫く使っていなかったため、FDDが機嫌を損ねてしまったようです。他にもFDDを持っていたのでそちらにFDを差し替えてBIOSアップデート用FDを作成しアップデート作業を行いました。再立ち上げ前に念のためCMOSクリアをして、BIOS設定画面でデフォルトの設定値を読み込み直してから必要なBIOS設定を行っておきました、CPUの設定のところはたしかにFSB値のバリエーションが増えていましたが、まずはデフォルト設定でテストをしました。何事も問題なくシステムが立ち上がりました。これで、ATHLON2600+まで動かす準備が出来ました。CPU7は手ごろな価格のものが見つかったところで購入しようと思います。

14 ビデオサーバーへの流用 (2004.3.1追記)

 もともとはメインマシンにこのマザーボードを使用していたのですが、メインマシンのスピードアップをするために、Socket478系のマザーボードに更改したために、このマザーボード(K7S5A)は取り外してしまいました。しかし、サブ用途にはまだまだ十分な実力のあるマザーボードであるため、今はソケット370系のマザーボード(ASUS TUSL2-C)を使っているビデオサーバーに転用することにしました。

 この転用を通して問題が1点ありました。ビデオサーバーは非稼働時の騒音防止のため、スタンバイ状態にしているときは、電源ファンを止めておくようにしていました。幸い、TUSL2-Cについている電源ファン用のコネクタは、スタンバイ状態のときには電気が供給されず、うまいこと電源ファンは止まっていてくれました。ところが、このK7S5Aではスタンバイ状態のときにも電気が供給され続ける仕様のようで、スタンバイ状態のときも電源ファンがうるさく回り続けています。これはかなりの誤算でした。

 スタンバイ状態がダメならば、休止状態にすればよいのですが、なぜか休止状態からビデオキャプチャーカード(CANOPUS MTV2000)の予約設定の時間の前に自動立ち上げができません。眠ったままになってしまいます。普通に電源ボタンを押して休止状態から起動することはできるので、何か問題が他にあるようです。タスクで定義したスケジュールでうまくマザーボードが反応して立ち上がってくれないようです。デバイスマネージャーでシステム関係のデバイスを一つ一つチェックしましたが、これと言っておかしいところは見つけることが出来ませんでした。

 WOL(WAKE ON LAN)については無事に動作してくれて、休止状態になっていようがスタンバイ状態になっていようが、マジックパケットを投げると、元気に起動してきます。まぁ、WOLについてはLANケーブルとコネクタを専用のコードで結んでいて、ハード的に電源を入れているので、上記のタスクで起動できない問題とは別の問題なのだと思います。

 原因がわかるまでは、スタンバイ状態でビデオサーバを運用してみようと思います。

 →結局、原因がわからないまま数日がたちました。これは、単にマザーボード自体の問題という気がしてきたので、同じSIS社のチップセットを使っているものの、PENTIUM対応になっている、ASUS社のP4S8Xというマザーボードでチェックしてみたところ、何事も問題なく、休止状態からの自動録画ができるようになりました。これが確認できたことで、このK7S5Aはオークションに出品して売却することにしました。同時に使っていたATHLON XPについては、中古パーツショップに持っていって売却しました。

コメント