ECサイトや金融事業の伸びで好調な楽天の決算と株価の動き

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楽天

 昨日は楽天の決算(1月→9月期)発表がありました。

 9月末までの業績ということで、10月以降に勃発したTBSとの経営統合問題を織り込んでいない数字ではありますが、ずいぶん好調な決算だったと思います。

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好調な決算

 楽天KC、楽天証券など金融部門が全体的に好調でした。また、楽天トラベルについては、手数料の値上げに起因して、業界の反発が起こっていましたが、その影響もあまり感じさせない伸びを示しているようです。楽天市場に出展しているお店の数も四半期で2125店舗増、売上高は53.9%増の81億円と絶好調という感じです。

 心配なのはTBSの株式を購入するために増やしてしまった有利子負債ですが、昨日の発表の中ではこの問題の解決が長引いたとしても、「金利負担よりも配当の方が大きい」のでまったく問題にならないと説明しています。

株価も好調

 これを受けて、今日の楽天の株価も、現時点で昨日に比べると2700円(3.64%)あげています。これだけ好調な決算であれば、もっと上げてもおかしくないような気がしますが、一方でTBSとの経営統合問題も抱えているので、一方的に「買い」というムードにならないのでしょう。あとは、TBSとの経営統合問題がどのように終結を迎えるかが、投資家から見ると一番の関心事になるかと思います。

【2022年2月9日追記】

楽天モバイルの投資

 この記事を書いてから8年が経過しました。当時はTBSとの経営統合問題などが話題になっていました。結局は実現しませんでしたが、楽天は金融系を中心にして事業を伸ばしてきました。

 ここ数年、楽天が力を入れているのはモバイルです。全国に基地局設置工事を続けており、投資額も相当額になっているので赤字の決算が続いています。既に基地局も人口網羅率96%を達成した発表もあり、これからは収益を改善していくフェーズになります。楽天ではポイント還元の施策をいくつか改悪したりもして利益の内部留保に舵を切っていますが、今後、どの時点でモバイル事業が単黒になるのか気になるところです。

【2024年8月2日追記】

楽天グループは赤字決算続き

 楽天モバイルの回線網を全国に拡充するために、基地局の設置を大規模に進めた結果、楽天グループは赤字に苦しんできました。相変わらず、EC事業や金融事業の調子は良いのですが、携帯電話事業でその利益を食いつぶし、さらに大きな赤字につなげてしまっている状況です。その後、楽天モバイルでは0円プランの廃止や契約者数など数々の対策を打ってきて、徐々に赤字を脱出できそうな気配になってきているように思えますが、まだ予断は許しません。8月9日に決算発表があるため、状況を確認します。

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