ZDNetの記事によると無償版DB2データベースを2006年にも提供し始める可能性があると報じています。
既にOracleについては制限つきで無償版の製品の配布を始めました。これはMySQLなどのオープンソースのDBMSが中小規模のシステムにて使われる機会が多くなってきたためです。
また、マイクロソフトもSQL Serverで無償製品を投入しています。もしも、これからシステムを構築するユーザーがMySQLなどのオープンソースの製品を使用してシステムを構築してしまった場合は、そのシステムがうまく動いている限り、自社の製品に変更してもらえる可能性はかなり低くなってしまいます。
一方で、無償製品を配布して、ある制約を越えた時点で有償になりますというビジネスモデルにしておけば、そのDBMSにしかない独自機能なども使ってしまっていて、もうオープンソースのDBMSにはなかなか移行できないような状況を作ることができます。DBMSベンダーとしては生き残り戦略として取り組んでいかなければいけない状況です。
既に、地図については無償でインターネットから閲覧できるもの、またサーバー系OSについてはLinuxを使用すれば安価に環境を構築できるという印象が根付いてしまいました。
また、MovableTypeなどのオープンソースのソフトウエアについては標準でMySQLやPostgresSQLといったオープンソースのDBMSに対応する傾向があります。したがって、オープンソースがオープンソースDBMSの需要を喚起するような構図も思い描けます。
さらには、最近の報道によればサンマイクロシステムズがSoralis10でPostgresSQLをバンドルすることを発表しています。Sun自身がサポートを行う意向であるようです。これも、DBMSを発売するベンダーにとっては脅威になる情報のひとつだと思います。
ミッションクリティカルな領域では、まだまだOracleなどのベンダーが提供するDBMSの方が強いと思いますが、この先、どのような形で勢力図が塗り替えられていくのか、関心があります。
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