松下のプラズマテレビなどで組み込みソフトの欠陥が相次ぐ

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 今日の日経朝刊では家電各社が家電製品の組み込みソフトで欠陥が相次いでいて対応に苦慮しているという記事が出ていました。記事の中で特に驚いたのは、松下のプラズマテレビにおける画像処理エンジンのプログラム行数が1000万行を超えるという部分です。

 1000万行といえば10メガステップですよね。記事の中でも書かれていましたがパソコン用基本ソフトと同等の規模だそうです。

 十数年くらい前までは家電製品は単なる機械でしたが、徐々に高価格な製品を中心にソフトウエアが組み込まれるようになってきました。

 その後はどんどん低価格な製品にもソフトが組み込まれて今に至っています。そして今では、ほとんどの家電製品にプログラムが組み込まれているのではないでしょうか。液晶ディスプレイがついているような製品にはプログラムが入っているといっても過言ではないような気がします。

 プログラムが関与すると困るのは品質確保です。ハードウエア製品と違ってソフトウエアは品質的なできばえがなかなか目に見えません。

 プログラムを作ったあとに一所懸命にソフトウエアを検査してうまく動くことを保証していかないといけないので、たいへんな作業になってしまいます。

 思うように動かないとプログラムを直して再度試験、プログラムの直し方が悪いと、プログラムがデグレードして、更なるプログラム修正と検査を重ねていかないといけないということになりかねません。こんなことが続くと、当初想定していた発売時期に製品の出荷が間に合わなくて、発売延期となるような場合もあるようです。

 また、もっとも問題なのは製品を出荷したあとにプログラムのバグが見つかったときの対応です。パソコンであればインターネットにつながっていることがほとんどなので、修正版プログラムをメーカーサイトからダウンロードしてアップデートすればすみますが、一部の製品を除いて、メーカーの保守サービスを受けないといけなくなります。

 今後はデジタル家電の台頭にあわせて、もっとソフトウエアの規模が増大、複雑化していくものと想像されます。来年はプログラムの生産性向上や品質確保に対する対策に引き続き注目が集まっていくのではないでしょうか。

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