武蔵境駅南口から新宿駅西口までの小田急バス【宿44】

当サイトの記事には広告が含まれます
小田急バス車内(笹塚)

ときどき使用するおもしろいバスに、宿44系統、中央線の武蔵境駅南口から新宿駅の西口まで走っている小田急バスがあります。

だいたい、バスというと駅から近隣の住宅地までお客さんを運ぶのが最近のトレンドになっていると思うのですが、このバスに限っては中央線に並行して実に10駅分の距離を走行しています。並行とはいっても新宿からは中央線から徐々に離れていって井の頭線の永福町駅まで行ってしまうので並行とも言い切れません。

他に東京都内には、西武柳沢駅から青梅駅までの都営バスも、ずっと青梅街道をひたすら走って走行距離が長いと思いますが、こちらの宿44系統もおもしろいと思います。

スポンサーリンク

最初は東京駅丸の内南口から武蔵境駅南口まで

こちら(桜庭的由無事 -電脳版-: 【振り返りシリーズ】小田急バス宿44系統)のサイトを見ると、下記のような情報がありました。

元々宿44系統は、戦後間も無い昭和24年に京王電鉄バスと都バスと小田急バスの3社局共同運行で東京駅丸の内南口から武蔵境南口までを走っていた系統で、地下鉄建設関連の運行縮小、バス系統の統合で昭和47年には京王と都バスは撤退したものの、片割れとして現在も同じ宿44系統の割り振りで新宿西口~武蔵境駅南口間を1日あたり10本運行中。

1970年に京王帝都電鉄と東京都交通局が手を引いた後に区間を短縮して、東京駅から武蔵境までというのを改めて新宿駅西口から武蔵境駅までとしたようです。

武蔵境駅から

なぜ昔、東京駅行きのバスが武蔵境駅起点になっていたかが気になります。想像すると明治22年に開通した甲武鉄道の新宿ー立川間は駅が中野、境、国分寺の3駅しかありませんでした。この中で境が現在の武蔵境に相当するのですが、それだけ武蔵境が力を持っていた場所であったのかもしれません。ちなみに境停車場は田無とを結ぶ馬車が運行されていたほか、江戸時代から観光名所であった玉川上水の小金井桜の最寄り駅として賑わっていたそうです。

バスは武蔵境駅を出ると、少しだけ南に走ってから連雀通りで曲がって、ここを東方向に中央線と平行して走ります。そして、下連雀付近で吉祥寺通りにぶつかったら、吉祥寺通りを北へ走ります。ジブリ美術館を右手、井の頭自然文化園を左手に見ながら、やがてバスは吉祥寺駅近くで井の頭通りとぶつかります。


この井の頭通りは以前は水道通りと呼ばれていたように、道の下には大きな水道管が埋まっているようです。この井の頭通りを西方向に曲がって、渋谷方面へとバスは向かいます。

吉祥寺から新宿まで

やがて、右手に小田急バスの吉祥寺営業所が見えて、そのまま井の頭線と平行して走ります。永福町を過ぎて明大前が近づいてきたあたりで今度は甲州街道とぶつかります。この甲州街道を左に曲がって、そのまま京王線に沿って新宿へと向かっていきます。

この宿44系統のバスは1時間に1回程度しか運転されておらず、しかもバスは小さめの、チョロQのようなバスです。それでも、お客さんは結構乗っていて、いつも席はほとんど埋まっているようです。最初から最後まで乗り通す人は少なくて、途中から途中のバス停までという方々が多いのではないでしょうか。吉祥寺駅付近や甲州街道付近では渋滞に巻き込まれることもあるので、運転手さんは長時間の乗車になり大変だと思います。

武蔵境方面から新宿方面へ行くときには、だいたい時間通りのことが多いと思うのですが、逆に新宿駅から武蔵境方面へ行くバスは運転時間がとっても遅れていることが多々ありますので、バス停ですごく待たされることが少なくありません。それでも新宿駅西口では辛抱強くバスを待っている人が多いのは、このバスが便利なエリアに住んでいる方々が多いということなのでしょう。

新宿駅西口小田急ハルク前

このバスは新宿駅西口では小田急ハルク(ビックカメラ西口店)の前にバス停があります。御殿場方面や小田急センチュリーハイアットへ行くバスのバス停と同じ場所にあります。新宿駅というと小田急バスにとってもターミナル駅のはずなのですが、新宿駅西口には都営バスや京王バスのバス停がとても多くて、小田急バスのバス停はこの小田急ハルクの前に小さく追いやられている感じがします。小田急バスが新宿駅西口でこんなに肩身の狭い思いをしているのには何か歴史的な背景があるのでしょうか。(新宿駅に乗り入れている一般の乗り合いバスは実はこの宿44系統だけだったりします。小田急電鉄の始発駅にもかかわらず、何だか不思議な感じがします)

この新宿駅西口からは他に京王よみうりランドに行くバスも出ています。このバスは季節限定、休日限定という形で運転されていて、このバスに乗るのはかなり難しいのではないでしょうか。以前、このバスには乗ったことがあり、そのときのレポートも下記のページにありますので紹介しておきます。

(2007/06/16追記)

新宿から利用

今日は新宿に用事があって行った関係で、帰りに宿44のバスを使ってみました。新宿駅西口駅発16時11分です。新宿の南口に近いところにいたので、今回は新宿西口のビックカメラ前からではなく、角筈2丁目というバス停でバスを待ちました。

このバス、遠距離を走る関係で予定時刻よりも遅れがちなのですが、今日も遅れているようです。どこにバスはいるのだろうと思いつつ、向こう側の車線を見てみるとバスが渋滞にはまっていました。その先の信号で左折をするのですが、この信号は横断歩道を歩く人の数が多いので、なかなか左折ができずに渋滞しやすいポイントです。この時点で10分くらいバスは遅れていました。

そして、バスは新宿駅の西口方向に曲がっていった後に、20分ほど遅れてようやくやってきました。(運が良いと3分遅れでバスに乗れると言うこともあるようです)

この路線にはバスは普通の車体ではなく、かなり小さな車体のバスが使われています。まるで、キュッと前後の長さが圧縮されたようなデザインなのでまるでチョロQそっくりです。従って車内も狭いのですが、この路線はそんなに使用するお客さんの数も多くないので、問題ないというのが小田急バスの見解なのでしょう。

しかし、今日は違いました。すでに席に座れなくて立っているお客さんが5人くらいいます。そして、その先もなかなか席は空かずに、結局は浜田山のあたりまで立ったまま乗車していました。そんなに道が混んでいたわけでもないのですが、それでも40分程度は立っていたと思います。新宿から吉祥寺まで電車を使えば20分弱だと思うのですが、バスを使うと1時間程度かかってしまいますので、やっぱり、時間に余裕があるときにしかこのバスは使うことができません。

のっているお客さんの様子を見ていると、笹塚駅あたりで降りるお客さんがいましたが、それ以降は水道横町あたりまで降りるお客さんはいませんでした。その後も降りるお客さんはポツポツという感じで、結局は新宿駅から三鷹市や武蔵野市までずっとのりっぱなしのお客さんの数が多いようです。ということで確実に席に座りたい場合には、途中のバス停から乗らずに、始発のバス停から乗ることをお勧めします。

【2014/02/23追記】

大幅減便

残念なことに小田急バスより、宿44系統が大幅に減便されることが発表されました。このバスは中央線のダイヤが大幅に乱れたときなどの避難用に最近も重宝していたのですが、減便されてしまうととても使いにくくなってしまいます。

小田急バス
小田急バスのウェブサイトです。路線バス、高速バス、空港連絡バス、貸切バスは小田急バスをご利用ください。

今でもそれなりのお客さんがこちらのバスを利用していると思うのですが、なぜ減便してしまうのでしょう。やはり、採算がとれていなかったということでしょうか。かなりの長距離路線でもしも途中で渋滞にあった場合は定時運行も難しいようですし、また運転手さんの疲労もかなりのものになると思いますので、あまり会社としては続けたい路線ではないのかもしれません。

2014年3月1日からは下記の4便だけになってしまいます。利用する際には時刻表で最新の運行時刻を確認することをおすすめします。

宿44 新宿駅西口~武蔵境駅南口 新宿駅西口発 11:45 17:15
武蔵境駅南口発 10:20 16:00

宿44 吉祥寺営業所~武蔵境駅南口 吉祥寺営業所発 9:50 15:30
武蔵境駅南口発 12:55 18:25

このまま廃止されてしまうことだけは避けたいところです。

コメント