今日の山手線は大変なことになっていました。午前10時30分頃に新大久保と高田馬場の間で、走行中の列車上で乗務員や乗客が異常な振動を感じて、緊急停車したことがことの始まりです。
その後、線路を調べてみたら、5cmにわたるレールの隆起が発見されて、そのまま同区間の列車の運行が休止しました。
5cmというと、道路であればたいしたことは無いような気がするのですが、これはレール上のことだと、たいへんなことなのだそうです。
テレビに評論家の人が出てきて解説をしていましたが、2cmの隆起でも危険だとか。ちょうど、今回の隆起の現場では、レールが直線であったがために列車は脱線を免れたものの、一歩間違えばとても危なかったのだといいます。
列車に乗っていた乗客のインタビューでは、「バウンドした。車体が飛び上がった感じ」と言っているようにかなり怖かったのでしょう。座っていたり、何かにつかまって立っていた人は大丈夫だったものの、何もつかまらずに立っていた人は倒れる人も多かったようです。
問題は電車が運転されている時間帯になぜそんな工事を実施していたかです。本来ならば、列車が運転されていない夜間に実施するなり、どうしても昼間にやらなければいけなかったのであれば、きちんと見張り役の人をつけて、異常があればすぐに列車を止める措置が必要だったのではないかと思います。列車が異常を検知して止まるまで判らないという今回の事態は最悪だったのではないでしょうか。
JRは記者会見ではあまりこのへんのことに言及していなかったようですが、この辺の安全管理のあり方が再発防止策を考えていく中で一番重要なのではないかと思います。
毎日新聞の記事によれば、同じJR山手線の新橋-浜松町駅間で2月20日に発生したレールの沈下事故でも、実は今回と同じ工法で作業を実施していたときに発生したそうです。このときは今回ほどの大騒ぎにはならなかったわけですが、JR東日本は特に有効な再発防止策をとらぬまま、ここまで来てしまったことになります。
JR東日本の公式サイトのトップページにはいまでも特急いなほ14号の事故に関するお詫びの文書が掲示されています。また、お知らせからリンクされて、今回の山手線の事故に関するニュースも掲載されました。
(お詫び)山手線等の輸送障害について
4月24日午前10時半頃、高田馬場駅付近にて線路異常及びその復旧作業を行った影響で、山手線、埼京線、湘南新宿ラインなどの各線で長時間にわたり電車の運休や遅延が発生しました。
ご利用のお客さまには大変ご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
今後、詳細な原因を究明し、再発防止を徹底してまいります。
2006年4月24日
東日本旅客鉄道株式会社
事故の反省が風化しないうちに徹底的な原因究明と再発防止策の確立をお願いしたいところです。
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