ソニーが2006年度を増収増益で締めくくったものの2007年度予想がふるわずに株価が下落

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 ソニーの決算発表が先週の木曜日にありました。

 2006年3月期(2005年度決算)は薄型テレビのBRAVIA(ブラビア)が好調だったこともあり、売上高が前期比4.4%増の7兆4754億円、営業利益が1月に修正された予想の1000億円を大幅に上回る1912億円と増収増益でした。

 テレビの売れ行きとか経営陣の発言などから、この程度の好調な業績発表になることは予想していたので、株を手放さずに持っていました。そして運命の先週の金曜日を迎えたところ、あっけなく5.14%も株価が下落してしまいました。

 何が投資家心理を冷ましてしまったかというと、2007年3月期の業績予想があまりにも低かったためです。売上高は8兆2000億円、そして営業利益は大幅減益の1000億円と予想しています。

 利益を圧迫する理由はプレイステーション3の生産コストが当初は高くつくため、ゲーム事業で1000億円もの赤字を見込んでいます。

 この数字、ある意味では非常に積極的な数字でもあります。現在はまだブルーレイディスクに対応したプレーヤーの値段は10万円程度してしまいますが、これではプレーステーション3は高くて売れません。たぶん、5万円前後の値段まで値段を下げないと普及は厳しいでしょう。

 ソニーもブルーレイディスクプレーヤーの量産によるコスト削減に今後も取り組み続けるものと思いますが、販売を予定している今年の秋までに利益が出るまでの銭までコストを削減できないと見込んでいるのではないかと思います。

 しかし、プレイステーション3はお買い得な値段で発売されて普及が進めば、確実に量産効果が出て、生産コストは安くなっていくはずです。従って、明るい将来がひらけているのではないかと私はソニーに期待をかけています。BRAVIA、プレイステーション3ともう一つ収益の柱が欲しいところです。

【2024年10月10日追記】

 その後のSONYの業績は下記のように推移しました。2008年度から2014年度にかけては純利益(最終損益)がほぼ赤字になっています。安定して稼ぐことができるようになったのは2015年度以降になりました。

2006年8兆2957億円718億円1263億円
2007年8兆8714億円3745億円3694億円
2008年7兆7300億円-2278億円-989億円
2009年7兆2140億円318億円-408億円
2010年7兆1812億円1998億円-2596億円
2011年6兆4932億円-673億円-4567億円
2012年6兆7955億円2265億円430億円
2013年7兆7673億円265億円-1284億円
2014年8兆2159億円685億円-1260億円

 2012年からCEOに就任した平井一夫社長筆頭で「選択と集中」を進め、採算性が悪化していたモノづくり事業から縮小、または撤退をすることで、2015年度から業績が改善しました。

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