シンドラーエレベータ社製のエレベータが港区で事故を起こした件について、色々なニュースで取り上げられています。シンドラーエレベータ社製のエレベータは他の場所でも異常が発生しているということが報道されていました。
エレベータそのものに問題があったことを想像させる報道です。しかし、このような場合では「事故が他でも起きている=エレベータの問題」と考える前に、現在の商用のエレベータでは出荷後の故障率はどの程度で、シンドラーエレベータ社製のエレベータはその故障率と比べて故障がたくさん発生しているのか否か、またその故障の質はどうなのかといったことをあわせて考えないといけません。
報道の中でこの辺が触れられていなかったのは残念でした。
一方で報道機関がシンドラーエレベータ社に他に事故は発生しているのか否か、また全国でどの程度のエレベータが使われているのかといったことを質問していましたが、どちらの質問に対しても「捜査の妨げになるので回答できない」という反応でした。
企業としては、何かを回答するとあとで不利益を被る可能性があるため、今回はこのような姿勢で対応することにしたものと思いますが、消費者の目から見ると逆効果だと思います。
やはり、このような場合には積極的に正しい情報を開示して、消費者を安心させることが重要なのではないでしょうか。たとえば、最近、記憶に新しいのは、ナショナルの石油温風器があります。
一時期は、「本当にナショナルは大丈夫なのか?」とも思わせましたが、中盤以降は積極的な情報提供と調査を全面的にアピールして、結果としては、事故を発生させる前よりもナショナルの信頼度は上がったのではないでしょうか。「ここまでやるか」というあの対応にはさすがナショナルと感服しました。
ところでこのシンドラーエレベータ社というのは今まで聞いたことがありません。どんな会社かも調べてみました。トップページは実にシンプルな構成です。そこから事故の謝罪文書へのリンクがあり、クリックしてみると、謝罪文と捜査の妨げになるので経緯はあかせられないという文章でした。
あくまでもこの態度で一貫して通そうとしているようです。1874年創業で、エスカレータと動く歩道の分野では世界一位、そしてエレベータでは世界二位のシェアを持っているそうです。私が聞いたことが無いだけで、世界的に見るとメジャーな会社のようです。とすれば、なおさら、今回の対応は残念でなりませんでした。
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