ソフトバンクが携帯電話の新しい料金プランを発表しました。宣伝文句は2880円で通話定額ということで、無茶苦茶に安い印象を受けます。ついにソフトバンクがやったか!という感じです。しかも新しい料金プランの愛称は「予想外割」とセンショーナルな名前をつけています。
でも実はそんなに話しはうまくないようです。この通話料無料の対象範囲は同じソフトバンクの携帯電話同士の通話に限定されたり、他に必須加入オプションがあったり、ある一定の時間帯に電話をすると、一定時間を過ぎると30秒ごとに課金されてしまったりと、2880円で通話定額というのには厳しい料金体系であるようです。そのほかにも色々な仕組みがあるようで、詳しくは下記のサイトが詳しいです。
ソフトバンク・ゴールドプランの落とし穴 by WILLCOM NEWS
このようなセンセーショナルな発表で利用者を一気に勧誘するというやり方、実はYahoo!-BBのときもそうでした。無茶苦茶に安い料金プランで急にADSL業界へ参入してきたときには本当に驚きました。私はこのとき、NTT東日本のフレッツADSLに申し込みをしていたのですが、なかなか工事ができなかったので、ついついNTT東日本の方はキャンセルして、Yahoo!-BBに申し込みをしなおしました。
しかし、相当な申し込みが集中したらしく、色々な不手際もあり、サービス対象地域が展開されるのには時間がかかってしまい、結局私はフレッツADSLに加入しその後「Bフレッツ」に今に至っています。
今度は既に携帯委電話事業の基盤は整っているので、Yahoo!-BBのときのような心配はないかと思いますが、ちょっと不思議な料金プランではあるので、どの程度のユーザーがソフトバンクに移行するかというところが今後の注目点になるでしょう。
(2006/10/29追記)
今回はソフトバンクの携帯電話に関する基盤はできているので、Yahoo-BB!のときのような混乱は発生しないだろうと思っていたのですが、他社からソフトバンクおよびソフトバンクから他社に乗換をするために必要なソフトバンクシステムのMNPシステムに問題が発生していて現在は乗換ができないという報道がありました。
★ソフトバンクのMNPシステムに障害、ドコモやauに乗換え不可
ソフトウエアの不具合が見つかったのでしょうか。ソフトバンクでは下記のように案内されています。今日からは通常通りに乗り換えに必要な業務を再開するようです。
誠に申し訳ございませんが、新料金プラン好評につき、多くのお客さまの申し込みが殺到したため、弊社登録センターでのMNPを含む全登録業務を停止させて頂いております。
お客様にご迷惑をお掛けしておりますことを、深くお詫び申し上げます。
明日は全登録業務を通常通り行いますので、何卒ご了承を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。
(2006/10/29追記)
今日は朝からソフトバンクモバイルではMNPの受付を行ったようですが、やはり今日の午後には申し込みの受付をストップしてしまったようです。ソフトバンク側の発表では「新料金プラン好評につき申込者が殺到」ということになっていたのですが、NTTドコモ側の発表では下記のようになっています。
平素は、弊社のサービス・商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。
昨日10月28日に引き続き、ソフトバンクモバイル社(以下、SBM社)から弊社へ移転されるお客様の増加に伴い、SBM社のシステム処理遅延障害が発生したため、弊社携帯電話へのMNP受付を停止しております。また、弊社からSBM社へのMNP受付につきましても現在停止しております。
現在弊社からSBM社へ厳重な抗議を行い、システム回復に向けた早期対策と、抜本的な対応を求めています。今後につきましては、SBM社のシステム回復を確認のうえ、受付を再開することといたします。
NTTドコモの発表ではソフトバンクからの客離れが大量に発生していることを示しています。NTTドコモがあえて嘘のニュースリリースを出すことは考えにくいので、やはりソフトバンクモバイルから他の会社へ移行している人が多いということなのでしょうか。同様にAUの発表も下記の通りです。
平素は、弊社サービス・商品をご利用いただき。誠にありがとうございます。
昨日10月28日に引き続き、ソフトバンクモバイル社(以下、SBM)から弊社へ移転されるお客様の増加に伴い、SBM社のシステム処理遅延障害が発生したため、弊社携帯電話へのMNP受付を停止しております。また、弊社からSBM社へのMNP受付につきましても現在停止しております。
現在弊社からSBM社へ厳重な抗議を行い、システム回復に向けた早期対策と抜本的な対応を求めています。今後につきましては、SBM社のシステム回復を確認のうえ、受付を再開することといたします。
KDDI au: auからのお知らせ一覧
このAuの発表ですがドコモの発表と全く同じ内容です。NTTドコモとauで連携しているのでしょうか。また、この二社は29日、ソフトバンクモバイルに対し「システムの信頼性に疑念を抱いている」として、原因究明や抜本的な対策の実施を連名で申し入れています。しかもドコモの発表は「弊社へ移転されるお客様の増加に伴い・・」という部分が太線&アンダーライン付きになっています。ソフトバンクのやり方にはNTTドコモは相当頭に来ている感じがします。
ブログを検索してソフトバンクの利用者の気持ちを探ってみました。最初に見つかったのが下記の記事です。今回の新しい料金プランは新規加入者が対象で今までソフトバンクモバイルの携帯電話を愛用していたユーザーは一旦契約を解除してまた新規加入しない限りは「無料」のサービスを使えないとのことです。これでは確かに客離れが起こっても仕方がありません。
★Yahoo!ブログ – R・T・R
また、旧「ハッピーボーナス」という契約をしている人は2年間の契約でそれ時点前の解約をすると1万円以上の違約金を取られてしまうそうです。そこで下記のサイトの方は冷静に値段の分析をして、現在よりも安くなる契約方法を見つけサイトから申し込みをしようとしたところ、店頭に来て手続きをするようにメッセージが出力されたそうです。この記事を見ていると安いプランに移行されるのを少しでも阻止しているようにも見えてしまいます。
★LIFE|LIFE D|Naoki’s Web
下記のサイトではボーダホン時代のサービスで通話の状況があまりよろしくなかったということを書かれています。MNPを待たずにNTTドコモに移行してしまったそうです。
★マイペースで行こう♪ | MNPドタバタしてますね
ほかにも電波の状態に不満があり、MNPを機会に移行した方もいました。
★Yahoo!ブログ – 趣味と家族どっちが大事なの。
Yahoo!ブログサーチで検索をしても、ソフトバンクモバイルへ移行したという人の記事を見つけることができませんでした。この先、どのような形でMNP騒動は収束していくのでしょう。
(2006/11/01追記)
ソフトバンクは公正取引委員会から2日間連続で今回の料金制度に関して事情を聞かれたようです。今回の宣伝では0円を大きく強調して、下の方に小さく注意書きが書かれているという消費者を欺くような宣伝でした。一昔前の生命保険のパンフレットを思い出してしまいました。
また、総務省の次官は「景品表示法などの法令をよく順守して事業を進めることが重要だ。そういう取り組みをぜひお願いしたい」と発言したようです。これらの動きを受けてソフトバンクでは広告を見直す方向で動いているそうです。しかし、この動きに釘をさすように公正取引委員会からは、「見直し以前に違法性があれば法的措置を取る考え」を示したようです。かなり厳しい判断だと思います。それだけ今回の広告には問題があると公取では認識しているのでしょう。
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