日経のIT-PLUSを読んでいると、東芝のノートパソコン全機種にHD-DVDドライブを搭載するという記事がありました。この夏以降に発売される量販型のダイナブックに順次搭載していき、全機種に対してHD-DVDドライブを搭載することになるようです。
東芝だけで全世界のノートパソコンの販売台数は年間600万台に達するので、HD-DVDドライブを搭載したパソコンの数が相当数増えることになりそうです。
どちらかといえば、東芝はマイクロソフトやINTELも仲間にして、パソコンの分野でHD-DVDドライブの普及に力を入れる戦略であるように見えます。(参考記事:ウィンテル連合、HD DVD陣営に加勢–一気に形勢傾くか:ニュース – CNET Japan)
また、東芝はDVDレコーダーの分野でもHD-DVDの普及に力を入れています。こちらはもしかすると、HD-DVDの普及の起爆剤になる要素を含んでいるのではないかと思います。(東芝からデジタルW録対応のHD DVD VARDIA RD-A600/A300 – Engadget Japanese)
実際のところ、ノートパソコンにHD-DVDドライブが搭載されたとして、HD-DVDの普及に弾みが付くのか否か微妙なところもありそうな気がします。ノートパソコンで映画などを見るために、あえて高画質なHD-DVDソフトを購入してきて再生するということはあまりなさそうな気がします。やはり、大画面テレビに接続したDVDプレーヤーで次世代DVDソフトを再生するという使い方が一般的なのではないでしょうか。
とすれば、据え置き型のHD-DVDプレーヤーを普及価格帯まで早く値下げしていくのが普及の鍵になるのではないかと思います。楽天市場で探してみると、現在のHD-DVDプレーヤーの最安値は43474円でした。まだまだ高い印象があります。
据え置き型のDVDプレーヤーが4万円台ということはブルーレイディスクであればプレイステーション3を購入することができます。
ほぼ同じ値段であれば、プレイステーション3を買ってしまう消費者も多いのではないでしょうか。逆に300GBのハードディスクが付いたHD-DVD付きのDVDレコーダーが15万円程度であれば何となくお買い得感があるような気がします。
全てのノートパソコンにHD-DVDドライブを搭載すると発表したことから考えると、HD-DVDドライブを安く量産できる目処がたったのかもしれません。とすれば、HD-DVDの単体据え置き型DVDプレーヤーについても今後は低価格化に拍車がかかる可能性があります。本格的に普及を始めるとすれば、プレーヤー本体が1万円台になったころでしょうか。ブルーレイとHD-DVDの勝負はまだ圧倒的な差は出ていないようなので、これからが勝負になるのでしょう。
【2012/08/23追記】
結局、HD-DVDは撤退が決まり、現在では製品が販売されなくなってしまいました。ブルーレイディスクに負けてしまった形です。
☆「ブルーレイ」が優位に
☆東芝がHD-DVDから撤退するかもしれない
☆Xbox360用のHD-DVDプレーヤーが投げ売り
☆HD-DVD陣営が解散
このようにメーカーは規格を乱立して、負けた会社が規格を畳んでしまうのは、結局は消費者にとって不利益になってしまいます。コンパクトディスクのように製品を発売する前に規格をきちんと統一してから製品を発売して欲しいと思います。
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