ソニーから11インチ型の有機ELテレビがソニーから発売される予定です。有機ELのELとはエレクトロ・ルミネッセンスの略で、どちらかというと発光ダイオード(LED)の原理に近い方式で発光する仕組みになっているようです。
ガラス基板の間にはさみこんだ有機化合物に電流を流すと発光するという原理を使用しています。
有機ELに関しての説明はWikipediaの説明が非常に詳細に書かれています。
ディスプレイとしてできあがったものはあまり見た目に違いがあるわけではないですが、発光の原理からすると、すでに商品化されている液晶、プラズマなどの方式とは根本的に違う方式になります。
この有機ELについてはほかにも素晴らしい特徴があります。今度、ソニーが商品化する11インチのテレビでも、画面の部分の厚みを僅か3ミリにまで薄くすることが出来る点です。
プラズマテレビや液晶テレビの画面に使われている部材は小型テレビに使われているものでも1cm程度の厚さがあるようですが、この有機ELの3ミリというのはかなり大きなアドバンテージになるものと思われます。
さらに、液晶テレビでは液晶自体に光る性質は無いので、液晶の後ろ側からバックライトで照らし出すという方式がとられています。従って、画面の明るさの強弱、コントラストを大きくとることが難しいという欠点が液晶にはあります。
逆に有機ELはプラズマと同じように素子そのものが光るので、コントラストをあげやすいというメリットがあります。(コントラスト比100万対1にできるという記事がありました→ITmedia +D LifeStyle:ソニーのディスプレイ切り札「有機EL」――コントラスト比100万対1の秘密)
この有機ELについてはすでにポータブルオーディオプレーヤーのディスプレイなど小さな画面に対してはすでに商品化されてきています。しかし、大型の画面にするのが現在の技術ではまだ難しいようで、今回もソニーからの商品は11インチという小型のディスプレイということになりました。10インチ程度のパネルであれば量産化のめどが付いたということになります。
ソニーでは27インチのテレビも試作は完了しています。とすれば、この20インチ台についても技術的にはすでに可能な領域に達しているわけで、量産技術と低価格化の難問をクリアできれば商品が発売されてくるのではないかと思います。
ソニーとしては液晶のようにサムスンとの合弁会社で価格競争に巻き込まれながら液晶テレビを生産し続けるという泥沼的な戦いからは早く脱却して、有機ELのような技術で他社との差別化を図り、高品質な製品を世の中に出していきたいというのが本音のところだと思います。以前はソニーのテレビといえば絶大的な信頼がありました。
特にトリニトロン技術はブラウン管型テレビの中では画期的と言って良いほどの技術だったと思います。他社が球面体の一部を切り取ったような形のブラウン管だったのに対して、ソニーのトリニトロン技術は円錐の一部を切り取ったような形になっており、左右には丸みを帯びるものの上下には丸みを帯びずに、画質もクッキリとしている特徴がありました。
いつもソニーのテレビは他社のテレビと比べても高めの価格設定がされていて、高嶺の花といったところでした。有機ELで量産化に目処が立てば、ソニーはまた当時のような力を身につけることになると思います。今後の技術進歩が楽しみなところです。
コメント
SONYから有機ELテレビが発売へ
今年の6月19日にも紹介「(有機ELテレビが発売される)」した有機ELテレビですが、いよいよSONYが発売に向けての詳細な商品の発表を実施しました。 …