ダイナミックDNSサービスというものをご存じでしょうか。プロバイダやレンタルサーバーなどからホームページやブログを公開するスペースを借りるときには必要ありませんが、自宅にサーバーを置いてADSLやBフレッツなどを使ってホームページやブログを公開するときには、このダイナミックDNSサービスを使用する必要があります。
自宅サーバー
私も3年ほど前までは自宅にサーバーを立てて、ホームページやブログを公開していました。当時はまだ、プロバイダから借りられるホームページスペースが非常に小さかったこと、およびレンタルサーバーなどを借りるのには非常に料金が高かったため、苦肉の策として自宅にサーバーを立てていました。
サーバーを立てるというと何だかとても大変なことをやるようにも見えるのですが、単純にパソコンを24時間、動作させっぱなしにしておくだけです。24時間稼働になってしまうため、五月蠅いですし電気代もかかります。しかし、当時でも数十GBのハードディスクをホームページスペースとして使用できるのはなかなかの魅力でした。
ふつう、ADSLやBフレッツなどを使って、プロバイダと契約してインターネットを楽しむ場合には、自分のグローバルIPアドレスは原則として専用のIPアドレスが払い出されるわけではなく、切断や接続を繰り返すと、毎回違うIPアドレスが払い出される場合が多いです。このIPアドレスが変わってしまうと、外から自宅サーバーにアクセスする場合は毎回違うIPアドレスを指定する必要性が生じてしまいます。これでは実用的ではありませんので、そこで考え出されたのがダイナミックDNSというサービスです。
ダイナミックDNSサービスを使用すると、まずは自分専用のサブドメイン名が払い出されます。私が選んだサービスはZIVEというサービスで、なぜここを選んだかというと、日本語が使えること、そして毎月の使用料金が無料であったこと、比較的サービスが安定しているようだったことによります。私が取得したサブドメイン名はwweb、そして外からアクセスするときのフルのurlは、「http://wweb.zive.net/」というURLでした。
そして、サーバーに使用しているパソコンにDiCEというソフトウエアをインストールします。このソフトをインストールすると、グローバルIPアドレスが変わったことを自動的に検知して、ダイナミックDNSサービスの運営会社に通知をしてくれるサービスです。これにより、常にダイナミックDNS運営サービス会社では自分のサブドメインと新しいIPアドレスを常にひもづけて管理してくれているので、どこにいても、常に自分のドメイン名でアクセスすると自分のサイトを見ることが出来るという仕組みになっています。
このような接続形態でどの程度、ホームページを運営していたでしょうか、約3~4年は運用していたのではないかと思います。グーグルのページランクも上がって、サイトへのアクセス件数もかなり増えてきていたのですが、そこにziveから非常に残念なニュースが飛び込んできました。ziveのサービスが有償化されるという案内です。ziveの有償化は2005年5月1日からです。今から2年少し前ですね。
さくらインターネット
これを機にダイナミックDNSサービスをこれ以上使用することをやめにして、レンタルサーバーと契約をすることにしました。このときに選択したのが「さくらインターネット」という会社のサービスです。今でも、さくらインターネットのサービスは活用をしていますが、安定しているサービスで非常に気に入って使っています。
また、自分専用のドメインも、このさくらインターネットで取得しました。ドメインを一つとっておくと、自分でサブドメインを自由に追加していくことができます。これも便利です。そして、独自ドメインにコンテンツを載せ替えて新しいサーバー上で公開を開始しました。
ここで目を覆いたくなるようなことが発生しました。実績の無いドメイン名を使ったことにより、アクセス件数が激減してしまったのです。もとのURLからもきちんと自動転送するように設定をしたのですが、散々な結果になってしまいました。やはり、サイトの引っ越しをするときには最大限の注意をしないといけないようです。アフィリエイトの収入なども激減してしまったので、このときはケチケチしないで、ZIVEの有償サービスを使い続けていれば良かったと、相当に後悔していました。
それから2年が経ち、独自ドメインの方でもそれなりにアクセス件数が復活してきました。昔、ダイナミックDNSで運営していたときほどではありませんが、当時の2/3程度のアクセス件数は確保できてきたのではないかと思います。そんなときに今回のZIVEの有償サービス終了通知でした。もはや、自宅サーバーそのものがあまり流行らなくなってきているような気がします。
というのも、レンタルサーバーの値段が相当安くなってきているためです。私が入っている「さくらインターネット」でも、1年間に1万5000円ほどの金額を払えば、3GBもの容量を借りることができます。1万5000円というと高いような気もするかもしれませんが、もしも普通のデスクトップパソコンを24時間運転をし続けると、1ヶ月で1000円くらいの電気代がかかるので、レンタルサーバーを借りてもどっこいどっこいという勘定になると思います。こんな自宅サーバー離れもあって利用者が減ってきていることも、ZIVEがサービスの終了を判断するときの材料の一つになっているのではないかと予想をしています。
当時、ZIVEの有償サービスに乗り換えていたとしても、今になって別のURLに乗り換える必要が生じてきていたことになりますので、早めに乗り換えておいて良かったということなのでしょう。
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