最近、本屋さんの店頭などで、1950年前後以前の名作映画が収録されたDVDが格安価格で販売されています。数年前までは3000円程度で販売されていたものが、なぜこんなに安くなったのでしょう。
お店にもよりますが販売価格は500円から1000円くらいでしょうか。100円ショップのダイソーでは315円という価格で映画のDVDが売られていることもあります。
このような激安なDVDが販売されている背景には著作権に関する解釈によるところです。激安DVDを販売しているサイドでは、「著作権の保護期間は公開後50年間」という根拠をもとに該当の映画は著作権が切れているという判断で名作映画の販売をしています。
しかし、今回は「著作権の保護期間は著作者の死後38年間」という部分を根拠に映画監督である黒沢監督も著作者という解釈で、2036年までは黒沢監督作品の著作権は存続すると主張しています。
今回の東京地裁の判決は2036年までは黒沢監督作品の著作権は存続するという東宝と角川映画の主張を認めた判決になっています。
この判決では黒沢監督作品のうち、東宝の作品「姿三四郎」、「生きる」など8作品、そして角川映画の作品が「羅生門」など2作品が販売差し止めになった格好になります。
もしも、監督が著作者ということになってしまうと、現在売られている廉価版DVDのうち7割程度のDVDは売ることが出来なくなってしまうといいます。非常に残念なことだと思います。
【2024年1月24日追記】
2024年のDVD販売事情
この記事を公開してから17年が経過しました。黒澤明監督の「生きる」が現在はどうなっているのかを調べてみました。安価に販売されているDVDと高価なDVDの二種類がありました。安価な方は東宝DVD名作コレクションという名前が付いています。
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