今日の日経新聞朝刊のトップ記事は日立製作所がパソコンの生産から完全撤退するという記事でした。既に業務用のパソコン「フローラ」についてはヒューレットパッカード社(hp)からのOEMで商品を販売していたようですが、それ以外の家庭用パソコンについても生産から撤退してしまいます。
すでにパソコンの市場ではアメリカのデル、hp、中国のレノボ、台湾の宏碁(エイサー)の4社で全世界のパソコンのシェアの5割近くを握ってしまっていて、それ以外のメーカーではなかなか量でカバーすることができずに、採算が合わなくなってきてしまったことが大きな原因であるようです。
家庭用パソコンのブランドはPrius
日立の家庭用パソコンのブランドは「プリウス」になります。(→Prius World : 日立 (hitachi.co.jp))
このプリウスに相当するパソコンに関しては、「家庭用パソコンからは完全に撤退することになる」と書かれていたので、別会社で生産している製品をOEMで売るようなこともせずに、完全にプリウスブランドは無くなってしまうようです。
日立はIBMから買収したハードディスク事業でもかなりの苦戦を強いられています。家庭用パソコンの生産台数は少なかったとはいえ、パソコンの生産から完全に撤退してしまっては、自社で生産するハードディスクを使用する機器が減ってしまうことにもなりますので、少し心配なニュースではあります。
【2024年9月27日追記】
撤退後の動き
2007年10月23日に日立製作所が一般家庭用パソコン事業からの撤退を表明して以降、サポート体制を残したままで、生産と新機種の開発を終了しました。2013年には点検・修理サービスなどを終了、2014年にはメールサポートも終了しています。
以降、日立製作所では家庭用パソコンの販売には携わっていません。海外で安いパソコンが量販されるようになったので、日立製作所がそのまま勝負をしていても採算が取れる事業にはなれなかったと思いますので、当時の決断は合っていたということになるのだと思います。
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