今年の6月19日にも紹介「(有機ELテレビが発売される)」した有機ELテレビですが、いよいよSONYが発売に向けての詳細な商品の発表を実施しました。
テレビに有機ELを用いた製品は、今回のSONYの製品が初めてになるそうです。SONYとしては既に有機ELについて十数年にわたり研究開発を続けてきたということですので、かなり今回の発表については気合いが入っていると思います。
今回発表された有機ELテレビ「XEL-1」については、公式ページはこちら(ソニー製品情報 | 有機ELテレビ)になります。こちらのサイトでも昨日までは何の商品を紹介しているページか判りませんでしたが、今日の正式な発表とともに製品が姿を現しました。(昨日までもHTMLのソースを見ると有機ELテレビの紹介ページであることは判ったそうです)
最大の特徴は、有機ELは自分自身が発光しバックライトが不要であるため、モニターそのものを、とても薄く設計できることです。
ソニーは、世界初※1の有機ELテレビ「XEL-1」を発売します。「XEL-1」は、11V型で最薄部約3mmという、新しいテレビの形を提案します。さらに、コントラスト比、ピーク輝度、色再現性、動画性能の全てにおいて優れた性能を実現する自社開発有機ELパネル「オーガニックパネル」※2を搭載し、未体験の美しい映像を表現します。
※1:
2007年10月1日現在、ソニー調べ
※2:
ソニーの有機ELパネルのデバイス名称
今回のXEL-1については、もっとも薄いところでは厚さが3mmしかありません。これは、壁掛けテレビなどを手軽に実現するためには、非常に重要な一歩だと思います。また同時に、有機ELそのものが光るという特徴から、コントラストを高くすることができ、ダイナミックな映像表現をできるというところも特徴にあげられます。
また、応答速度が液晶パネルの1000倍とのことですので、動きの速い場面を見ても、映像がぶれたり、にじんだりするような心配がありません。これも液晶と比較すると大きな一歩だと思います。しかも、同じ11インチの液晶テレビと比較するとパネル自身の消費電力が40%減になっていて環境にも優しいというのが売り言葉です。
反面、有機ELテレビにはデメリットも今のところはあります。今回発表になったテレビは11インチのテレビで値段は何と20万円になります。普通の液晶テレビであれば11インチのテレビならば5万円以下でも買えそうなので、相当、値段は高いということができそうです。まだ、量産効果に結びついていないところが価格増につながっている原因だと思いますので、生産技術が上がり、大量生産が可能になってくると、徐々に値段は下がるのではないかと思います。
今回の商品は月産2000台を計画しているということから考えても、たくさん売ろうとしているわけではなく、あくまでも有機ELテレビの商品化を一番に実施したこと、および有機ELテレビの映像を早く消費者に見て貰いたかったというところがあったのでしょう。
また、有機ELのパネルの寿命も液晶テレビの寿命の約半分で、1日8時間の使用頻度だと10年で寿命になるそうです。現在は、液晶に比較するとちょっと見劣りがしてしまいますが、今後の研究開発で弱点は徐々に克服されていくのではないでしょうか。もしかすると、現在のプラズマや液晶といった技術を一気に抜き去る可能性のある技術の一つだと思います。どんなにスゴイ映像なのか、実際に電気屋で有機ELテレビの映像を見てみたいと思います。
コメント