アメリカのマイクロソフトは今年の2月1日に突然、アメリカのヤフーに買収提案をしたという発表して、かなりの騒ぎになりました。この発表を受けて、あまり米国ヤフーの支配下にない日本のヤフーの株価まで上がってしまっていました。
ところがこの5月3日にマイクロソフトはヤフーの買収提案を取り下げたことを認めました。マイクロソフトからは1月末にヤフーに対して総額で446億ドル(約4兆7000億円)の買収額を提示していました。また、直近の交渉ではマイクロソフトはさらに50億ドルの引き上げも提案しましたが、より好条件を求めるヤフーとの交渉が決裂してしまいました。各報道機関が一斉に記事にしています。
★Microsoft、Yahoo!買収を断念
★【速報】Microsoft,Yahoo!への買収提案を撤回:ITpro
★MicrosoftのYahoo!買収提案、3カ月で幕 – ITmedia News
マイクロソフトとしてはインターネット事業でも強力な立場を築きたいため、今回のヤフーの買収に関してはとても積極的でした。
しかし、現在の提示額以上の買収金額をさらに上積みして提示することになってしまうとマイクロソフトにとって経営への大きな負担になることと、このまま敵対的な買収に移行してしまうと、ヤフーに現在在籍している優秀なエンジニアがヤフーを捨てて流出してしまう事態も想定されて買収のメリットがなくなってしまうと判断し、今回の買収断念の発表にいたった模様です。
マイクロソフトとしてはインターネット関連分野への進出が必ずしも進んでいないので、この機会にヤフーを買収して進出の加速をさらに上げたい意向だったと思いますが、今回の買収断念によって、どんな戦略で今後の経営を進めていくのか興味深いところです。
(2008/05/06追記)
今日のロイターの報道によると、ドイツのフランクフルト市場に上場する米ヤフーの株価が5日の朝方に17%以上下落したと報じています。17%というと、かなりの下落幅です。
現在の日本のヤフーの株価は47250円、同率で株価が低下するとしたら、39217円まで株価が下がってしまうことになります。実際、マイクロソフトがヤフーを買収する発表する直前、1月末頃のヤフーの株価は4万円を切っていました。
その後、株式市場全体が持ち直しているので、ここまで落ちることは無いのかもしれませんが、明日朝の東京証券取引所におけるヤフーの株価の動きが気になります。
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