十数年ほど前までは年賀状作りには欠かすことが出来なかったプリントゴッコですが、パソコンとプリンタの進化、低価格化によって、もうほとんど見なくなってしまいました。最近の子どもに、プリントゴッコと言っても通じないのではないでしょうか。
プリントゴッコはもともとは理想科学工業が1977年に発売された商品です。自分で原稿を作って、原盤に「ピカッ」とやって原稿を転写して、原盤の上にインクを盛って、ぺたんぺたんと年賀状を印刷していきます。説明書を見ながらやれば、そんなに苦労せずにたくさんの年賀状を作成できるので、当時はそれなりに便利なものでした。累計販売台数は1000万台にも及ぶそうです。かなりの家庭に普及していたことが判ります。
しかし、インクジェットプリンタの性能がどんどん良くなって、まるで写真のような印刷も1万円ほどのプリンタで出来るようになってくると、年賀状はパソコンとプリンタで作る人がドンドン増えてきます。私自身もかなり初期の段階からプリントゴッコでは年賀状を作らないようになってパソコンを使った印刷に切り替えてしまいました。1990年代くらいからはプリントゴッコの販売数が著しく落ちてしまったそうです。販売台数では1987年に72万台売れたのがピークだったそうです。
また、ニュースサイトによっては、単にパソコンで年賀状を作る人が増えただけではなく、電子メールを年賀状代わりに出す人も増えてきて、年賀状文化が廃れてきたことも、プリントゴッコの 販売台数が減ってしまったことの原因ではないかと分析していました。確かにその通りだと思います。
プリントゴッコを捨ててはいないような気がするので、まだもしかすると、物置の奥の方を探してみると、プリントゴッコがどこからか出てくるかもしれません。
今回、6月30日でプリントゴッコの本体は販売が完了しますが、ランプやインクといった消耗品については、まだ当面、販売を続けるそうです。
今回のこの発表を受けて、理想科学工業の株価がどのように推移しているか確認してみました。すると、今日は株式市場全体が上向いたことにも影響されているかもしれませんが、株価が0.72%上がっていました。大きく株価が下げなかったところから見ると、既に市場は織り込み済みだったということになるのでしょう。
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