今日は「ぐるっとパス2008」の期限が切れる直前だったので、府中にある郷土の森博物館に行くことにしました。この郷土の森美術館に行くためにはどうすれば良いのか、公式サイト(交通アクセス | 府中市郷土の森博物館[府中文化Net])を見てみると、西武多摩川線の是政駅から徒歩20分と書かれています。今まで、西武多摩川線に全線を通して乗ったことがなかったので、この機会に始発の武蔵境から終点の是政まで乗ってみることにしました。
他の西武線と接続駅なし
この西武多摩川線は、ほかの西武線とは全く独立した場所を走っていて、他の西武線への乗換駅が無いという変わった路線です。位置づけ的にはJR中央線の支線のようにすら見えます。Wikipediaなどを調べてみると、西武多摩川線は1917年10月22日に多摩鉄道によって境(現、武蔵境)と北多磨(現、白糸台)の間で開通しました。また、その後は1919年6月1日に常久(現、競艇場前)、1922年6月20日に是政まで延長されて今の路線になっています。もともとは、多摩川にある砂利を採掘して輸送するための鉄道です。また、戦中には中島飛行機の工場引き込み線もあったそうです。しかし、1967年には貨物輸送を廃止して旅客輸送に専念するようになりました。
武蔵境が中央線が高架駅に
中央線で武蔵境駅に着いてみると、なんだか今までの印象と違います。昔は地上の島式ホームに、高尾方面行きの中央線から西武多摩川線への乗り換えは同じホーム上で乗り換えることができて非常に便利だったのですが、なぜかJR中央線の下り線が高架化されたのにあわせて、西武多摩川線の線路までもが高架化されていました。
しかも、中央線から西武多摩川線に乗り換えるためには、いったん、階段を下りた上に南口から改札の外に出て、また西武多摩川線の改札から中に入り、高架上のホームに行くという効率の悪さです。今は工事中なので乗り換えがとても不便なだけで、工事が終わればまた乗り換えは非常に簡単になるということならば良いのですが、どうなることでしょう。
西武多摩川線のホームに着くと、すでに電車が着いていました。子供連れだったので、一番先頭の運転室の後ろにある席を陣取ります。ここからは電車でGoさながらに、本当に前がよく見えます。
発車
やがて列車は発車しました。運転手さんが車内放送をしつつ、ドアの開閉をしています。運転席から立ち上がらなければいけないので、バスの運転手さんよりも忙しそうに見えます。西武多摩川線は武蔵境駅から是政駅まで全線が単線になっています。こんなに都心から近いところで単線の鉄道があるというのにも驚きます。武蔵境駅を出てしばらく走っていくと下の写真のような雰囲気になりました。
やがて電車は新小金井駅に着きます。こちらの駅は連雀通りと西武多摩川線が交わるところの近くに駅があります。この駅では下り電車と上り電車がすれ違うことができます。
そして、新小金井駅を発車した電車はさらに南西方向へと走っていきます。なぜか、架線の上にはかなり大きな鉄塔があって電線がいっぱいあります。どんな意味があるのでしょう。
多磨駅へ
そして、東八道路の上を渡って、さらに走っていくと、列車は多磨駅に着きました。ここでも列車がすれ違うことができます。この駅の北西方向には東京都立多磨霊園があります。また、北側の東八道路沿いには警視庁府中運転免許試験場があります。さらに、南の方角に広がる旧在日米軍関東村跡地には東京外国語大学や味の素スタジアムといった施設ができています。調布飛行場もこの多磨駅が最寄り駅になりますが、ここから歩くと30分もかかるそうです。この多磨駅ではほかの駅と比較すると乗降客の数が多かったようです。
多磨駅を過ぎると、今度は列車は白糸台駅に着きます。ここからは京王線に乗り換えられるそうです。京王線に「白糸台」という駅はあったかな?と思って調べてみると、武蔵野台駅と多磨霊園駅に歩いていくことができるそうです。中央線の各駅から京王線の駅までバスに乗っていくと、渋滞や信号待ちなども加わってかなりの時間がかかりますが、こうやって鉄道に乗って縦断すると、すぐに京王線まで行くことが出来るのは、やはり列車の有利性を感じます。
そして列車は競艇場前駅へと着きます。この駅では電車がすれ違うことができる設備はありません。ホームは残っているのですが、終点駅に近く使う機会が少ないということで、バリアフリー化の工事のときに線路をはがしてしまったようです。ここはその名の通り、多摩川競艇場の最寄り駅になります。多摩川競艇場は砂利を採掘していたところを使って開設された施設になります。列車の車内にはスポーツ新聞を持った人がたくさん乗っていたので、当然、この駅で降りるのだろうと思っていたのですが、ほとんど降りる人はいませんでした。この先の是政駅から東京競馬場に行く人が多かったようです。ちなみに是政駅から東京競馬場までは徒歩で約10分、中央自動車道をくぐったところに南門があります。今回は東京競馬場から是政駅まで歩いてみましたが、道をクネクネと曲がらなければいけず、少々分かりにくかったです。
是政駅到着
最後に列車は終点の是政駅に着きました。本当に線路がブツッと終わっているのが印象的です。改札口はPasmoに対応した機械ではなく有人改札になっているのですが、手前に「ピッ」とふれると駅員さんが確認できるようになっている装置が設置されていました。駅から外に出てみると、府中郷土の森博物館に行くための案内板がありましたので、この標識を頭に入れて、郷土の森博物館を目指しました。
是政駅からすぐのところには、多摩川にかかる大きな是政橋が見えました。この是政橋を渡って向こう側に行くと、南武線の南多摩駅があります。私たちは橋を渡らずに、多摩川沿いの遊歩道を上流へと歩いていきました。南武線の高架下をくぐってさらに歩いていくと、府中いこいの森が見えてきます。そして、そこからさらに歩いていくと、府中郷土の森博物館に着きました。
【2021/06/11追記】
サイクルトレインの実証実験
西武多摩川線で自転車を折りたたまずに車内に持ち込める「西武多摩川線サイクルトレイン」の実証実験が7月1日から3ヶ月間実施することが発表されました。
武蔵境駅から是政駅の西武多摩川線の全線で実施されますが、多磨駅での乗降はできません。
時間は朝夕のラッシュ時間帯などは実施されていませんので詳しくは西武鉄道の公式サイトで確認してください。持ち込み可能台数は一人一台まで、持ち込み料金は無料、持ち込める車両は武蔵境駅よりの一両、1両あたり8台までの自転車を持ち込めます。中学生以上が対象であり、小学生以下は保護者の同伴が必要です。
8台を超えた場合は次の列車を待つ形になります。
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