京王線の芦花公園駅の近くに世田谷文学館という施設があります。あまり文学には興味がないのでこの施設には行ったことがなかったのですが、現在、企画展として期間限定で「宮脇俊三と鉄道紀行展」というものをやっているということを目にしたので、さっそく行ってきました。
- 期間:2008年7月12日(土)~9月15日(月・祝)
- 開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
- 休館日:月曜日(ただし7月21日は開館、翌22日は休館)
- 観覧料:一般500円、大・高生300円、中・小生200円、65歳以上・障害者250円
主な展示内容
- 代表作の執筆原稿
- 取材ノート
- 挿図原稿として自ら描いた路線図・時刻表
- 初公開となる資料
関連イベント
- トークショー
- シンポジウム
- ワークショップ
宮脇俊三さん
宮脇俊三さんは中央公論社で編集の仕事をしていた人で、常務取締役まで上り詰めた人でもあります。しかし、その後は鉄道関係の著作を世の中に発表しています。最初に発表した作品は1978年に出版された「時刻表2万キロ」になります。
そのほか、最長片道切符の旅、汽車旅12カ月、日本鉄道旅行地図帳、全国縦断鉄道の旅などを執筆されています。
この1978年というのは山口百恵が「いい日旅立ち」という曲を発表した年でもあり、国鉄も盛んに宣伝を繰り返している頃でもありました。
いい日旅立ちの秘話
ちなみに「いい日旅立ち」というタイトルは日本旅行と日立製作所が協賛しているのですが、この2社の名前の略称が感謝の気持として含まれています。このタイトルが先に決まっていて谷村新司にテーマ曲の作詞作曲が依頼されました。日立製作所は国鉄とは関係なさそうですが鉄道車両の製造では国内最大手なのだそうです。谷村さんは「いい日旅立ち」という言葉をとても気に入ってそのまま曲のタイトルにしました。
1980年からは10年間にわたって「いい旅チャレンジ20,000km」というキャンペーンも国鉄により実施されました。Wikipediaによれば、このキャンペーン自体、宮脇俊三さんの時刻表2万キロにちなんでキャンペーンが考案されたのではないかと書かれています。当時、国鉄の路線は営業キロが20,000km強で全部で242線区ありました。この国鉄全鉄道路線の完乗を目的のキャンペーンでした。私も応募用紙を入手しましたが、さすがに全線を完乗することは不可能であきらめたことを覚えています。
また、宮脇俊三さんは最近では廃線跡を題材にした作品を多く発表していました。JTBが発売している鉄道廃線跡を歩くシリーズは有名ではないでしょうか。私もこのシリーズは何冊か持っています。
でも、最近になってあまり続きが発売されなくなったなと思っていたところでした。
世田谷文学館
世田谷文学館はとても綺麗な建物です。
そして、入り口から中に入ると、受付の前に宮脇俊三さんが執筆された色々な本とか、鉄道関連のグッズが売られていました。真ん中の写真は1982年頃に撮影された銚子電気鉄道の電車の写真です。
受付で入場券を買います。単に入場券を購入するのもつまらないので、また、「ぐるっとパス2008」を購入してしまいました。今年の4月にも「ぐるっとパス2008」を購入(「東京・ミュージアム ぐるっとパス2008」はお得です)していたのですが、さんざん使いまくったあと、2ヶ月が経過して6月に期限切れで使えなくなってしまいました。今年2回目の購入になります。世田谷文学館では常設展が無料で企画展が割引になりました。
そして、チケットを貰ったあとに会場がある二階に向かいます。
会場に入ってみると、三連休の最終日ということもあってか、たくさんの人が展示を見入っていました。やはり鉄道好きな方が多かったような感じです。こちらの会場では自筆の取材ノート、代表作の執筆原稿などが所狭しと並べられていました。また、何カ所かでは、鉄道関係のDVDが放映されています。
編集者時代から鉄道2万キロを執筆した頃、そして最長片道切符の旅をしたとき、シベリア鉄道など海外の鉄道に目を向けたときなど、コーナーが色々分かれていて、全体としてなかなかの見応えです。こんな旅行ばっかりが出来る人生っていうのも良いなとうらやましくなってしまいます。
一通りの展示を見たあとに1階の常設展も見てみました。こちらは世田谷に住んでいた作家の皆さんを紹介するような形で展示がされています。また、1階の奥には喫茶店があるのですが、今回の企画展を記念して、こんなメニューを500円で準備していました。「玉電羊羹と招福最中にカテキン茶のセット」だそうです。玉電というのは東急玉川線の愛称で、1969年に廃止されるまで渋谷と二子多摩川園の間を運転されていました。玉川線が廃止されたあとには新玉川線が走っていましたが、現在は田園都市線が走っているところです。
コメント
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