3月28日から東京と大都市近郊区間を除く地方の高速道路料金が値下げされることが決まりました。普通車でETCを使っていると土日や祝日は上限料金が1000円になります。また、平日の昼間も3割引になります。また、東京湾アクアラインと本州四国連絡道路の料金に関しては先行して3月20日から休日の値下げをする方向だそうです。さらにETCシステムの新規購入者への助成(1台5250円)も3月12日から始まります。
1000円高速は便利でお得
うまく、東京、大都市近郊区間の高速道路を避けるように走れば、たとえば、東名高速道路の名古屋インターチェンジから東北道の仙台宮城インターチェンジまで北陸道などを経由して通常は1万4000円かかるのに対して、今回の政策により1000円で済むようになります。あくまでも今回は景気刺激対策の一環と言うことで、2年間の暫定措置にはなりますが、それでも2年間の間、これだけ高速料金が安くなるということは素晴らしいと思います。
一方で高速バスや鉄道などは今回の政策で打撃を受けることが予想されますが、特に最も大きな影響を受けるとされているのはフェリー業界になります。燃料費が安くなったほか、高速道路の料金まで安くなってしまっては、フェリーを使用するドライバーは激減する恐れがあります。既に名古屋-仙台-苫小牧の間で定期航路を運行している太平洋フェリーは3月から減便することを決めたそうです。特に輸送需要の少ない日曜日の出発便を3月1日から7月中旬にかけて全面休止することを決めたということは、かなり大胆な対策だと思います。
フェリー業界にとっては危機
諸費者にとってみると、今回の高速料金の値下げは歓迎すべき内容ですが、フェリー業界にとってみれば存続の危機になります。フェリーが無くなってしまっては、今回の高速道路値下げという時限措置が終わったあとに結局は消費者が困ることになるので、フェリーが値下げを出来るような政策をあわせてとって貰えればと思います。
今回の値下げが実行されると、高速道路の混雑がどの程度酷くなるのかが気になります。今までは一般道を走っていた自動車が高速道路にシフトしてくるでしょうし、また政府の狙い通りに新たな需要の喚起も出てくると思います。このとき、大都市近郊のインターチェンジなどは渋滞が酷くなるのではないかという気がします。2年間にも及ぶ値下げのため、一時期に集中する心配は無いかとは思いますが、どの程度の影響が出るかが気になるところです。
私自身はすでにラフェスタにはETC車載器を取り付けてあるので、今回の値下げが始まったら、毎週末、色々なところに行ってみたいと思っています。
(2009/03/14追記)
首都高を挟むときには注意
本来は首都高速道路などを挟んで最大1000円区間を利用した場合、首都高速の料金は別途徴収されて両端の1000円の区間はあわせて1000円分が徴収されるはずなのですが、料金徴収システムの改修が間に合わない影響で、1000円分を2回、2000円を徴収されてしまうそうです。4月下旬までにはシステムを改修して何とかゴールデンウイークまでには間に合わせる意向のようですが、このシステム改修が終わるまでは高速道路を使用するときには注意が必要です。
【2009/04/12追記】
高速道路の1000円上限制度が導入されたあとは、どんなに高速道路が混雑するかと少し恐れていたのですが、意外と心配していたほどの大渋滞は発生していないようです。実際にこの制度が導入されてから、中央自動車道、圏央道、関越道、上信越道、館山自動車道、京葉道などを走りましたが、毎週末に発生しているような渋滞にはあったものの、それ以上のとんでもない状況には遭遇せずに済んでいます。ETC車載器などを取り付けている方は今のところは高速道路をよく使用してきた人が多くて意外と今まであまり高速道路を使っていなかった人にまではETC車載器が行き届いていないのでしょうか。
今度のゴールデンウイークには相当高速道路が混雑するのではないかと噂されていますが、どういう状況になるかが気になります。
【2021年4月30日追記】
東日本大震災の発生と1000円高速の終了
2011年に東日本大震災が発生し、1000円高速の政策は終了となりました。1000円高速では本当にいろいろな場所に行かせてもらいました。
地震の発生により各地は信じられないほど大きな被害を受けたため、旅行よりも先に復興予算を確保しなければいけないため1000円高速は終了となりました。当然の優先順位だと思います。
ETCの休日割引や深夜割引といった制度は段階的に割引率の見直しが行われていますが今でも続いています。
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