新型インフルエンザが日本国内で蔓延することを防ぐために、すでに発症者が出ている国から来た飛行機を駐機させて感染者がいないかをチェックするという、いわゆる水際作戦を実施しています。
当初は水際作戦で「疑いがあり」と診断された人も更に検査を進めると新型インフルエンザではなかったという報道に切り替えられていましたが、とうとう新型インフルエンザに感染した人も見つかりました。この水際作戦で100%、国内に感染者を入れることを阻止することはできませんが、少なくとも急速に国内で患者が広がっていくことに対する一定の抑止力はあると思います。
今回、国がといった対策で凄いと思うのは、外国で新型インフルエンザが広がっていく過程でかなりタイムリーに水際作戦などの対策をとってきたことです。
検疫をする専門家の人を準備したりするのは大変なことだと思うのですが、きちんと体制を準備して淡々と進めています。当初はなかなか思うようにいかなくて、外国から帰ってきた飛行機を長時間で成田で待たせてしまって、乗客が成田に降り立つことがなかなかできなかったlこともあったようですが、ゴールデンウイークで海外からの帰国者が増える前に体制を見直したり、感染国から帰ってくる飛行機が到着するゲートをできるだけ近傍配置して、検疫をする人が長距離を移動しなくてもすむように見直したりして改善を図っています。
最近、外国から日本に来た人にとっては具合が悪いわけでもないのに、こんなに機内で待たされるのはどういうことかと思っている人も多々いらっしゃるのではないかと思いますが、このような時期なので仕方がないと割り切っている方も多いようです。私の会社でも感染国への出張は原則として認めないという措置もとられました。
また、新型インフルエンザの感染者が出た場合、感染が確定した人の周りの座席に座っていた乗客は成田空港近くの病院やホテルで係留という措置がとられています。最大、潜伏期間である10日間はその場で居残るように求められるのだそうです。
朝日新聞の記事によれば一人一部屋が割り当てられるということなので、環境が劣悪ということはなさそうですが、自由に室外へ出ることができなかったり、家族とすら面会をすることができないということなので、かなり徹底して隔離されるような形になります。テレビを部屋の中で見るくらいしかできないので、かなり暇をもてあましてしまうようです。 このホテルの費用や食事の費用などは国が負担をしてくれるそうです。
今まで、国際的な比較の中で日本の政策を見ていると、とにかく後手に回ってしまって、いまさら何をやっているのだろうと思わせるようなこともあったのですが、今回の新型インフルエンザに対する政策を見ている限り、このようなことは一切思えません。本当によくやっていると思います。今後も国内で大きく感染者を広げることがないよう対策を継続していくことを願っています。
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