イーバンク銀行の名前が「楽天銀行」に変わるというニュースが数日前に流れていました。イーバンク銀行は2001年7月2日に営業を開始したネット専業の銀行です。私もイーバンク銀行には口座を持っており、オークションの決済や振り込みのために使用しています。
イーバンク銀行の楽天との資本・業務提携
このイーバンク銀行は2008年8月に楽天と資本・業務提携の発表がありました。楽天はイーバンク銀行が発行する優先株による第三者割当増資を引き受けることで、約200億円を出資しました。今年の2月に楽天は優先株式を全て普通株式に転換することで出資比率が約46%となり、イーバンク銀行を連結子会社化していました。
東京都民銀行楽天支店は廃店
楽天市場については東京都民銀行と組んで、東京都民銀行の楽天支店というネットバンク支店を開設し、ここを銀行としての機能の拠点にしていくものと思っていたのですが、やがて東京都民銀行から楽天支店預金と顧客を譲り受け、イーバンク銀行に移行することとなりました。東京都民銀行の楽天支店については2009年の2月に廃店になっています。
イーバンク銀行と提携の交渉を始めたときには、既にイーバンク銀行を楽天としての中核のネットバンクにすることで気持ちを決めていたのでしょう。その後も楽天は第三者割当増資を受け入れるなどして、現時点ではイーバンク銀行に対する楽天の出資比率は約67%にまで達しています。
私の場合、楽天でブランドを統一しているわけではないのですが、よく使うネットショッピングモールNo1は楽天市場ですし、メインのクレジットカードは楽天カードになっています。株の取引は楽天証券を使っていますし、旅の窓口が楽天トラベルになったことで、出張の宿の手配には楽天トラベルを使うようになってしまいました。そして、イーバンク銀行が楽天銀行に変わってしまうとなると、本当に身の回りに楽天が占める割合が大きくなってきたような感じがします。
【2021年4月23日追記】
楽天銀行は1000万口座を突破
楽天銀行は2020年の1年間で口座数が20%も増えて、ネット銀行でははじめて1000万口座を超えました。預金残高も2019年末と2020年末で比較すると5割も増加して5兆円を突破しました。この金額は中堅の地方銀行並みの数字です。
ネットショッピングモール(楽天市場)をはじめとしたグループの顧客基盤をポイントなどの優遇策で囲い込む戦略が功を奏しています。
一方で大手の都市銀行では店舗数を削減したり、窓口をオンラインテレビ会議にしたりとデジタル化に舵を切っています。今後は徐々にネット銀行と店舗を持つ従来型の銀行の垣根が取り払われて、お互いが近い立場に寄っていくことになりそうです。
楽天では日本郵政と業務提携し、郵便局というインフラも活用できるようになりました。今後、楽天銀行と郵便局のシナジーが出てくるのか否か興味深いところです。
【2022年10月12日追記】
楽天銀行の躍進
その後、楽天銀行は楽天カードや楽天証券とのシナジーも利かせて、躍進を続けています。2021年度の調査によれば主なネット銀行の中で、預金残高、口座数ともにトップになっています。
出所:全国銀行協会 よりよい銀行づくりのためのアンケート報告書(2021年度)
【主要なネット銀行の預金残高および口座数】
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