日刊工業新聞の記事によると、フロッピーディスク駆動装置(FDD)を製造する主要三社がその生産撤退に向けて調整を開始したそうです。このFDD製造主要三社というのは、ティアック、ワイイーデータ、ソニーの三社になります。
フロッピーディスク
最近のパソコンではフロッピーディスクドライブがついている機種は非常に稀になってきました。また、たとえフロッピーディスクドライブがついているパソコンを使っていても、FDを使う機会自体がとても減ってきているのではないでしょうか。
5インチ
私が学生時代に最初に使ったパソコンでは5インチフロッピーディスクが主流でした。もう今では見ることが無いので、写真を掲載しておきます。
きっと今ではメディアもドライブも完全に生産されていないのだろうなと思います。今の3.5インチFDは固いプラスチックのケースの中に円盤が入っていますが、こちらの5インチFDについてはペラペラとしたケースの中に入っています。
3.5インチ
そして次に普及したのが3.5インチフロッピーディスクです。5インチから3.5インチへの切り替えは比較的ゆっくりと切り替えが進んでいったような気がします。日本電気のPC-9801であれば、PC9801VXが寿命になるのに伴って5インチフロッピーディスクを目にすることが無くなった感じです。当時のパソコンにはFDD装置が2台付いていて、1台にシステムフロッピーディスクを入れて、もうひとつをデータ記憶用として使用するのが一般的でした。もちろん、この頃はハードディスクは高嶺の花で、ほとんどのパソコンにハードディスクは付いていなかった頃です。
ハードディスクの普及
その後、ハードディスクが普及しても、依然としてフロッピーディスクドライブは必ず1台は付いているという時代が長く続きました。OSをハードディスクにインストールするときに、どうしてもFDDからパソコンそのものを起動する必要があったためです。また、1MB以下のデータを交換するための媒体としてもFDは多用されました。しかし、パソコンのブートそのものもCDドライブ(DVDドライブ)から行うのが一般的になりました。さらに、USBメモリが普及してデータの交換にもFDが使われることはなくなりました。こうして、FDドライブの必要性は徐々になくなり、まずはモバイル型の小さなパソコンでFDドライブが搭載されなくなり、そして最近のパソコンではFDドライブが搭載される機会がなくなってきました。新聞の記事によれば、フロッピーディスクの市場規模は2009年の1月には最盛期だった時期の30分の1にまで減ってしまったそうです。
CD DVDドライブ
CDについてはDVDドライブやブルーレイドライブでも読むことができるので、媒体が比較的長く使えそうですが、FDについては後継となるようなドライブがありません。したがって、FDドライブがなくなってしまうと、手持ちのフロッピーディスクについては、もう読み込むことが不可能になってきてしまいます。
もし昔のフロッピーディスクに大事な文書やデジタルカメラの画像などを保存している場合には、今のうちにハードディスクやCD-R、DVD-Rなどに退避しておいたほうが良いと思います。
最近はすでにDATやMO、DVD-RAM、HD-DVD、ZIPなどの媒体も目にする機会が無くなってきました。FDについてはそんな中では比較的長続きした規格だと思いますが、メーカー主導型でいろいろな媒体が世に登場しては淘汰されていて世の中から消えていくという状況が続いています。淘汰されてしまった媒体を消費者が使っている場合には消費者にとって迷惑な話しになってしまいます。今後はCDのように後継のドライブでも使うことができるような寿命の長い規格を標準化していってほしいと思います。
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