シックスアパート社からMovable Type 5が発表されました。MovableTypeはブログを実現するサーバーインストール型パッケージとしては草分け的な存在ですが、一時期はWordPressに存在を脅かされたこともありました。
しかし、Movable Type 4でブログにとどまらないWEBサイトの構築、運営、管理を支援する機能や掲示板などコミュニケーションを活性化するための機能などが強化されて、また見直されています。
このブログについても、MovableTypeを使ってずっと運営を続けてきています。一時期はWordPressでサイトを立ち上げてテスト運用をしたこともありましたが、最終的にはMovableTypeで本サイトの運営を続けてきています。WordPressは静的に各ページを生成しているわけではなく、動的にページを生成しています。
したがって、ページをカスタマイズしたときの効果が再構築をすることなく効果が反映されますが、MovableTypeでは基本はページを静的に生成していますので、再構築が必要になります。ここがMovableTypeの使い勝手の中で気になるところではありましたが、ダイナミックパプリッシング機能により動的なページ生成が出来るようになったほか、静的生成の要素と動的生成の要素を組み合わせて一つのページを作ることなども出来るようになり、非常に自由度が増しました。
今度のVer5ではCMS機能の強化、管理画面のデザイン刷新、ユーザビリティの向上が大きな改善点になるようです。現在のバージョンでもブログとは別に普通のWEBページを作成してブログと同様にWEBページとして管理する機能が付いています。今回はMT上で静的なページのフォルダを直接作成、管理する機能も追加されたことにより、実際のコンテンツのサイト構成に沿った設計ができるようになりました。
また今回のアップデートで“ウェブサイト”と呼ばれる新しい管理概念が導入されました。この“ウェブサイト”という管理概念の配下で複数のブログをまとめて管理することが出来たり、またテンプレートやカテゴリーを共有することが出来るようになります。
従来は管理概念の最も高い位置には「xxxxブログ」という形になっていました。そして「xxxxブログ」の配下にWEBページを配置していました。ブログがあくまでもメインでその配下で一般のページも管理できるようにしたという格好です。それに対して今回のアップデートでウェブサイトの配下でブログと普通のWEBサイトが並列で管理できるようになったことになります。企業ホームページなどを管理する上では、一般的な管理概念に一歩近づいたのではないかと思います。シックスアパート社では「ブログ管理ソフト」から「ソーシャルパブリッシングプラットフォーム」に進化したのが特長としています。
MovableTypeは非常に拡張性が高く、またカスタマイズが容易な構造になっています。逆に言うと、ウィジェットやテンプレートなど色々な概念があり、はじめてMTを使ってブログを構築しようとしたときに戸惑うことも確かで、管理画面のデザイン刷新や、ユーザビリティの向上については、より管理者にとって使いやすくする上では効果があるのではないかと思います。どんな形で改善されたのか、正式リリースされた時点で更改して是非使ってみたいと思います。
今回から価格体系が変更されることになりました。しかし、個人ユーザーにとって最も気になるのは、無償の個人ライセンスの利用規約が変わるのか否かです。調べてみると、こちらはアフィリエイトの設置も含め一定の条件の下であれば無償利用が可能であり続けるようです。とても有りがたい事だと思います。
新しいMovableType5については8月上旬にベータ版を公開して、9月末の正式リリース、そして10月中の発売を目指すとしています。今回のバージョン5では大きな機能の変更は無さそうではありますが、それ以降の機能追加も含め、MovableTypeの今後については非常深いと思います。
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