ここはHONDAの関連企業であるモビリティランドが運営しています。昨今の不景気によりHONDA本体の経営も苦しくなってしまい、多摩テックがリストラの対象になってしまいました。1961年に開園してから実に48年にもわたって営業してきました。首都圏の遊園地の中でも老舗の一つだと思います。
多摩テックの歴史
当初はモータースポーツセンターとしてオープンしました。初代の所長はロードレース世界選手権で日本人として初めて優勝した高橋国光選手です。そんな経緯もあり、モータースポーツをイメージしたアトラクションが多いです。
HONDAが運営していることからも判るように普通の遊園地とは少しコンセプトが違い、自分で運転したり操作したりして楽しむタイプの遊具がたくさんあります。
特にゴーカートに乗りたいなと思ったときは多摩テックをすぐに連想してしまう感じです。子どもにとっては免許を持つことなく本格的なゴーカートに乗ることが出来る施設として非常に貴重な存在でした。
多摩テックに訪問
多摩テックに行ったのは海の日(7月20日)です。祝日ということもあって混んでいるかな?とも思ったのですが、10時過ぎに着いたときには、まだ第一駐車場にも空きがありました。
この日は曇り空でしたが、子どもがプールに行きたいと言うので、多摩テックのプールに行ってそれから乗り物に乗ることにしました。
新聞屋から貰った多摩テック入園券
今回は新聞屋さんから貰った多摩テックの入園券が2枚あります。この入園券にはプールの入園+入場券が1600円になる割引チケットも付いていたのですが、入園さえしてしまえば、プールは大人1000円で楽しむことが出来ます。とすれば、入園無料の券を使って入園した後にプール券を購入することにしました。子どもの分はチケットが無かったので、JAFの会員証を見せつつ入園+プール券を購入しました。
入園してみると、「グランドフィナーレ」一色になっていました。7月4日から9月30日まで実施しているようです。至る所に「48年間のありがとう」と書かれたのぼりが立っていました。
このグランドフィナーレでは、開園から現在までの歴史を写真パネルで紹介するメモリアルギャラリー、「でんでんむし」、「スーパースカイライダー」が当時のカラーリングになる復刻版アトラクション、昭和40年代に多摩テックで大人気となった乗り物を復刻展示する「懐かしの乗り物展示」、そして多摩テック開園当時の様子や昔のアトラクションを動画で鑑賞できる「メモリアルシアター」といったイベントが実施されています。
懐かしの乗り物展示の方で、乗り物の写真を撮ってみました。まずは「走る椅子」です。何だかベンチにハンドルが付いただけのようにも見える不思議な乗り物です。
こちらはオートバイです。
こちらはゴーカートの原型でしょうか。
こちらのゴーカートは少し格好がよいです。
こちらがメモリアルギャラリーです。
このあと、すぐにプールに行ったのですが、多摩テックのプールの話題は、別のエントリーに分けて、このまま多摩テックの遊具の紹介を続けます。
次は園内を一周しているスーパースカイライダーです。二人乗りの宇宙バイクという設定です。1982年に導入されました。
こちらはプールの下から発着しているアクロエックスです。「勇気・好奇心が試されるステージ。キミも冒険にチャレンジ」とパンフレットには書かれています。
こちらはガリオンという乗り物です。カーブにさしかかると横にゆらゆらと揺れつつ前進する乗り物です。
こちらはフォーミュラプラスというゴーカートです。レースと同じような雰囲気で、このときは7台のゴーカートでレースが出来るようになっていました。一回でコースを二周出来ます。1台のゴーカートには1人しか乗れないので、7人ずつしか乗ることが出来ません。列が前に進むのにとても時間がかかりました。階段の上まで列が続いていたのですが、1時間ほどの待ち時間でした。人気があるようです。
遠くに見えるのは大観覧車のトップキャビンです。標高224メートルの大パノラマを楽しむことが出来ます。多摩テックに観覧車は1974年に最初のものが出来ましたが、この頃の観覧車は小さなものでゴンドラも10個程度しか付いていなかったようです。写真の大観覧車は1995年に完成しました。
こちらは4Dモーションシアターです。フォーミュラワンが終わったあとに通りかかりました。
3時までは4Dモーションシアターの設備をいかした作品が上映されていますが、4時からはメモリアルシアターとしての上映が始まります。メモリアルシアターは無料で作品を見ることが出来ます。開園したばかりの多摩テックの様子も紹介されていました。
当時はバイクのコースがあったようです。その後、初代の園長の思い出話とともに古い映像が紹介されていました。閉園することを強調するのではなく、今後は鈴鹿サーキットやツインリンクもてきに使命は引き継がれるといった感じの編集になっていました。10分ほどのビデオです。
こちらはデンタのちんちん電車「テックン」です。マスコンを握って出発進行という設定になっています。
そしてこちらはスペースショットです。高いところからの落下体験を味わうことが出来ます。こちらも動画があったので紹介します。
多摩テックには日帰り温泉施設も併設されています。このクアガーデンにも数年前にいったことがありますが、非常に綺麗な施設でした。
多摩テックの歴史を見てみると、2007年まで毎年のように新しいアトラクションを導入していることが判ります。2年ほど前までは、まさか閉園するとはまったく思っていなかったことをうかがわせます。
最近では色々な形で余暇を過ごすことが出来るようになってきたので、遊園地が下火になってきてしまっています。横浜ドリームランドや向ヶ丘遊園など、閉園に追い込まれた遊園地は数えきれません。
多摩テックは多摩地域に住んでいると新聞屋さんから入園券や乗り物券を貰うことが出来る遊園地の代表格なので、私自身も小さな頃からよく行っていました。閉園になってしまうことは残念でなりません。本当はどこか別の会社が運営を引き継いでくれればいちばん良かったのですが、やはり難しいのでしょうか。
ちなみに阿部寛が主演している「結婚できない男」というドラマの第四話に多摩テックが登場します。多摩テックの入口や観覧車を待つ列、そして観覧車に乗っているところが映っていました。閉園前の様子を見ることができるので貴重な番組です。
フジテレビの作品はFODで鑑賞することができます。
【2019/08/18追記】
先日、多摩テックの正門の前の道をたまたま通る機会がありました。付近は高い壁で閉鎖されていて、多摩テックがあったときの面影は感じることはできませんでした。多摩テック入口交差点も今では別の名前に変更されてしまっており、徐々に多摩テックが記憶からなくなっていくことを感じました。
コメント
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