マイクロソフト社はインターネットの検索分野ではグーグルやヤフーに一歩遅れていた感がありましたが、7月29日にマイクロソフトとヤフーはインターネット検索分野で提携することを発表しました。提携期間は10年間でヤフーが自社サイトでマイクロソフトの検索エンジンを使用することが柱になります。
2008年1月にマイクロソフトはヤフーに対して買収を提案していましたが、買収提案については成立に至らず、その後、業務提携に転換して交渉を継続していました。そして、今回の発表に至ることになります。最近ではヤフー自身もインターネット検索市場におけるシェアがジリ貧になってしまっていて、そのような環境の変化も今回の提携に至る一つの要因になっていたのではないでしょうか。
マイクロソフト自身についても今まではOSを軸に収益基盤を築いてきましたが、パソコン本体の価格が低廉化してしまったためにOSで高いパッケージ料を得るビジネスモデルは既に終焉に向かっていると思います。また、クラウドに代表されるネット上で無料のアプリケーションが利用できる環境が整ってきていますので、今後はクライアントOSでWindowsにこだわる必要もなくなってきました。ネット上のサービスが今後も便利になってブラウザで色々なことが出来るようになれば、LinuxやChrome OSなどのシェアが上がっていく可能性があります。
この6月のインターネット検索分野の各社シェアに関して日経新聞にコムスコアという会社の調査結果が出ていました。この数値によれば、グーグルのシェアは65%、マイクロソフトが8.4%、ヤフーが19.6%になっています。グーグルのシェアが軽く過半数を超えていて非常に高いことが判ります。マイクロソフトとヤフーを単純に合計してもシェアは28%にしかならず、グーグルのシェアの半分程度にしかなりません。もともと、ヤフーはインターネット検索の世界では非常に高いシェアを持っていたはずなのに、いつの間にかこれほどの逆転現象が発生していることには驚いてしまいました。
日本における検索エンジンのシェアはどうなっているのかもあわせて調べてみました。あまり新しい調査結果を見付けることが出来なかったのですが、アメリカに比較するとヤフーが頑張っているようです。このサイトでアクセス解析の結果で、「どの検索エンジン経由でこのサイトに辿り着いているか」を見ると、下記のような割合になっています。
・google 58.63%
・yahoo 34.77%
・bing 2.8%
・goo 1.69%
・biglobe 1.33%
・luna 0.29%
・excite 0.17%
・livedoor 0.12%
・infoseek 0.07%
・auone 0.02%
・baidu 0.02%
・conduit 0.02%
・hatena 0.02%
・nifty 0.02%
上記の数値は各検索エンジンからこのサイトがどう評価されているかによっても左右されますので、一概に検索エンジンのシェアとは結びつかないところがありますが、一つの目安にはなるかもしれません。
今回のマイクロソフトとヤフーの提携について、株式市場がどう見たかという結果もアメリカの株式市場の推移で判りました。結果はヤフー株の急落です。前日比で12%が株価が下がってしまいました。今回の提携についてはヤフーにとっては不利な提携だったというのが株式市場の見方となったわけです。報道を見る限り、今までヤフーが独自に育ててきたYSTを捨ててしまい、マイクロソフトの新しい検索エンジン、Bingを採用するというのは、ヤフーにとってみればコアスキルを捨て去ることにもつながるので、非常に心配な提携だと思います。ヤフーはYSTの開発投資が不要になったり、マイクロソフトとヤフーでネット検索で発生する広告収入を分け合うことが出来たりといったメリットもありますが、問題はBingという検索エンジンが今後どの程度、利用者が増えるかによります。
何はともあれ、今後、マイクロソフトの検索エンジンであるBingに注目が集まる可能性があります。また、現在はYST経由でこちらのサイトに来た方も今後はBing経由となりますので、きちんとBingに認知していて貰った方が良いことは間違えありません。このサイトのサイトマップをBingに登録しておきました。
URLの登録については、こちらから実施することが出来ます。
★Bing URLの登録
そして、サイトマップの登録は、こちらから実施することが出来ます。
★Webmaster Center
日本のヤフーについてはソフトバンク社の資本もたくさん入っているので、米ヤフーの動向にだけで左右されるわけではありませんが、日本のヤフーだけでYSTの技術を支えていくのは難しいと思われます。とすれば、日本のヤフーでもBingに乗り換える可能性は多々あると思います。まだ、正式な発表はありませんが、今後の動向については注意が必要だと思っています。
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