トヨタ自動車についてはアクセルペダルを踏み込んだときに戻りにくくなることがある事象に関する包括的対応策を発表したばかりですが、今度はハイブリッド車プリウスの最新モデルに関して、ブレーキの制動に対する苦情が顧客から相次いでいることが問題視されています。
苦情は国土交通省に対して14件、トヨタが販売店を通じて把握しているのは77件、米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)には、123件寄せられているそうです。
トヨタは千葉県で起きた追突事故をきっかけにして昨年の8月に国土交通省から安全調査の指示を受けました。千葉県での事故は信号待ちの車列にプリウスが追突して四台の玉突きで二人が軽い怪我をした事故です。そのときのプリウスの運転手はブレーキを踏んだが効かないまま追突したと説明をしています。
これに対して、9月には事故車両に異常は無かったという報告を国土交通省に対してしています。しかし、日経新聞の報道によれば、今年の1月から生産されているプリウスについては既に対策を講じていることも判明しているそうです。
国土交通省の指摘に対して「事故車両に異常は無かった」としながらも、新規に生産した分には対策を講じているというのは消費者からの不信を招きかねない対応だと思います。今後、問題になるのではないでしょうか。
トヨタの佐々木副社長はこの改修内容について、「ブレーキの中の小さなコンピュータの調整などの対策を講じた」と説明したそうです。毎日新聞ではもう少し具体的に「調整したのは、スリップしやすい路面で、ブレーキと解除を繰り返すABS(アンチロック・ブレーキ・システム)のコンピューター。旧型に比べ、ブレーキが解除されている時間が若干長く、運転者に違和感を与えていたことが分かり、解除時間を短くするよう修正した」と記載されていました。
トヨタ自動車株もこの状況を受けて、大幅な下落をしています。日本の自動車業界も景気の回復に伴い業績が改善していた矢先の出来事だっただけに、今回のトヨタの対応については残念な限りです。
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